( 200609 )  2024/08/11 15:14:56  
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FNNプライムオンライン 

 

8月10日で富士山の静岡側が開山からちょうど1カ月が経った。静岡県警の発表によれば、9日までに警察や消防へ寄せられた救助要請は27件で、ほぼ1日に1件のペースとなっている。 

 

【画像】富士山・静岡側の救助要請は1日1件ペース 

 

例年通り7月10日に静岡側が開山した富士山では2024年も救助要請が相次いでいて、静岡県警の発表によると8月9日までで27件28人に上る。 

 

その内容は滑落や体調不良、ケガなど様々だが、中には「道に迷った」との通報があったことから警察が調べたところ、ルートから外れていないことがわかったため自力での下山を促したものの、「疲労困憊で不安」と訴えたため、山岳遭難救助隊が出動せざるを得ない事例もあった。 

 

要救助者の内訳を年代別に見ていくと10代男性・2人、20代男性・1人、20代女性・2人、30代男性・1人、30代女性・1人、40代男性・3人、40代女性・2人、50代男性・2人、50代女性・2人、60代男性・4人、60代女性・1人、70代男性・6人、90代男性・1人となっていて、このうち4人が死亡している。 

 

また、少なくとも8件でヘリコプターまたは民間のブルドーザーによる救助が行われたものの、その費用は要救助者が負担するわけではなく、県民の税金から支出される。 

 

山岳事故をめぐっては、活動中にヘリコプターが墜落し隊員が死亡したことを受け、埼玉県が2017年に全国で初めて条例により救助の有料化に踏み切り、指定された山や地域において防災ヘリで救助を受けた場合、燃料費に相当する手数料としてフライト時間5分につき8000円を徴収しているが、静岡県には有料化に関する条例がないからだ。 

 

静岡県警では山岳事故に対応するため、地域課、警備課航空隊のほか、主に富士山を管轄する御殿場署・富士宮署・裾野署、主に南アルプスを管轄する静岡中央署のメンバーで山岳遭難救助隊を編成し、日々訓練に励んでいる。 

 

救助隊の発足から半世紀以上となるが、卓越した登山技術と専門的な知識により、これまで救助活動中に命を落とした隊員はいない。 

 

ただ、その任務は常に危険かつ過酷で、時には1日に複数回救助に向かう日もあるという。 

 

 

こうした中、きょう8月11日は奇しくも“山の日”だ。 

 

祝日法では、山の日について「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」と定められている。 

 

登山は常に危険と隣り合わせである以上、時には救助要請につながってしまう場面があることも致し方ない側面はあるが、これを機に自らの体力や経験などをもとに“適切な山との親しみ方”を考える必要もあるだろう。 

 

1件目(70代男性) 

日時:7月10日午後2時6分 

場所:山頂の剣ヶ峰付近 

状況:登山者から警察に「人が落下している」との通報があり、搬送途中に死亡を確認 

 

2件目(77歳男性) 

日時:7月10日午後5時13分 

場所:御殿場ルート8合目から山頂までの間 

状況:登山者が動かなくなっている男性を見つけ、山小屋を介して警察に通報。その後、死亡を確認 

 

3件目(29歳女性) 

日時:7月10日午後9時5分 

場所:富士宮ルート6合目付近 

状況:低体温症により動けなくなり消防に通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が救助 

 

4件目(69歳男性) 

日時:7月11日午前4時35分 

場所:富士宮ルート元祖7合目付近の登山道 

状況:登山者が意識不明の状態で倒れている男性を見つけ、山小屋を介して警察に通報。その後、死亡を確認 

 

5件目(58歳男性) 

日時:7月13日午前2時38分 

場所:富士宮ルート8合目付近 

状況:体調不良を訴えたため同行者が110番通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が救助 

 

6件目(75歳男性) 

日時:7月13日午後3時58分 

場所:富士宮ルート元祖7合目付近の登山道 

状況:下山中に膝を負傷し、「左膝をひねって動けない」と消防に通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が救助 

 

7件目(中国籍の22歳女性) 

日時:7月13日午後6時10分頃 

場所:富士宮ルート9合5勺付近の登山道 

状況:「頭痛と寒気がする」と警察に通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が救助 

 

8件目(韓国籍の65歳男性) 

日時:7月13日午後7時7分 

場所:御殿場ルート5合目付近 

状況:下山中に「道に迷った」と110番通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が救助 

 

9件目(52歳女性) 

日時: 7月14日午前8時16分 

場所:富士宮ルート6合目・宝永山荘 

状況:山小屋に宿泊後、頭痛や吐き気を訴え身動きが取れなくなったことから、山小屋の従業員が警察に通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が救助 

 

10件目(60歳男性) 

日時:7月14日午後0時46分 

場所:須走ルート8合目付近 

状況:登山者が登山道で倒れている男性を見つけ、山小屋を介して消防に通報。その後、死亡を確認 

 

11件目(41歳女性) 

日時:7月18日午前7時10分 

場所:御殿場ルート8合目付近 

状況:下山中、岩に足を取られ右足を負傷したため、同行していた山岳ガイドが「一緒に登っていた女性が足をケガして動けない」と110番通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が女性を見つけ、ヘリコプターによって救助。女性は右足骨折の疑い 

 

12件目(90歳男性) 

日時:7月19日午後4時半過ぎ 

場所:富士宮ルート9合目付近 

状況:単独で下山中に足を滑らせ動けなくなっていた男性を登山者が見つけ、近くの山小屋に通報。山小屋に常駐していた警察の山岳遭難救助隊が背負って、8合目にある衛生センター(診療所)まで搬送。男性は右足首ねん挫 

 

13件目(73歳男性) 

日時:7月20日午前4時23分 

場所:御殿場ルート新5合目付近 

状況:単独で下山中、道に迷い「記憶がないので助けてほしい」と別の登山者を介し110番通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が救助するも救急搬送の必要なし。男性は18日に入山し、登頂したことや山小屋に宿泊したことなどは話していて、どの期間にどの程度の記憶を失っていたのかは不明 

 

14件目(60代女性) 

日時:7月20日午前9時19分 

場所:富士宮ルート新7合目付近 

状況:友人など複数人で山頂を目指して歩いていた際に足を負傷し動けなくなったため、同行していた友人が「ケガをして歩けない友人がいる」と110番通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が現場へと駆け付けた上で、民間のブルドーザーに依頼し、5合目まで搬送。女性は右足に軽いケガ 

 

15件目(フランス国籍の21歳男性) 

日時:7月20日午前11時頃 

場所:御殿場ルート7合目付近 

状況:下山中に足を滑らせ負傷したため、付近を通りかかった登山者を通じて消防に「歩けない」と通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が背負って5合目まで搬送し、救急隊に引き渡す。男性は右足骨折の疑い 

 

16件目(インドネシア国籍の31歳女性) 

日時:7月21日午前1時14分 

場所:富士宮ルート元祖7合目付近 

状況:体調不良で動けなくなり、同行していた仲間が110番通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が近くの山小屋まで搬送 

 

17件目(ネパール国籍の41歳男性) 

日時:7月21日午前10時27分 

場所:富士宮ルート山頂付近 

状況:下山していたところ足を滑らせてケガをしたため、8合目の衛生センターで応急手当を受けたものの、自力で下山できず同行していた仲間が警察に救助要請。その後、警察の山岳遭難救助隊が駆け付けた上で、民間のブルドーザーに依頼し、5合目まで搬送 

 

18件目(フランス国籍の18歳男性) 

日時:7月21日午前11時29分 

場所:須走ルート6.5合目付近 

状況:下山中に転倒し、頭を打って負傷したことから、付近を通りかかった登山者を通じて消防に救助要請。その後、警察の山岳遭難救助隊と消防隊員が救助。男性は頭部裂傷 

 

19件目(77歳男性) 

日時:7月22日午前7時40分 

場所:富士宮ルート8合目付近の登山道 

状況:下山中に転倒し、頭部を負傷したため、付近を通りかかった登山者が110番通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が現場に向かった上で、県警ヘリにより救助。意識は鮮明も頭部から出血 

 

20件目(58歳女性) 

日時:7月22日朝 

場所:富士宮ルート8合目付近の登山道 

状況:下山中に転倒し、左足首を負傷したため、付近を通りかかった登山者が衛生センターまで搬送。その後、警察の山岳遭難救助隊がブルドーザー道まで運び、民間のブルドーザーで5合目まで搬送。女性は左足首をねん挫 

 

21件目(ドイツ国籍の64歳男性) 

日時:7月24日午前10時59分 

場所:6合目・宝永山付近 

状況:下山中、石につまずいて転倒し負傷したことから、付近を通りかかった登山者を通じて警察に救助要請。その後、警察の山岳遭難救助隊が富士宮口5合目まで担架で搬送。男性は右足のすねに切り傷を負ったほか、右足首ねん挫の疑い 

 

22件目(アメリカ国籍の33歳男性) 

日時:7月26日午前11時30分 

場所:須走ルート7合目付近 

状況:25日午後10時頃から知人の外国人男性と2人で、富士宮口5合目から富士山に登り始めたものの、途中で転倒し、左膝を負傷。しかし、その後も引き返すことなく登頂し、須走ルートを下山していたが、7合目付近で膝の痛みが増して耐えられなくなり、近くの山小屋を介して警察に救助依頼。その後、警察の山岳遭難救助隊員が一緒に下山。留学生は病院には行かず、シャトルバスに乗って帰宅。 

 

23件目(ブルガリア国籍の46歳男性) 

日時:7月27日午後1時43分 

場所:須走ルート下山道7合目から本6合目までの間 

状況:26日にブルガリア国籍の友人と須走口から入山。その後、山小屋で1泊し、27日朝に登頂したものの、下山中に足を踏み外し転倒。足を負傷した男性を見かけた別の登山者が「外国人の男性が足にケガをしている」と110番通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が現場に駆け付けた上で、民間のブルドーザーで5合目まで搬送し、救急隊に引き継ぐ。男性は左足首ねん挫の模様。 

 

24件目(55歳男性) 

日時:7月27日午後10時56分 

場所:御殿場ルート5合目付近 

状況:下山中、道に迷ったため、「登山道から外れてしまった」と110番通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が出動し、通報時に探知した携帯電話の位置情報などをもとに捜索したところ、翌28日午前1時20頃まで男性を発見し救助。男性は今回初めて富士山に登ったと話している。 

 

25件目(19歳男性) 

日時:8月1日午後5時44分 

場所:須走ルート7合目付近 

状況:登山中に体調不良を訴えたため、同行していた母親が「息子が動けない。意識がなく嘔吐している。呼吸はある」と消防に通報。その後、警察と消防の山岳遭難救助隊が出動し、現地へ駆けつけたところ、会話は若干できたものの、意識がもうろうとしていたため民間のブルドーザーで5合目まで搬送し、救急隊に引き継ぐ。男性は高山病の模様。 

 

26件目(75歳男性) 

日時:8月2日午後3時43分 

場所:富士宮ルート9合目付近 

状況:転倒し頭部を負傷したところ、付近を歩いていた人が見つけ消防に通報。その後、警察の山岳遭難救助隊が駆け付け、8合目にある衛生センターまで背負って搬送し、民間のブルドーザーで5合目まで搬送。男性は単独登山で軽傷の模様。 

 

27件目(44歳男性・49歳女性) 

日時:8月2日午後8時過ぎ 

場所:6合目・宝永山付近 

状況:下山中に道に迷い「自分の位置がわからなくなった」と消防に通報。その後、下山道のコース上にいることがわかったため自力での下山を促したものの、「疲労困憊で不安」と訴えたため、警察の山岳遭難救助隊が出動し救助。 

 

(テレビ静岡) 

 

テレビ静岡 

 

 

 
 

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