( 200817 )  2024/08/12 01:09:50  
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ボーイングは、2024年8月7日に、パトリオットミサイルシステムに使用するPAC-3迎撃ミサイルの重要部品であるシーカーの生産を強化すると発表しました。

シーカーはミサイルの誘導に必要なセンサーが集まっている部品であり、需要が高まっているため増産が行われています。

この増産により、製品供給の改善が見込まれていますが、安定化は工場拡張後になる見込みです。

(要約)

( 200819 )  2024/08/12 01:09:50  
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発射される「パトリオット」PAC-3弾(画像:ボーイング)。 

 

 アメリカの航空宇宙企業であるボーイングは2024年8月7日、パトリオットミサイルシステムに使用する迎撃ミサイル「PAC-3」の重要部品であるシーカー生産を強化すると発表しました。 

 

【おお、これで誘導を…】「パトリオット」PAC-3に搭載さえれているシーカー(写真) 

 

 PAC-3はレイセオンとロッキード・マーチンの共同開発ですが、その後、ボーイングがロッキード・マーチンの下請けとしてシーカー部分の生産を担当しています。 

 

 シーカーはミサイルの誘導に必要なセンサー類が集まっている場所で、PAC-3を完成させるためには、なくてはならないものです。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年2月以降需要が高まっており、不足するという事態が起きていました。 

 

 ボーイングは今回、年末までにシーカーの年間生産記録を20%以上更新するペースで増産を進めていると発表しています。 

 

 実は日本の三菱重工業がアメリカに輸出する予定だったPAC-3に関しても、このシーカーの供給不足で遅れが出ています。アメリカは日本からPAC-3を輸入し、余剰となったPAC-3とPAC-2をウクライナに供給する意向でしたが、この計画にも影響が出ています。 

 

 今回の増産により、多少は改善される可能性はあるかもしれませんが、供給の安定化はアラバマ州ハンツビルにあるボーイングの工場が拡張された後になると予想されています。なお、工場拡張エリアは2027年に稼働予定です。 

 

乗りものニュース編集部 

 

 

 
 

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