( 201147 )  2024/08/13 01:14:41  
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日本銀行が7月31日に追加の利上げを行い、円高が進行しています。

新NISAで外国株式の積立投資を始めようと考えている人も増えていますが、円安と円高のタイミングについて解説されています。

一般的に積立投資を始めるのに最適なタイミングは円高であり、円高のタイミングで外国資産を購入し、円安のタイミングで売却すると利益を出すことができます。

ただし、未来の為替動向を予測することは困難であり、長期的な視点で投資先を選択することが重要です。

積立投資は早く始めれば始めるほど効果的であり、少額からでも早く始めることが大切です。

(要約)

( 201149 )  2024/08/13 01:14:41  
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写真:LIMO [リーモ] 

 

7月31日に日本銀行が追加の利上げを発表しました。 

 

これにより急激な「円高」が進行し、7月上旬は1ドル=約161円だった為替レートは7月31日に1ドル=149円となりました。円高はさらに進行し、8月5日には141円台に。 

 

◆【チャート】過去1ヶ月間の「ドル円(USD/JPY)」の値動き 

 

最近はアメリカなどの外国株式への投資も盛んですが、外国株式を買うには外貨が必要となります。 

 

そのため、新NISAで積立投資を始めようと検討している人の中には、急激な円高が進む中で投資を始めていいのか悩んでいる人もいるかもしれません。 

 

そこで本記事では、新NISAで外国株式(投資信託含む)の積立投資を始める場合に「円安」と「円高」のどちらのタイミングがいいのかについて解説します。また、積立投資を始めるタイミングにおいて大切な考え方も解説しています。 

 

新NISAの積立投資を始めようと思っている人は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。 

 

※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。 

 

円安とは、外国通貨に対して「円」の価値が安くなることです。 

 

例えば、1ドル=100円から1ドル=150円になれば、1ドル=50円の円安が進行したことになります。 

 

円安禍では、新NISAで外国株式や外国投資信託の積立投資を始めるのは不利になります。 

 

なぜなら、外国株式の購入単価が上がってしまうからです。 

 

例えば、100ドルの米国株式を購入する際、為替レートが1ドル=100円であれば1万円で株式を購入できます。一方、為替レートが1ドル=150円であれば1万5000円が必要です。 

 

このように、米国株式の購入単価が上がってしまうことが円安のタイミングで積立投資を始めるデメリットとなります。 

 

次の章では、実際に円高のなかで積立投資を始める影響について考えていきましょう。 

 

円高とは、外国通貨に対して「円」の価値が高くなることです。 

 

例えば、1ドル=150円から1ドル=100円になれば、1ドル=50円の円高が進行したことになります。 

 

円高禍で新NISAを使って、外国株式や外国投資信託の積立投資を始めるのは有利です。 

 

なぜなら、外国株式の購入単価を抑えられるからです。 

 

例えば、100ドルの外国株式を円高である1ドル=100円のときに1万円で購入して、その後に円安が進み1ドル=150円になったタイミングで売却すれば、1万5000円で売れるため5000円の利益が出ます。 

 

 

一般的に積立投資を始めるのに最適なタイミングは「円高」です。 

 

円高のタイミングで外国資産を購入して、円安のタイミングで売却すれば、円換算で利益を出すことができます。 

 

ただし、問題が一つあります。それは、今後の為替の動きを予測するのは非常に困難であることです。 

 

今は1ドル=約150円ですが、この為替レートが今後どうなるのかはわかりません。 

 

50年後に1ドル=50円になっている可能性もあれば、1ドル=300円になっている可能性もあります。 

 

そのため、未来からみて現時点が「円安」なのか「円高」なのかはわからないのです。 

 

よって、結論としては「円高のタイミングで積立投資を始めて円安のタイミングで売却するのがベストだが、未来から見て今が円安なのか円高なのかはわからないため、為替は気にせずすぐに積立投資を始めて問題ない」ということになります。 

 

次の章では、実際に投資するうえで重視したいポイントについて解説します。 

 

先ほど、将来の為替の動きを予測するのは困難であるため、長期投資を前提とする積立投資を始めるタイミングを考える必要はないことを説明しました。 

 

ただし、何に投資するかはとても重要です。投資先の株価(価格)が大きく上昇すれば、円安・円高に関わらず利益が出る可能性は高くなります。 

 

例えば、アメリカの主要企業500社に投資するS&P500は、直近10年(2012/8/1~2024/8/1)で約4倍(ドルベース)も価格が上昇しています。 

 

そのため、2012年に1万ドル投資していれば、今は4万ドルに資産が増えているのです。 

 

もちろん株価も将来どうなるかはわかりませんが、投資先の成長と株価の成長は長期的に見ると相関関係にあります。 

 

世界のGDPは右肩上がりに伸びているため、世界経済が今後も成長を続けると仮定するのであれば、世界各国の株式に分散投資できる投資信託を積立投資し、安定的に価格の上昇を狙うなどの選択肢も考えられるでしょう。 

 

 

積立投資は、一般的に早く始めれば始めるほど効果を得やすいです。 

 

例えば、運用利回り年率3%で積立投資を20年間続けた場合の資産評価額は以下のとおりとなります。 

 

●積立金額別の20年後の資産評価額 

積立金額 20年後の資産評価額(元本部分) 

 

 ・月1万円 328万円(240万円) 

 ・月2万円 657万円(480万円) 

 ・月3万円 985万円(720万円) 

 ・月5万円 1642万円(1200万円) 

 ・月7万円 2298万円(1680万円) 

 ・月10万円 3283万円(2400万円) 

*運用利率は年利3%とする。非課税となるのは元本1800万円の部分まで。 

 

月3万円の積立投資を20年間続ければ、985万円もの資産を築けます。元本は720万円のため、積立投資により265万円も資産が増える計算です。 

 

新NISAを始めようか迷っている人は少額からでもいいので、円高・円安は気にせず、できるだけ早く積立投資を始めてみてください。 

 

 ・Trading View(米ドル/円) 

 ・Trading View(S&P500) 

 ・金融庁「資産運用つみたてシミュレーター」 

 

苛原 寛 

 

 

 
 

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