( 203197 ) 2024/08/19 15:08:29 0 00 ゴミの不法投棄(提供・西牟田靖氏)
難民認定申請の悪用抑止を肝とする「改正入管法」が全面施行された。朝日、毎日、TBSなどのメディアは早速これに難癖を付けたが、「難民」に関してはこれらメディアが報じない「不都合な真実」もある。埼玉・川口市の病院前での大乱闘で逮捕されたクルド人は再入国を果たしていたというのだ――。(以下、「週刊新潮」2024年6月27日号をもとに加筆・修正しました。日付や年齢、肩書などは当時のまま)
【衝撃の証拠写真】埼玉県民を震え上がらせる「クルドカー」 「これで崩れ落ちないのが不思議」
***
日本に来る「難民」の実態の例として、ここ数年話題となっている埼玉県川口市に集住するクルド人の例を挙げてみよう。
クルド人とはトルコやイラン、イラク、シリアなどに住む、国を持たない民族。30年ほど前から川口市では、トルコ国籍のクルド人が住み始めるようになり、現在、その数は2000人とも3000人ともいわれる。そのほとんどが難民申請をしているか、それが却下されたものの、入管施設への収容を健康上や人道上などの理由で解かれている「仮放免」の状態にある。
文化の違いもあり、クルド人は地域住民との間にあつれきを起こしてきた。騒音や危険運転、執拗(しつよう)なナンパや地域ルールの逸脱。こうした事例が相次ぎ、地元住民の不安が高まっていたのは、既に多くのメディアで報じられている通りだ。
「そうした不安が爆発するきっかけとなったのが昨夏の、病院前での乱闘事件です」
とは川口市周辺でのクルド人問題を取材する、ノンフィクション作家の西牟田靖氏。
昨年7月、市内で女性を巡るトラブルによりクルド人同士がけんか騒ぎを起こし、1人が刃物で切られて川口市立医療センターに運び込まれた。そこに双方の親族や仲間のクルド人が100人以上集まり、乱闘に。これによって救急搬送の受け入れが5時間半もストップしたのだ。殺人未遂や凶器準備集合などの容疑で計7名のクルド人が逮捕された。
逮捕された7名は、後に嫌疑不十分などの理由で全員が不起訴となった。これは埼玉県警にトルコ語を解する職員が少ないためとも指摘されているが、
「7名のうち一人は昨秋、トルコに帰国。しかし、5月に日本に戻ってまたトラブルを起こしていました」
と明かすのは、さる入管関係者である。
帰国後、再び戻ってきたクルド人男性は25歳。
「2013年に不法入国しました。すぐに退去命令が出ましたが、それに従わず、1年後に難民申請を行いました。その2年後に不認定となった後には暴行容疑、さらにその後、器物破損容疑で逮捕されています」(同)
病院事件が起こった時には、2回目の難民申請の最中だったという。
「事件ではけんか相手の頭や顔を切りつけ、大けがを負わせた末、自分も右の前腕をナイフで切られている。縫合手術をしましたが、予後が悪化し、右の人指し指を切断しています」(同)
その後、2回目の難民申請を取り下げ、本人は昨年11月、トルコに帰国したが、
「この5月、弁護士から上陸特別許可を求める上申書が出された。右腕の治療とリハビリを日本で行いたい。また、病院に200万円の未払い金があり、それを支払いたいし、日本に親族もいるから、というのです。もちろん上陸拒否をしたのですが、本人がその日、羽田に来て、“帰りたくない”と床に寝そべり、“救急車を呼べ”と大声で叫ぶ。仕方なく羽田の収容施設に入れました」(同)
日本とトルコとの間では3か月以内の短期滞在であればビザが免除されている。そのため、パスポートと飛行機代さえあれば、日本の空港までは簡単に来られてしまうのだ。
男性の目的は川口に戻ること。そこで彼は、
「ハンガーストライキを始めた。脱水や低血糖の症状が出たので仕方なく仮放免の措置を取り、外に出したんです。しかし、手術をした病院に改めて聞いても、右腕についてはこれ以上の治療や処置は不要だという。しかも、昨年入院していた際も、病室で暴れたり、不満を述べたりして大変だったと。そこで強制退去の処分にしました」(同)
現行の制度上、入管が出来うる中での厳正な対応である。
それでも男性は抵抗をする。
「クルド人の仲間が車5台に分乗し、20人近くで入管に押しかけ、抗議に及んだ。護送官付きでようやくイスタンブール便に乗せたんですが、本人は“すぐにまた来る”“私は金持ちだから日本でもトルコでも良い生活ができる”と毒づいていましたし、日本にいる本人の家族も“すぐに再来日させてやる”“弁護士やマスコミもいっぱい連れて来る”と抗議していました」(同)
***
クルド人に限らず、どの国の申請者の中にも、一定の割合で素行不良者は存在する。パキスタン人やバングラデシュ人や中国人らの中に、凶悪犯罪に手を染める者もいる。また、2022年の警察庁発表によると、犯罪で摘発された最多の外国人は、窃盗ならベトナム人、傷害や暴行では中国人となっており、クルド人のみをやり玉に挙げるべきでもないだろう。しかしながら、一部の在留クルド人が問題行動を起こしたり、日本人では考えられないような事故を起こしたりして、地域が迷惑を被っているのは事実である以上、今後も地域社会との共生は課題となっていくだろう。関連記事「『クルド人は真面目でよく頑張る』 トラブル頻発でも、解体業者が『クルド人作業員を好んで使う』知られざる理由」では、解体業の現場でクルド人が重宝される理由について、ともに働く日本人作業員らのコメントと併せて報じている。
デイリー新潮編集部
新潮社
|
![]() |