( 203597 )  2024/08/20 17:27:50  
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「高齢者の定義をアップデートせよ」。そう提唱するのは、新刊『ホリエモンのニッポン改造論』を発表した堀江貴文氏だ。「人生100年時代」を迎え、ふくれ上がる社会保障費をどう抑えればよいか。高齢者が心身の健康を維持し、幸せに生きるにはどうすればよいか……。日本が活力を取り戻すためのアイデアを存分に語ってもらった。 

 

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「人生100年時代」はもう目前だ。そうなると、後期高齢者になってからも20~30年は人生が続くことになる。 

 

現役を退いてからの年月を、「人生の余り」という意味で「余生」と呼ぶことがある。人生100年時代が生み出す20~30年もの余生とは、言い換えれば膨大な「暇」との闘いになるだろう。この暇を持て余して心身の活性度が下がれば、確実にボケが始まる。 

 

ここはぜひ、「暇を持て余す」のではなく「暇を手なずける」ことを考えたい。 

 

私がHIU(堀江貴文イノベーション大学校)を立ち上げたのも、80歳、90歳、そして100歳になっても現役としてお金を稼ぎ、大いに遊びたいからである。何歳まで生きるかわからないが、人生の最後の最後まで楽しみたい。暇を持て余すのだけは避けたいのだ。 

 

HIUはオンラインサロンだから、少々体が不自由になっても参加できる。国籍を問わず、世界中の人々と交流もできる。そこでは個々のメンバーが、自由に好きなこと――本を出したり、日本酒を作ったり、イベントや合宿を計画して実行したり、といった活動をしている。 

 

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好きなことだから楽しくできる。ある程度の年齢になっているメンバーにとっては、それが、やがては心身の健康維持や認知症防止にもつながるはずだ。 

 

最近も、こんな例があった。 

 

若いHIUの会員が、会費15万円という高額の「寿司を食べる会」に父親を連れてきたのだ。15万円をこともなげに支払えるのだから、おそらく成功者なのだろう。聞けば、埼玉県や茨城県で中古車販売会社を経営してきたとのことで、支店もたくさんあるらしい。 

 

「もう仕事は精一杯やってきたので、そろそろ現役は退いて、若者に投資していきたいと思っている」と話すその父親に、私は即座にHIUへの参加を勧めた。 

 

このように、事業に成功してお金はあるのに、その使い道がわからないという人は多いはずだ。会社員として無事に勤め上げ、定年を迎えた人にも、おそらく同じことが言えるケースは少なくないだろう。 

 

 

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仕事から引退したとたん、孤立し、居場所を失えば、それだけ老いも早くなる。仕事一筋に邁進してきた人ほど、現役引退後の活動範囲は驚くほど狭い。 

 

心身の老化スピードを抑え、健康寿命を延ばすには、家庭と職場以外に、趣味やボランティア活動などの居場所を確保することが重要だ。 

 

HIUのような活動場所は、そういう意味でも、公益性が高いと思う。世代を超越したコミュニティで若い人との付き合いが増えれば、自然と若返るだろう。若者に投資するという生きがいを見出すことで、人生に張りを感じることもできるだろう。 

 

こんなふうに暇を持て余さず、手なずける高齢者が増えれば増えるほど、日本人の健康寿命は延びる。 

 

結果的に、医療費の国庫負担を大幅に抑え、赤字に苦しむ健康保険組合を助けることにもなるはずだ。 

 

堀江 貴文(実業家) 

 

 

 
 

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