( 204232 )  2024/08/22 17:01:41  
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テレビユー福島 

 

東京電力は、福島第一原発で予定していた溶け落ちた核燃料「燃料デブリ」の試験的な取り出しについて、直前の準備作業で誤りがあったことがわかり、22日の着手を断念しました。原因は、パイプの接続の順番を誤ったことで、関係者は「あり得ないミス」と指摘しています。 

 

▼【画像を見る】作業のイメージ図、取り出しに使う装置 

 

福島第一原発では、1号機から3号機まで、原発事故で溶け落ちて固まった核燃料=燃料デブリがおよそ880トンあるとみられ、取り出しが廃炉最大の課題です。 

 

東京電力は22日午前6時から、2号機の原子炉格納容器に通じる配管に装置を入れ、燃料デブリの試験的な取り出しに着手する予定でした。 

 

しかし、22日朝、着手直前の準備作業で、取り出し装置を入れる押し込みパイプの接続の順番を間違えたことに作業員が気付き、作業を中断しました。押し込みパイプは5本あり、長さ1.5メートル、重さ100キロほどで、それぞれ形状が似ているということです。 

 

東京電力の担当者「計画していた順番と異なることに気付いたため、本日の作業はここまで」 

 

東京電力は、予定していた燃料デブリの試験的な取り出しについて、22日の着手を断念しました。今後の日程については未定だということです。 

 

関係者は「初歩的なあり得ないミスだ」と指摘していて、準備段階での確認が不十分だったとみられています。 

 

東京電力の小早川智明社長は午前10時、訪問先の新潟県で取材に対し「具体的に何が起きたのか、まだ把握していない」としたうえで「ここで焦って何かを進め、より大きなトラブルになるよりは、しっかりと安全着実に進めていくことが必要だと思っているし、地元の人の願いでもあると思う」と話しました。 

 

■関係者は「初歩的なミス」原因は 

 

今回のミスは、装置の「押し込みパイプ」の接続時に起きました。パイプは5本あり、釣り竿と同じように順番につないで伸ばしていく構造になっていますが、順番が違っていたために、伸ばすことができませんでした。 

 

押し込みパイプは、長さ1.5メートル、重さは100キロあり、簡単には切り替えることができず、高い放射線量の現場であることなどから、22日の作業継続は断念されました。 

 

廃炉作業をめぐっては、今年2月には浄化装置から汚染水1.5トンが漏えいしました。4月には、電源ケーブルを誤って切断したことで、停電が発生。処理水の放出が6時間あまり停止しました。また、現在は2号機の使用済み燃料プールにつながるタンクの水位が低下し、燃料の冷却が止まっています。 

 

安全に作業を進めることが大前提の中、東電が繰り返し説明してきた「緊張感」とは何を指すのか。その中身が問われています。 

 

テレビユー福島 

 

 

 
 

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