( 205672 )  2024/08/27 02:11:06  
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パチンコせずに休憩だけでも大丈夫なのか?(イメージ) 

 

 全国的に過酷な暑さが続いている今年の夏。全国のパチンコホールの組合である全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)では、エアコンが効いたパチンコホールを酷暑の避難場所として高齢者に提供する取り組みを行っている。「暑い日はお近くのパチンコ店へお気軽に涼みに来てください!」というコピーのポスターも作成され、全国各地のパチンコ店へ協力を呼びかけている。 

 

【画像】「暑い日はお近くのパチンコ店へお気軽に涼みに来てください!」酷暑避難場所ポスター 

 

 デパートや図書館など、冷房が効いた公共の施設は、以前から暑さを避ける休憩場所としても利用されてきた。パチンコホールでも“避暑”に訪れる人は以前からいたが、最近はより休憩しやすくなっているという。パチンコ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が話す。 

 

「大規模な店舗では、ホール内に休憩スペースを設けるケースも多く、パチンコを打っている合間に休む人がいたり、友人が打っている間にそこで待っていたりなど、いろいろな活用がされていました。パチンコは打たないでただ涼みにくるという人もいますが、かつてのパチンコホールはたばこ臭いイメージも強く、それで避けられている側面もありました。 

 

 それが2020年4月1日から改正健康増進法が全面施行されたことで、パチンコホールでの分煙化が進み、多くのホールではたばこ臭さが解消されています。以前はホールに入るだけで着ている服がたばこ臭くなってしまうこともあったのですが、いまはそういった状況はなくなっています。 

 

 一方で、騒音についてはまだまだ難しい部分もあります。ホールによっては休憩スペースとパチンコ台の島との間にパーテーションを作るなどして、休憩スペースでの騒音軽減を図っているところもありますが、そうではないホールも多い。騒音が苦手だからパチンコホールに近寄らないという人は、いまでも少なくないでしょう」 

 

 休憩スペースがあり、なおかつ「酷暑避難場所」のポスターが掲示してあるホールであれば、パチンコを打たない人でも気軽に休憩しやすいだろう。しかし、ポスターが掲示していないホールの場合、パチンコを打たずに休憩することがマナー違反になってしまうケースもあるという。 

 

「都内の繁華街にあるそこまで大きくないホールなどの場合、そもそも休憩スペースがない。そういったホールで“休憩だけをする”というのは難しいかもしれません。パチンコホールでは、“打たない台には座らない”というのが基本的なルールになっていて、“空いている台に座って、打たずに休憩する”という行為は、ルール違反になってしまいます。 

 

 ただ、友人と2人でホールに行って、友人が打っている横で“打たずに見学をする”というケースであれば、見学用の椅子を出してくれるホールも多くあります。そういった形で休憩をするのは可能です」(藤井氏) 

 

 一部のホールでは、休憩スペースに読み放題の漫画や置いてマッサージチェアが置いてあったりするなど、設備やサービスが充実しているケースもある。神奈川県に住む飲食店勤務のAさん(40代男性)は、行きつけのホールで“休憩”することも多いという。 

 

「仕事が休みの日に朝から晩まで打つ間には、休憩スペースでゆっくりします。そこはテレビも漫画も置いてあって、最高なんです。 

 

 店員さんもすごくフレンドリーで気さくに話しかけてくれます。私だけでなく、ほかの常連とも仲が良く、朝からずっと休憩スペースで高校野球を見ながら店員さんと世間話をしている高齢者の方もいますよ。酷暑を避けつつ息抜きをし、人とコミュニケーションも取れるという恵まれたスポットです」 

 

 

 一方で、休憩スペースがあっても、打たずに休憩するのが簡単ではないホールもあるようだ。埼玉県在住の会社員Bさん(50代男性)が、自身の体験を明かす。 

 

「私はたまにパチンコを打つくらいなんですが、出先で急にトイレに行きたくなって、初めて入るパチンコ店のトイレを借りたことがあります。用を足したあと、休憩スペースに座ってちょっとスマホをいじっていたら、何か視線を感じたんです。それで周りを見渡してみたら、店員さんが私のことを不審げに見ていたんですよね。特に注意をされたわけではないんですが、ほかにお客さんもほとんどいなくて気まずかったし、何かを疑われているような気がして、すぐにお店を出ました」 

 

 実際に、前出の藤井氏は「お客さんが少ないお店では、打たずに休憩していると不審がられてしまうことがある」と話す。 

 

「パチンコホールでは不正行為を防ぐために、店員は常に怪しげな客を監視しているものです。普段は常連客しかこないような閑散としたホールに、見知らぬ客がきて打たずに休憩だけをしていると、店としてもチェック対象となってしまうのでしょうね。そういう意味でも、お客さんが極端に少ないホールで休憩だけをするのは、ハードルが高いと思います。打たずに休憩をする場合は、ある程度お客さんが入っているホールのほうがいいかもしれません」(藤井氏) 

 

 厳しい夏の暑さを避けるために活用できるパチンコホール。より快適な時間を過ごすためのホール選びも心がけたい。(了) 

 

 

 
 

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