( 206762 ) 2024/08/30 16:31:14 0 00 自身のYouTubeチャンネルで結婚したことを報告した東出昌大(画像:東出昌大 公式YouTubeより)
8月27日、俳優・東出昌大さんが自身のYouTubeチャンネルで再婚を発表。さらに相手が妊娠していることが明らかになるとネット上にはさまざまな声が飛び交いました。
【写真】東出さんの新妻・花林さんも登場した「再婚報告動画」。2人の間にはリラックスした空気が流れる
もちろん祝福の声はあるものの、それ以上に目立つのは批判的なコメント。X(旧Twitter)や記事のコメント欄には「許せない」「呆れる」「吐き気する」「どこかイカれている」「ホラ吹きの女たらし」「どうせまた離婚」などの目を覆いたくなるような投稿が続出しました。
さらにネットメディアは以下のような批判をあおるような記事を量産し、お祝いのムードが吹き飛んでしまう状態に陥っています。
「東出昌大のデキ再婚に『やっぱ若い子好きなんだ』とドン引き反応…唐田えりかより年下がお相手か?」 「東出昌大の“デキ再婚”に《生理的に無理》と拒否反応も…『子どものために再婚しない』即撤回のチャラさ」 「『ちり紙みたいな信念』東出昌大まさかのデキ婚! 3カ月前には『子供たちのために再婚しない』宣言も “早すぎる撤回” にドン引き」
「東出昌大『電撃再婚』で不安視される育児スキル 元恋人が指摘する『大きな赤ちゃん』に子育てはできるのか」 「《離婚から4年の元妻・杏に新たな苦悩》東出昌大、元女優との授かり再婚で『子どもたちへの説明はどうするつもりなのか』」
もちろんこれほど東出さんが批判されるのには理由があり、それは2020年1月の不倫や杏さんとの離婚だけではないのでしょう。特に指摘されているのは、3月放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)で結婚願望を聞かれ「今はない」と言っていたこと。
さらに5月配信の「世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた」(ABEMA)では「再婚する気はなく、交際女性もいない」ことや、杏さんとの間に授かった子どもたちに向けて「『いつでも来ていいよ』って言える親父でいたい」「だから新しい家庭を持つとかは全然考えてない」などと語ったことなどが厳しい声につながっています。
それでも東出さんは独身であり、なぜ祝い事でここまで叩かれなければいけないのか。一度の失敗でいつまで叩かれて、どんな報告だったら叩かれなかったのか。そもそも杏さんや子どもたちは東出さんが叩かれることを望んでいるのか。
さらに、これまでの経緯から、東出さんの人柄、評判、仕事などをベースに叩かれやすい人の特徴を探っていきます。
■「人は1日で気持ちが変わる」が適用されず
不倫も再婚も「当事者の問題」であり、「当事者がよければいい」という前提があることは今や多くの人びとがわかっていることでしょう。それでも「言いたくなってしまう」、しかも「厳しい言葉をぶつけたくなってしまう」という対象になるかどうかは、やはり「当事者の言動次第」のところがあります。
東出さんはそのとき、感じたことを率直に語るタイプだけに、「一貫性がない」という点で厳しい声を受けやすい感は否めません。3月と5月の再婚や子どもに関する発言はその最たるところですが、特筆すべきは「東出さんが嘘をついたと思っている人はほとんどいない」こと。
東出さんは嘘をつくタイプではなく、そのとき、感じたことを率直に語るタイプとみなしたうえで、「それでもダメ」と批判しているのです。
東出さんのような「一度大きな失敗をした人は、『人間は1日で気持ちが変わるかもしれない生き物』という前提が適用されない」とみなされているのではないでしょうか。
相手が妊娠したことで「再婚して子育てに向き合っていこう」という気持ちに変わったことが認められず、数カ月前の発言を持ち出して「矛盾している」と結論付けるような声が目立ちます。
では東出さんを叩く人びとは「自分の気持ちは数カ月で変わらないか」と尋ねられたら、そうとは言い切れないでしょう。「あくまで『自分はさておき』の前提で叩く」というアンフェアな構図が祝い事に対する過剰な批判につながっています。
もともと日本人は外国人よりも「気持ちが変わることへの否定」だけでなく、「他人に一途や純潔を求める」という傾向が強く、それは令和の今なお変わっていません。
ただ、かつては「自他ともに一途や純潔を求める」でしたが、匿名で自由にコメントできるようになってからは「自分はさておき他人には一途や純潔を求める」というニュアンスが強くなっています。
さらに言えば「一度失敗した有名人には、より一途や純潔を求める」ため、東出さんはこれほど叩かれてしまうのでしょう。
「いつまで叩かれるのか」と言えば、俳優などの表に出る仕事を続ける限り厳しい目で見られ続け、数十年単位でそのリスクを背負っていくのではないでしょうか。
■社会の前提を無視して叩く人びと
あやうさを感じさせられるのは、「人間だから気持ちが変わることも間違えることもある」「結婚に限らず一度目はうまくいかない人が多い」という子どもに教えるような社会の前提を無視して叩く人が増えたこと。
有名人に限らず「失敗したらLINEグループなどで叩かれる」という恐れから、進学・就職や恋愛・結婚などで「一歩を踏み出せない」「挑戦しない」という結論に至りやすい世の中になっています。
中でも東出さんのケースは「人目にさらされ、批判を受けやすい有名人は失敗が際立つ」という最たるところですが、決して一般人に無関係な話ではないでしょう。「失敗してもやり直せばいい」「やり直そうとする人に優しくできなくても厳しい声を浴びせない」というムードをどう作っていくのか。
もし匿名で無責任な発言が飛び交うネット上を変えることが難しいとしても、自分が属する家庭、学校、会社、友人グループ、サークルなどの各コミュニティでその認識を共有していきたいところです。
では、東出さんがどんな報告をしていたら叩かれなかったのか。
おそらくどんな言い方をしても強引に叩くポイントを見つける人がいるため、批判を完全になくすことは難しいでしょう。しかし、3月や5月の発言に対する釈明や、杏さんや子どもたちに対するコメントがあれば多少批判はやわらいだかもしれません。
東出さんはここでも、そのとき、感じたことを率直に語っていました。「後輩として現場で知り合って、おつき合いをはじめたのは今年に入ってから」「この土地で子どもを育てられることが楽しみ」などと新妻や子どもに対する現在の思いを率直に語りましたが、これ自体はさほど問題があるとは思えません。
ただ、今回は自らのYouTubeチャンネルとは言え、「『語りすぎてしまった』ことが叩きたい人にとってのガソリンになった」という感があります。
■「語りすぎてしまう」ゆえの批判
今回の「ご報告」というYouTube動画は20分超に及びました。
その中には、「犬も人もすべてご縁ってどうなるかわかんないし、3年前は想像もしなかったけど、でも(知人からご祝儀をもらったあと、新妻と愛犬がそばで寝ている姿を見た)その瞬間、『俺めっちゃ幸せだな』って思って」などのいわゆる“のろけ話”もありました。
さらに、「『幸せのあとは不幸せ』とか、『幸と不幸は鎖のように』とか言うけど、そんな先の不安なこと言ってもしょうがないから。とにかく今は楽しめることを全力で楽しんで、お仕事いただけたらめっちゃ仕事して」「悩みはない、(って言うと)ちょっとバカみたい。あれ? 悩みって何だっけ。考えてもしょうがないことを考え続けると悩みになっちまいます」などと自身の価値観を語っていました。
叩きたい人にしてみれば、「幸せアピールしすぎ」「浮かれて自分語りするな」ということなのでしょう。思えば前述した3月や5月の再婚や子どもに関する発言も、語りすぎたことで叩かれる材料を自ら与えたところがありました。実際、彼らは元妻・杏さんや子どもたちを引き合いに出して東出さんを責めています。
ただ、「杏さんや子どもたちは東出さんが叩かれることを望んでいるのか」はわかりません。そうなのかもしれないし、逆に「同情されたらかえって迷惑」「そんな心の狭い人間ではない」などと思っている可能性もありそうです。
また、子どもたちに関してもフランスで幼少期を過ごしているだけに、日本人の感覚で「かわいそう」と決めつけるのは、やや乱暴ではないでしょうか。
それでも現在、シングルマザーとして子育てに奮闘している人や夫の浮気に苦しんでいる人などは文句のひとつも言いたくなるかものしれません。しかし、そうではない人が“勝手な共感力”を発揮して関係性のない人を叩くことに現代社会の生きづらさを感じてしまいます。
これは東出さんと杏さんたちだけのケースではなく、一般の男女に浮気や不倫、離婚や再婚などがあった場合も同様。たとえば、友人グループが本人の真意に関係なく、「かわいそうだよね」「あの元旦那はありえない」などと勝手な共感力を発揮するケースをしばしば聞きますが、はたして当事者はそれを望んでいるのか。
また、その勝手な共感力を発揮させないためには、当事者自ら「幸せ」や「充実」を発信していかなければいけないことも、生きづらさを感じる理由の1つでしょう。
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