( 206942 )  2024/08/31 01:10:46  
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百条委員会で尋問を受ける斎藤元彦兵庫県知事=30日午後、神戸市中央区(代表撮影) 

 

《兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑を調査する30日の県議会調査特別委員会(百条委員会)は委員長に続き、自民党会派の委員が質問した。企業に職場でのパワハラ防止対策を義務付けた女性活躍・ハラスメント規制法(パワハラ防止法)の観点から、斎藤氏を追及した》 

 

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《委員は弁護士の見解に基づき、パワハラ防止法は公益通報者保護法に比べて、相談や告発の真実相当性が厳格に求められず、告発者らへの不利益な取り扱いが禁止されていると主張。斎藤氏はこれまで、疑惑を文書で告発した元県西播磨県民局長の男性が保護対象ではないとしているが、委員は保護対象になり得るとの見方を示した》 

 

委員「3月20日に文書の存在を把握し、県幹部と協議した際、告発者がパワハラ防止法で保護される認識はあったか」 

 

斎藤氏「なかった。誹謗(ひぼう)中傷性が高い文書と認識した」 

 

委員「元局長を停職3カ月とした懲戒処分について、いまは不適切と認識しているか」 

 

斎藤氏「いまも思っていない。適切だったと思う。事実でないことが多々含まれる文書だと認識し、調査して処分した。適切だった」 

 

委員「記者会見で『公務員として失格』と発言したのは、不適切と認識しているか」 

 

斎藤氏「言い過ぎだったと、これまでも述べている。最初に(文書を)みたとき、大変ショックだった。事実でないことがたくさん含まれ、なぜこういった文書を作るのかと苦しい思いがあった。悲しい、つらい思いから、あのような(失格という)表現をした」 

 

《委員の質問のテーマは、県職員とのやり取りの妥当性に移る》 

 

委員「職員とのやり取りで『聞いていない』『知らない』ということが結果として、県政を滞らせるのでは」 

 

斎藤氏「私も完璧な人間ではない。1回聞いたことを全て覚えていられるほど全能ではない。大量の資料の内容は失念することがあり、『聞いていない』といってしまうことはある。注意しないといけない。職員としっかりコミュニケーションをとることが大事だ」 

 

委員「知事に完璧な人間を求めているのではない。受けた説明を忘れることもあるだろうが、そのときの態度として『資料に書いているから知っていると思うな』と発言するのは、真っ当か」 

 

 

斎藤氏「言い方が厳しかったり強くなったりして、職員の皆さんに不快な思いをさせたことは反省したい。謝りたい」 

 

《委員からは「知事は自分中心にものごとを考え、自分は大丈夫だったのかという意識が欠けているからパワハラにつながる」との厳しい指摘もあった》 

 

委員「(複数の職員が参加する)グループチャットの中で、知事へのレク(説明)に入った職員について『全然なっていない』と。ただ本人には、だめな内容を伝えていない。グループチャットで職員を評価するのは、自分で自分の首を絞めている。ワンクッション置いて考えることはしないのか」 

 

斎藤氏「ご指摘はしっかり受け止めたいが、仕事をしていく上で、改善してほしいことを言ってはだめという世界ではないと思う。チャットでなく口頭でよかったというご指摘だと思う。これから気を付けたい」 

 

《質問者は維新会派の委員に交代した。維新は前回知事選で斎藤氏を推薦しており、日本維新の会の吉村洋文共同代表や藤田文武幹事長は、証人尋問における斎藤氏の説明次第で、県議会で不信任決議案を提出する可能性に言及している》 

 

委員「知事は部下からどう評価されていると思うか」 

 

斎藤氏「厳しい上司だと思われていると思う」 

 

委員「好かれているか、嫌われているか」 

 

斎藤氏「それは分からないが、仕事は厳しくするというのが私のスタイル。職員がどう思っているかは、いろいろあると思う」 

 

委員「職員とのコミュニケーション不足は深刻だと思う。登退庁時は公用車が送迎しているが、運転手と随行者は時間を逆算して余裕をもって出発している。知事は事前に決めた時間に遅れることはあるか」 

 

斎藤氏「そういうこともある」 

 

委員「知事が遅れて行程がずれて、怒られる職員は理不尽な指導だと思う」 

 

斎藤氏「ケース・バイ・ケースだと思う。そういった指摘は真摯(しんし)に受け止めないといけない」 

 

《維新の委員は斎藤氏と職員の間で「人間関係(の構築)が足りていない。人望がないのではないか」とも指摘した。委員は全職員を対象としたアンケートの中間報告に基づき、夜中や休日でも斎藤氏がチャットで幹部職員に指示を出すこともただした》 

 

 

委員「深夜にチャットを送ることが、幹部職員の負担になっていたことについての考えは」 

 

斎藤氏「真摯に反省したい。職員への気遣いなどをしなかったのは、私の至らなさだ」 

 

《質問は、職員アンケートの中間報告で、パワハラを見聞きしたとの回答が約4割に上ったことにも及んだ》 

 

委員「4割が見聞きしているのは、どういう状況なのか」 

 

斎藤氏「私の想定以上に、ここまで知事がポロッと言ったことや、やったことが伝わっていくことがあるんだなと。自分の言動はより慎重に、襟を正していくべきだと思った」 

 

委員「(職員に対し)強く言う行為を自粛し、しっかりと反省していただきたい」 

 

斎藤氏「改革刷新をしたいという思いで一生懸命、自分なりにやってきたが、行き過ぎた面があった。しっかり反省して襟を正していきたい」 

 

《維新委員の質問は終わり、公明党会派の委員に交代した》 

 

=(3)に続く 

 

 

 
 

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