( 207312 ) 2024/09/01 01:05:38 0 00 価値観が分かれる旅先の飲食問題(イメージ)
物価高、宿泊費の高騰などから、遊びや旅行にも以前よりお金がかかるようになった。旅は楽しみたいが、予算が限られている以上、少しでも節約したいというのも本音。どの費用を削減するかは人ぞれぞれだが、特に価値観が分かれやすいのは飲食費だ。旅行先で飲食費を節約したくない派と節約したい派、それぞれの言い分を聞いてみた。
【写真】せっかく特別な場所に来たのにコンビニおにぎりはさびしい?
アパレル関連企業で働く20代女性・Aさんは、以前交際していた男性と東京ディズニーリゾートに行った時のエピソードを振り返る。
「車で行ったのですが、到着すると彼は『園内では食べられないから、今のうちに食べちゃおう』と言って、コンビニで買ったおにぎりとサンドイッチをバックから取り出したんです。うわあ……と思いましたが、たしかに中で食べると高いのは事実。でも『自分はまだお腹が空いてないから』とごまかしました」
さらに昼時になると、男性はパーク外にある「ピックニックエリア」で“ディズニーピクニック”を提案してきたのだという。
「ピックニックエリアは入園料を払わなくても利用できるのに、わざわざ入園料を払って途中退場してピクニックする意味がわかりません。せっかくディズニーに来たんだから、高くてもディズニーならではのものを食べたかったのに、彼は『園内で食べると高いから、もったいないでしょ? その分おみやげを買ったほうがいいじゃん』という考え方でした」(Aさん)
結局Aさんが嫌がったことで、パーク内のお店を利用することになったが、そこでも彼との「溝」は埋まらなかった。
「彼は『こんなサイズでこの値段?』とか、『これを食べるならマクドナルドのほうが……』とかいちいち言うんです(笑)。私はせっかく来たんだから、奮発するところは奮発したいタイプだったので、価値観が合わないなと思いました。結局別れましたが」(Aさん)
IT企業勤務の30代女性・Bさんは“旅行で飲食費をケチりたくない派”。旅行の際、仲間内でもめないために対策を講じるようになったという。
「私は高いお金を払ってもいいから、名物やそこでしか食べられないものを食べたい。でも推し活を通して仲良くなった友人との旅行の際、宿泊する旅館で食事がセットのプランを予約しようとしたら、彼女はかたくなに素泊まりをしたいという。外の飲食店で何かおいしいものを食べたいわけでもなくて、単純に食費をかけたくない人でした。
友人は観光地や“聖地”へ行くことに重きを置いていて、飲食費も推しに関わるものならいくらでも出すけど、自分の食事は二の次だったんです」
それでも「互いの推しについて語るのは楽しかった」というBさん。旅行前に話し合いの場を設けることにした。
「ホテルは素泊まり。ただし『1食は現地のものを一緒に食べる』という約束をし、時には別行動をするようにしました。誰かと旅行に行く時は、事前に食にまつわる価値観を確認しておいた方がいいですね」(Bさん)
金融機関勤務の40代男性・Cさんは、「旅行に行っても、チェーン店やコンビニでいい」というスタンスだ。
「ご当地のものだからといって、自分がおいしいと感じるとは限らないですよね。それを旅の醍醐味として楽しめる人ならいいと思いますが、僕は割と食に興味がうすいタイプで、いくら海鮮が名物といわれても、その日牛丼が食べたかったら牛丼を食べたいんです(笑)。
極端な話、旅行先でも、いつも食べてる牛丼チェーンに行ってもいい。というか、むしろ全国同じチェーンだからこそ、味にがっかりすることはない。なんなら、地域のお客さんの雰囲気や方言なんかを楽しめると思っているぐらいです」
Cさんは、コンビニ食も大好きだ。
「コンビニやチェーン店、ファミレスには安心感があります。現地の店には当たりはずれがあるので、高い値段を出してがっかりしたくないんです」
人と一緒の場合はどうするのか。
「いさかいを起こしたいわけでもないので、完全に相手に合わせます。文句も言いません。ただ楽しめていないのもバレるみたいで、そもそも誘われなくなりますね(笑)」
旅先でお金がかかっても食欲と好奇心を満たすか、節約と同時に安心感を取るか。価値観を確かめた上で、うまく折り合いをつける方法を探すのもありかもしれない。(了)
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