( 208473 )  2024/09/04 15:22:47  
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コバホークは失速、石破は賞味期限切れ……次の総理総裁レースは早くも小泉勝利が見えてきた。父・純一郎の政権獲得からまもなく25年。「若すぎる総理」は日本を変えられるか? 

 

【最新予測】「いきなり総選挙」で落選する議員の全実名はこちら…! 

 

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「実はすでに総裁選の趨勢は決しています」 

 

こう語るのは政治評論家の有馬晴海氏だ。 

 

自民党総裁選は10人以上が出馬に意欲を見せ、前代未聞の様相を呈している。当選4期で世間的には無名だった小林鷹之が我先にと出馬を表明、「女性初の総理」を目指す高市早苗や上川陽子も出馬に必要な推薦人20人を、すでに確保できる見通しだという。旧岸田派中堅議員は言う。 

 

「派閥が解散したことで、長老たちの締めつけが弱まり、推薦人を集めやすくなりました。意欲さえあれば誰もが総裁選にチャレンジできる時代がやってきたのです」 

 

若者や女性が政治の中心に躍り出る―まさに「新しい自民党」の到来を予感させるようだ。 

 

しかし、これらはあくまで表向きのことにすぎない。全国紙の政治部記者が解説する。 

 

「候補者が乱立すれば、議員票は分散し、1回の投票で過半数を取る候補者は現れない。したがって今回の総裁選は『決選投票』ありきなのです」 

 

一見、混戦模様で先が見通せないように思えるが、決選投票まで考えれば、総裁候補は自ずと2人に絞られてくる。冒頭の有馬氏が言う。 

 

「1回目の投票で、党員票367票のうち、国民人気の高い小泉進次郎さんと石破茂さんがそれぞれ100票近く取るでしょう。他の候補者は残った167票を分け合うことになる。そのうち誰か一人が50票以上取るのは難しいでしょう。 

 

一方、議員票については、進次郎さんは現時点で40人以上の支持を集めているとの報道もありますから、少なくとも50票は取る。党員票と合わせて150票です。石破さんは党内人気がないので推薦人+10人の30票ほどと見込まれますが、それでも党員票を合わせれば130票です。 

 

他の候補者が決選投票に残るには、石破さんの130票を上回らなければなりませんが、議員票でそんなにまとまった票を取れる人はいない。つまり現時点で、決選投票は進次郎さんと石破さんの対決になる可能性が極めて高いのです」 

 

進次郎と石破―前総理の菅義偉がずっと目をかけてきた2人である。 

 

 

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当初、菅は石破を担ごうと画策してきた。ところが東京都知事選の石丸伸二の躍進を見て、考えを変えた。 

 

「菅さんは岸田政権が世論調査で軒並み20%台の低支持率に沈んでいたことに大変な危機感を抱き、『もう古い政治はやめないといけない』と繰り返していた。岸田さんが総裁選出馬を断念した際には、周囲に『なんとか自民党崩壊の危機は免れたな』と囁いたほどです。 

 

そして、今の自民党の逆風を跳ね返すには、「石丸現象」並みのテコ入れが必要だと考えたのです」(自民党関係者) 

 

そこで菅は一気に「進次郎シフト」へ切り替えたのだ。 

 

「進次郎さんの父・純一郎さんは'01年、『自民党をぶっ壊す』と宣言し、総裁選に出馬して圧勝。支持率は森喜朗内閣終盤の9・6%から72・8%まで跳ね上がった。菅さんはこの突破力を進次郎さんに期待しているのです」(自民党ベテラン議員) 

 

そして、石破と進次郎のどちらが「選挙の顔」として優れているかは、言うまでもないだろう。 

 

解散総選挙の有力な日程は「10月15日公示、27日投開票」だ。 

 

「アメリカ政府はこれまでことあるごとに自民党の内閣人事に口を出してきた。でも11月5日の米大統領選まではアメリカ政府も忙しく、日本にかまっていられない。向こうの体制が固まる前に解散してしまおうという算段です」(菅氏周辺) 

 

では「進次郎総理」が解散に打って出たら、果たしてどのような結果が出るのか。今回、政治ジャーナリストの青山和弘氏と有馬氏に全国289選挙区の当落予測を依頼、さらに本誌独自に各選挙区の内情を取材した。結論から言えば、死に体で下野までありえた自民党は、進次郎という「救世主」の力で劇的な延命を果たすことになる。 

 

青山氏は、小選挙区では自民党はそれほど議席を減らさず勝ってくるが、依然として逆風があるため比例票は大きく減らすと予測する。 

 

「自民党単独では過半数の233議席を割る。自公で過半数維持という予想になります」(青山氏) 

 

一方、有馬氏は「進次郎効果」が大きく出ると予測する。 

 

「岸田総理のまま選挙をやれば80議席減の大敗でしたが、進次郎総理であれば現状維持の議席で収まるでしょう」(有馬氏) 

 

現状維持であれば、国会の安定的な運営に必要な絶対安定多数の261議席を超える。起死回生の大勝利と言ってもいい。 

 

 

和歌山1~2区 

 

ただし、すべての自民党議員が救われるのかと言えば、それは甘い。さしもの進次郎とて、スキャンダルが直撃した候補者たちをすべて引き上げるには至らなさそうだ。 

 

特に苦しいのが、裏金問題で厳しい処分を受けた旧安倍派幹部だ。 

 

「萩生田光一は、次の選挙で公明党が推薦を出さないと言っている。 

 

安倍派座長だった塩谷立は、前回すでに立憲の源馬謙太郎に大差で敗れており、誰も勝てると思っていない。 

 

世耕弘成は無所属となって参院から和歌山2区に鞍替えを狙うが、相手はドン二階俊博の息子・伸康だ。地元の町村会を二階が支配しており、世耕のつけいるスキはない」(前出・自民党関係者) 

 

旧統一教会との関係が特に深かった議員も、苦戦が見込まれる。 

 

「教会とズブズブだった神奈川18区の山際大志郎は、立憲の新人で松下政経塾出身の宗野創と競うことになるが、山際のもとからは地元自治体議員も離れており、かなり劣勢に立たされている。 

 

旧統一教会総裁・韓鶴子氏と5回面会していたことが発覚した愛知4区の工藤彰三も落選必至だ」(同前) 

 

後編記事『小泉進次郎総理の「いきなり総選挙」で発足…!“最強の世襲議員”を支える「閣僚候補」「官邸官僚」「党四役」の名前』では、「進次郎効果」の影響と「その後」について、徹底解説する。 

 

「週刊現代」2024年9月7日号より 

 

週刊現代(講談社・月曜・金曜発売) 

 

 

 
 

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