( 208748 )  2024/09/05 01:23:22  
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コメ不足が「草加せんべい」直撃 亀田製菓は輸入米シフトや値上げへ 

 

 コメの品薄状態が続くなか、江戸時代から続くせんべいの老舗が苦境に直面していました。 

 

【画像】原材料費2倍に「ウソでしょ」 老舗の草加せんべい専門店 コメ不足で苦境に直面 

 

 埼玉県の草加市民が愛してやまない「草加せんべい」。材料として使われているのは、全国で不足しているコメです。 

 

市民(50代) 

「草加市民としては不安。せっかくおいしいおせんべいをお手頃な価格で食べられたのが、高くなってしまうのは(不安)」 

 

いけだ屋 池田彰社長 

「去年の秋口から、徐々におコメの値段は上がっていた。春先くらいにもう一段階上がって、またコメ不足でもう一段階上がって。もう泣きそうですよ」 

 

 度重なるコメの値上げに「泣きそう」と話すのは創業159年、老舗の草加せんべい専門店の社長です。 

 

 いけだ屋では毎日1トンのコメを使って、およそ5万枚の草加せんべいを製造・販売しています。 

 

池田社長 

「ここが原料庫、うちの米蔵」 

 

 一見、材料のコメは豊富にあるように見えますが…。 

 

池田社長 

「これが(1つで)30キロ。33袋で約1トン」 

「(Q.これは何日分?)10日から半月分くらい。今は月初めなので、そこまで少なくはないが、ない時はすっからかんの時もあった」 

 

 直近の注文では、次の入荷日までの必要量はなんとか確保することはできましたが、予備の分は注文先から「出せるものはない」と断られました。 

 

池田社長 

「新米がとれてから来週か再来週には入れますと言われているが、去年の新米の時期と比べると値段が倍近くになっている。ウソでしょって言ったけど、ウソじゃなかった」 

 

 少しでも安いコメを入荷できるよう、様々な方法で探しましたが、やがて限界が…。そのため、今まで使わなかった米を使い始めました。 

 

池田社長 

「特定米穀というものを使って、せんべいの生地にする」 

 

 「特定米穀」いわゆる「くず米」は、粒が小さく、色も白く濁っているのが特徴です。池田社長は、質の高いものを選んでいるといいます。 

 

 しかし、一般的には安いはずの特定米穀でさえも高騰しています。 

 

 2023年産の特定米穀は、22年産と比べると20万トン近く減少しています。主な理由が、去年の高温の影響で米粒が従来よりも大きく育ったためです。そのため特定米穀の高騰にもつながったとみられます。 

 

 この影響は、米菓の最大手にも及んでいます。 

 

亀田製菓 経営企画部 

佐藤忠信マネージャー 

「当社のおせんべいは特定米穀を『ハッピーターン』や『ソフトサラダ』に多く使っているので、影響は非常に大きくなっている」 

 

 亀田製菓では、ほとんどの商品に特定米穀が使われているため、すべての材料費が高騰。必要な量をこれまで通りの価格で入手することが困難になり、アメリカ産に頼らざるを得ない状況だといいます。 

 

佐藤マネージャー 

「原材料の表記は、夏場まで国産メインで使っていたので、国産、米国産の順番で表記がされていた。今後出てくる商品については米国産、国産と順番が入れ替わる形になる」 

 

 さらに物流費などの高騰も重なり、企業努力だけでは吸収できなくなった一部の商品については来月出荷分から9%から22%値上げされます。 

 

 草加せんべいの老舗「いけだ屋」でも、近々すべての商品を10%ほど値上げする予定だといいます。 

 

池田社長 

「基本的には売れば売るほど損をしてしまう。おコメを使っていない品物がないので、残念ながら全商品値上げをせざるを得ない」 

 

 海外産のコメの利用については…。 

 

池田社長 

「アメリカやオーストラリアのおコメを使って草加せんべいと名乗るのもまずいなというのもある。同業者では輸入米を使っている業者さんも増えた。うちは国産にこだわっていこうかなと思う」 

 

(「グッド!モーニング」2024年9月4日放送分より) 

 

テレビ朝日 

 

 

 
 

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