( 209798 )  2024/09/08 15:36:57  
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インタビューに応じる鳩山由紀夫元首相=東京都千代田区永田町(酒巻俊介撮影) 

 

鳩山由紀夫元首相率いる民主党政権が平成21年9月16日に発足して15年を迎える。民主党の流れをくむ立憲民主党は政権交代を目指しているが、鳩山氏は産経新聞のインタビューに「まだ生ぬるい」と指摘した。後輩には、政治とカネを巡る自民党の不祥事について「野党らしく振舞い厳しく攻め込むべきだ」と訴えた。 

 

■自民党は最強の野党だった 

 

──立民が政権交代を掲げている 

 

「立民は『いい子』になり過ぎていないか。今の自民はわれわれが政権を取った15年前よりひどい。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題や派閥のパーティー収入不記載事件で傷ついている。もっと野党らしく振る舞い、厳しく攻め込むべきだ」 

 

「政権交代で分かったが、自民は最強の野党だった。とにかく民主党政権を倒すために全力で行動し、徹底的にスキャンダルを暴こうとしていた。立民はあのときの自民に学ぶべきだ」 

 

──今は政権奪取の執念が足りないと 

 

「世界的にみて、政権交代は政策の失敗からではなく、圧倒的にスキャンダルから生まれる。『まだ裏金問題やるのか』というムードに流されず、国民のためにも今の自民政治を厳しく追及する姿勢が必要ではないか」 

 

──立民は野党に甘んじる現状でいいと思ってはいないか 

 

「社会党は55年体制で『万年野党』に安住し、野党として存在感を発揮すればいいというような面があった。立民も言葉では『政権を取らないといけない』というだろうが、実際の活動はそうはなっていないのではないか」 

 

──政権交代を期待する世論の機運は乏しい 

 

「3年3カ月の短命に終わった民主党政権のような野党なら、自民の方がまだマシというムードが続いてしまっている」 

 

■立民代表選は昔の名前で 

 

──「まだマシ」を払拭するためには 

 

「国民の命と暮らしをどう守っていくか。政策で戦うべきテーマはたくさんある。1人当たりのGDP(国内総生産)は(かつての世界2位から)38位にシュリンク(縮小)した。これじゃいかんだろう。ただ、失礼ながら今の立民が政権を取ったら何をやるのかが分からない」 

 

──立民代表選(23日投開票)が7日に告示される 

 

 

「野党のポストに意味はない。お山の大将に過ぎない。だから、自分が首相になればこういう世の中にすると、違いをきれいに見せてほしい。これから政策論争になると見えてくるのかもしれないが、現状は違いがよく分からない。自民党は新しい人材が登場しそうな雰囲気がするが、立民は昔の名前で出てきそうだ。そうなるとニュースバリューもね…」 

 

──期待する候補は 

 

「西村智奈美前幹事長が出ると思ったが…。ただ、女性がいないから無理やり出すというような話ではなく、実際の魅力で結果として入るようになってもらいたい」 

 

──小沢一郎衆院議員も「女性ならいいわけでもない」と語った 

 

「小沢さん自身はお出にならないのか」 

 

──出ないようだが、小沢氏には政権を取ろうという執念がある 

 

「それは非常に大事だと思う。小沢さんの存在感を立民はもっと大事にすべきだった。自民党の二階俊博幹事長時代に、なぜ小沢さんを立民幹事長にしなかったのだろうか。幹事長会談で二階さんの先に座る小沢さんの方が強く見える。自民党が一番嫌がるのが小沢さん。もっと小沢さんをうまく使えばよかった」 

 

──共産党との選挙協力をどうみるか 

 

「おおいに議論すればいい。政権を取るにあたって、一緒にやるところまで言わなくても、どういう政策テーマならお互いに協力できるかなど。共産党さんには自民と立民のどちらの政権の方がいいか、もし協力してもらえるなら、われわれの候補にぶつけないでほしいとか。やり方はいろいろあると思う」(聞き手 奥原慎平、水内茂幸) 

 

 

 
 

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