( 210338 ) 2024/09/10 02:27:04 0 00 大阪高裁
国が生活保護費の基準額を引き下げたのは生存権を保障した憲法に反するとして、大津市などの受給者が処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審第2回口頭弁論が9日、大阪高裁(阪本勝裁判長)であった。原告の男性が出廷し、引き下げ後の生活の窮状を訴えた。
【地図】男性が住む大津市の場所は
国は2013年に生活保護を引き下げる改定を行い、15年までに3回に分けて生活保護費を減額した。原告らは、国が改定の根拠としたデータや物価変動の算定方法の選択が恣意的と主張。国は、改定は裁量の範囲内として争っている。
この日は大津市の男性(84)が意見陳述した。男性は1996年にうつ病と診断されて以降働けず、生活保護を申請。2013年に月額1350円、15年に同1740円を減額され、食費や光熱費を切り詰めて暮らしていると述べた。唯一の楽しみだった経の勉強会も会費が払えなくなり、「文化的要求も絶たざるを得ない」と訴えた。
一審大津地裁は昨年4月、「厚生労働相の引き下げ判断に裁量権の逸脱、乱用があるとは言えない」として請求を棄却。8人の原告が控訴し、そのうち1人が控訴後に亡くなった。同様の裁判は29都道府県で起こされ、これまでに地裁は17件、高裁は1件で処分取り消しの判決が出ている。
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