( 211378 ) 2024/09/13 16:16:31 0 00 収穫前の田んぼ前で価格上昇への理解を訴える藤井組合長(9日、福岡県筑紫野市で)
2024年産の新米価格が昨年から大きく上昇している。23年産が品薄となったことが影響しており、JAグループが生産者からコメを買い取る際に支払う「概算金」が主要産地で2~4割高となった。品薄の影響が残るスーパーなどの値付けにも反映され始め、店頭では、前年の2倍超の価格も見られる。(川口尚樹)
【図】主な産地の2024年産米の概算金
各地のJAが新米の概算金を増額した背景には、コメの品薄感が強いことだけでなく、肥料や燃料費などの生産コストの上昇もある。生産者からは「これまでが安すぎた。ある程度の価格上昇は理解してほしい」との声が上がる。
農林水産省の統計によると、コメの業者間の取引価格はこの20年間、横ばいか低下傾向で推移してきた。しかし、昨年から今年にかけ、肥料の小売価格は2020年比で3~6割高と高騰している。農業機械の燃料費なども上がっており、あるJAは概算金の引き上げについて、「物価や生産コストの上昇も勘案した」と明かす。
約18ヘクタールでコメを栽培する福岡県筑紫野市の農事組合法人「西小田」の藤井徳浩組合長(64)は、「生産者の労務費分も上げるべきで、コメの価格上昇はありがたい」と話す。ただ、「高すぎてコメが余り、25年産の価格が下がることは避けたい」と、買い控えも懸念している。
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