( 213193 )  2024/09/19 14:51:51  
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MBSニュース 

 

去年7月に阪和自動車道で、大阪府警高速隊の警察官が、「ながらスマホ運転」のトラックにはねられて死亡した事故。過失運転致死の罪に問われた33歳の男に、大阪地裁は禁錮2年の実刑判決を言い渡しました。 

 

【画像を見る】取り締まりをしていた警察官がトラックに…当時の現場の様子を見る 

 

田川友暉被告(33)は去年7月、大阪府岸和田市の阪和自動車道で中型トラックを運転中に、大阪府警の松宮崇警部補(当時50 殉職を受け警視に昇任)をはねて死亡させたとして、過失運転致死の罪に問われていました。 

 

松宮さんは高速道路交通警察隊に所属。事故が起きた際、スピード違反の車両の検挙を終え、路肩に停めていた覆面パトカーに乗り込むところでした。 

 

そこに田川被告が運転するトラックが時速約80㎞で突っ込みました。松宮さんは約25mも跳ね飛ばされ、外傷性ショックで即死しました。 

 

田川被告は現行犯逮捕された際、事故原因について、“ぼーっと考え事をしながら運転していたため”と説明していました。 

 

しかしその後の捜査で、田川被告はトラックのセンターボックスに備え付けた携帯電話ホルダーに、自らのスマートフォンをセッティングし、YouTubeを視聴していたことが判明。 

 

YouTube視聴は、阪和道に入る10分ほど前から始まっていて、ドライブレコーダーの映像には、トラックが蛇行運転する様子がはっきり映っていました。 

 

そして事故が起きる数秒前に、被告がスマホの画面をタッチしていたことも確認されました。 

 

裁判で田川被告は起訴内容を認めたものの、被告人質問では“事故が起きる直前にスマホを操作したかは覚えていない”という旨の供述をしています。 

 

(今年7月の被告人質問) 

検察官「YouTubeで何を見聞きしていた?」 

被告「甲子園(高校野球)のブラスバンドの応援曲を流していた」 

 

検察官「ブラスバンドの曲を流していたことや、考え事はおぼえているのに、なぜ被害者にぶつかる直前の行動が分からないんですか?」 

被告「私の口から事故の原因を説明できないのが遺族や警察の方に申し訳ない」 

 

 

検察官「スマホを操作しながらの運転はまずいと思わなかった?」 

被告「蛇行運転の時にスマホを操作したとは思っていない」 

 

検察官「あなたの涙は、何に対する涙なんですか?」 

被告「ご遺族や関係者の方に、私の口からちゃんと説明できないのが申し訳ないという気持ちからです」 

 

弁護人「衝突の直前にスマホをタップしていたことは本当に覚えていないんですね?」 

被告 「はい」 

 

検察側は論告で、「過失を招いた主な原因は、被告が意図的に行ったスマホ操作にあり、事故の態様は極めて悪質」「検挙歴などを踏まえても、再犯可能性は高いと言わざるを得ない」と指摘。 

 

禁錮2年6カ月を求刑していました。 

 

大阪地裁(辻井由雅裁判長)は9月19日の判決で、「YouTubeを再生して、高校野球の応援歌を聞くことは、運転に全く必要のない行為でその過失は重大。自らの娯楽を優先したという点で悪質で、単なる過失と一線を画す」と指弾。 

 

「被告が反省し謝罪の意思を示しているなどの事情を考慮しても、刑の執行を猶予することは、その悪質さと見合っていない」として、田川被告に禁錮2年の実刑を言い渡しました。 

 

 

 
 

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