( 213223 ) 2024/09/19 15:26:19 0 00 高市早苗氏
自民党支持の保守層にとって「安倍家」のブランドは格別の意味を持つ。故・安倍晋三元首相が前回の自民党総裁選で支持したのは高市早苗経済安保相(63)。だが今回、安倍ファミリーが支援に回るのは小林鷹之前経済安保相(49)だった。
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サナエあれば、憂いなし。今月9日、そんなキャッチコピーを掲げて高市氏が総裁選の出馬会見に臨んだ。
高市氏はその場で、
「安倍氏が提唱した“自由で開かれたインド太平洋”に、米国を強く関与させ続けることが日本の責任だ」
などと述べ、自身が安倍氏の正統な後継者だと強く訴えてみせた。
政治部デスクが言う。
「たしかに安倍氏は前回の総裁選で安倍派の票を高市氏に回し、議員票で岸田文雄氏の146票に次ぐ114票を獲得させました」
でも、と続けて、
「それは安倍氏が森喜朗元首相に高市支援を懇願されたからです。安倍氏は森氏に“今回一度きり”という約束のうえ、自派の票を回したに過ぎません。そもそも当時の安倍派内は、彼女が前身の町村派を脱会したことを面白く思っていない議員ばかりでした」
だから今回、高市氏が推薦人集めに苦労したのも必然の成り行き。
「なにより、前回は高市氏の推薦人に名を連ねた小林氏その人が、誰より先に自ら出馬に名乗りを上げてしまったのが痛かった。実際、8月19日の小林氏の出馬会見には、旧安倍派から福田達夫元総務会長ら11名もの中堅・若手が参加しています」(同)
その小林氏は今月6日、山口県長門市にある安倍家の墓所を訪れてニュースに。
「小林氏は先月31日に安倍家のお墓参りを行う予定でしたが、台風で6日に延期。当日は安倍氏から山口4区の地盤を引き継いだ吉田真次衆院議員のほか、安倍氏の旧後援会関係者ら約60名が同行しています」(同)
いわば安倍家の地元関係者が総出でもてなした格好だ。これによって小林氏は“安倍後継”であることのアピールに、相当程度成功したと評されている。
小林陣営の議員が語る。
「吉田さんは、公然と小林さんを応援するに至りました。当然、後見人である安倍昭恵さんも小林さんを応援していると考えるのが自然です。だいたい、昭恵さんの了承を得ないままに安倍元総理のお墓参りに勝手に行くなんてことはあり得ませんからね」
さらに明かすには、
「安倍元総理の甥にあたる信千世くんも小林さんを支援していますよ」
安倍氏の弟・岸信夫元防衛相(65)から山口2区の地盤を世襲で継いだ、岸信千世衆院議員(33)も小林陣営に身を置くというのである。
自民党関係者が言う。
「信千世氏を含む、旧安倍派の1回生はおおむねコバホーク(小林氏)支持で固まっています。彼らは、前三重県知事の鈴木英敬衆院議員を中心的存在として派閥解散後も結束しているのです。鈴木氏が小林氏の支持に回ったことで、残りのメンバーも追随しました」
小林氏当人に聞くと、
「安倍元総理は私が最も尊敬する政治家の一人です。亡くなる5日前に私の地元で憲法改正をテーマにした講演会が開かれた際、その場にいらしていただきました。そうした経緯で今回、総裁選に挑戦する旨と憲法改正を必ずやり遂げるということを墓前に報告させていただきました」
一方、墓参りの前に昭恵夫人に断りを入れたのかについては「私自身は、相談はいたしておりません」と述べるにとどまった。
先の党関係者によると、
「今回は事実上、安倍ファミリーは小林氏の支援で固まっている形。高市氏としては、議員票で広がりを欠くうえ、党員票も保守層を小林氏と分け合うことになり、一層厳しい立場に追い込まれたことになります」
高市陣営の一人は、
「小林さんは同じ側にいる。お互いの結果を踏まえて決選投票に臨もうということです。割れているという感覚? ないですね」
つまり決選投票での共闘あり得べし、というわけだ。
しかし、決選へのサナエならぬ「備え」はあっても、高市氏が1回目の投票で上位2名に食い込めるかは、あくまで未知数である。
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「週刊新潮」2024年9月19日号 掲載
新潮社
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