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自民党の総裁選挙が1週間後に迫る中、小泉進次郎元環境相は有力候補とされているが、親子3代での首相を目指す福田達夫元総務会長の存在が緊張を引き起こしている。

福田氏は進次郎氏を支えてきたが、今回は別の候補を支援しており、進次郎氏との蜜月関係が希薄になっている。

福田氏自身も政治の近代化を掲げており、自身の意向や強いエリート意識が一部の支持者を離れさせている。

進次郎氏に対して、福田氏は距離を置く一方で、自らの可能性を探る姿勢も見せている。

(要約)

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小泉進次郎元環境相 

 

 1週間後に迫った自民党の総裁選挙は乱戦模様。親子2代での首相を目指す小泉進次郎元環境相(43)は“有力候補”と目されるが、その裏で先々に親子3代での首相の座をうかがう人物の動きがひんしゅくを買っている。 

 

【写真をみる】進次郎氏と“蜜月関係”だった「政界のプリンス」って? 

 

 政治部デスクが解説する。 

 

「祖父の赳夫氏、父の康夫氏とも首相経験者の福田達夫元総務会長(57)です。本来は進次郎氏以上の“政界のプリンス”ですが、今回は裏方に甘んじています。自民党派閥の裏金問題の余波で、旧安倍派出身の彼に出場権が回って来なかった」 

 

 達夫氏は、平成27年に党農林部会長に就任した進次郎氏を部会長代理として支え、その2年後には二人で対談本を出すなど蜜月関係にあった。ところが、今回は“コバホーク”の愛称で知られる当選同期の小林鷹之前経済安保相(49)を担ぎ出した。 

 

「達夫氏は進次郎氏の“理解能力の低さ”や“根回し不足”に嫌気が差して距離を置いたとされています。実際はほかにも理由があって、議員としては1期先輩でも、10歳以上も年下の進次郎氏が自分より先に首相の座に手をかけることが許せなかったようです」 

 

 その達夫氏は、岸田文雄政権で当選3回ながら党三役の一角である総務会長に抜てきされた。現在は当選4回と着実に地歩を固めているものの、年齢的に焦りを感じているとも。そのせいか、小林選対では裏方に徹し切れているとは言い難い。 

 

 小林選対の関係者が言う。 

 

「今月10日の記者会見で、小林さんは政治改革推進うたって“党近代化実行本部”の新設を公約に盛り込んだ。中身はさておき、ネーミングセンスがあまりに古臭い。しかも聞く人が聞けば、これは福田ブランドだと明らかなんです」 

 

 昭和51年、赳夫氏は首相に就任すると、ロッキード事件によって失った自民党の信頼回復を期した。それが“党の近代化”を掲げた派閥解消など、一連の改革だったのである。 

 

「達夫さんは祖父の衣鉢を継いで、小林さんに“近代化”との旗を振らせた。陣営トップでもないのに“選対は俺が仕切っている”と示したかったのでしょう」 

 

 

 ため息の後、さらに続けて、 

 

「達夫さんはエリート意識だけでなく、我も人一倍強い。何にでも口を出して仕切りたがり、党近代化実行本部という案はその最たる例です。でも、これなんかかわいいほう。実害が出ている動きもありますからね」 

 

 別の陣営関係者が明かす。 

 

「当初、陣営には小林さんの能力と人柄を慕う中堅や若手が集まった。その後、他陣営からの引き抜きで離脱した人も少なくありませんが、この一因が達夫さんなんです」 

 

 どういうことか――。 

 

「達夫さんは、常に“上から目線”でとにかく偉そう。そんな態度に嫌気が差して、先輩議員や重鎮からの圧力を言い訳として陣営から去る人が相次いでしまった」 

 

 当の達夫氏は、小林政権が実現すれば重要閣僚か党幹部就任の可能性が濃厚だ。 

 

「それを足掛かりに首相・総裁を目指すとも。とはいえ、現状で小林さんが決選投票に残ることはかなり難しい。当の選対幹部が自己顕示に励んでいるんですから……」 

 

 祖父の言葉「政治は最高の道徳」が耳に痛かろう。 

 

「週刊新潮」2024年9月26日号 掲載 

 

新潮社 

 

 

 
 

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