( 214688 )  2024/09/23 16:45:13  
00

2度目のVで大関昇進を確実にした大の里 

 

 大相撲秋場所で快進撃を見せて13勝2敗の成績で優勝を果たし、大関昇進が決定的となった関脇・大の里。今回の昇進は記録ずくめのものとなった。幕下10枚目格付出デビューから所要9場所での大関昇進は、羽黒山らの12場所を大きく塗り替え、新入幕からの所要5場所は昭和の大横綱・大鵬の所要6場所を更新した。驚異的なスピードで上昇したのは番付だけではない。収入も大きく増やすこととなった。 

 

【給金番付】大の里はいくら稼いだ?「土俵に埋まるカネ」が一目瞭然 全幕内力士の月給や年収、懸賞金一覧 

 

 大の里は昨年5月場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏んだ。幕下力士に対しては2か月に一度の場所手当は支払われるが、月給はゼロ。そこから大の里は所要2場所で十両に昇進。そうなると一気に月給が110万円になる。同時に十両以上の関取には本場所ごとに“持ち給金”に応じた『力士褒賞金』が支払われるようになる。 

 

 デビュー時の持ち給金はどの力士も3円で、1つの勝ち越しによって0.5円が加算されるなど増えていくが、十両になれば一気に40円にジャンプアップ。さらに持ち給金を4000倍した額が本場所ごとに支給されるかたちとなるのだ。大の里にも昨年9月場所は月給とは別に力士褒賞金が16万円(40円の4000倍)支払われた。 

 

 十両を2場所で通り過ぎた大の里は、今年1月場所には西前頭15枚目で新入幕を果たす。これにより持ち給金は60円(力士褒賞金の支給額24万円)にジャンプアップ。月給も140万円に増えた。ここから、月給や持ち給金をどんどん増やし、賞金も次々と獲得していった。 

 

・2024年1月場所(西前頭15枚目):11勝4敗、敢闘賞 

 新入幕場所では序盤に白星を重ねたことで10日目から役力士と対戦。12日目には横綱戦が組まれ、厚い壁に跳ね返された。ただ、11勝を挙げて敢闘賞を獲得。三賞は賞金200万円を手にできる。7つの勝ち越しで持ち給金は「60円(支給額24万円)→63.5円(同25.4万円)」に上積みされた。 

 

・2024年3月場所(西前頭5枚目):11勝4敗、敢闘賞・技能賞 

 1大関を倒して11勝4敗の成績。敢闘賞と技能賞を受賞して400万円を手にした。7つの勝ち越しで褒賞金は3.5円加算されて67円(支給額26.8万円)へ。5月場所は西小結に昇進となり、月給も140万円→180万円へと増えた。 

 

・2024年5月場所(西小結):12勝3敗、幕内優勝、殊勲賞・技能賞 

 新小結として臨み、初日に横綱・照ノ富士に勝利。勢いそのままに12勝3敗で幕内最高優勝を果たし、デビュー7場所目は史上最速記録での初優勝となった。優勝賞金は1000万円、殊勲賞と技能賞の受賞で400万円も併せて手にしている。持ち給金は優勝でプラス30円、9つの勝ち越しで4.5円の加算となり101.5円(支給額40万6000円)と大台を突破。 

 

 

・2024年7月場所(西関脇):9勝6敗、殊勲賞 

 大関昇進の目安となる3場所33勝には届かなかったが、3つの勝ち越し。持ち給金は1.5円増えて103円(支給額41.2万円)まで伸ばした。また、殊勲賞の200万円を手にしている。 

 

・2024年9月場所(西関脇):13勝2敗、幕内優勝、敢闘賞、技能賞 

 2場所ぶり2度目の優勝を決め、大関昇進を決定的とした。成績は13勝2敗だった。まず、月給は関脇・小結が180万円だったのが、大関は月給250万円と大幅アップ。さらに、持ち給金も幕内優勝のプラス30円、11の勝ち越しのプラス5.5円がある。11月場所の持ち給金は138.5円(支給額55.4万円)まで増える。場所のある月に受け取る額は305.4万円となる。 

 

 9月場所は月給と褒賞金のほか、幕内最高優勝賞金1000万円、敢闘賞と技能賞の賞金合わせて400万円を獲得。さらに277本の懸賞金(1本手取り3万円)による831万円も手にしている。懸賞金は1月場所から9月場所までの5場所で727本の2181万円に達した。 

 

 今年1月から9月までの大の里は、月給が9か月で1460万円、褒賞金が5場所で158万円、幕内最高優勝賞金が2回で2000万円、三賞賞金が合計8個で1600万円を合わせると5218万円を稼ぎ出している。懸賞金も合わせると約7400万円に達する計算だ。 

 

 昨年7月までは月給ゼロだったが、今年は月平均で800万以上を荒稼ぎする計算になる大の里。まさに「土俵にはカネが埋まっている」を地で行くスピード出世だ。 

 

 

 
 

IMAGE