( 216590 ) 2024/09/29 14:39:40 0 00 秋篠宮邸の庭にある表町池の周辺で植物の観察をし、高校1年生の時に自ら植えたヒメガマを手に取る秋篠宮家の長男悠仁さま。18歳の成年を迎えるにあたり宮内庁が公表=2024年7月、秋篠宮邸の庭、宮内庁提供
秋篠宮家の長男、悠仁さまの来春の進学先をめぐり、さまざまな憶測が飛び交い続けている。そのなかで物議を醸したのが、悠仁さまが東京大に「特別扱い」で入学するとの情報に基づいた、ネット上での反対署名活動だ。憶測と中傷的な内容が含まれていたにもかかわらず、1万筆を超える署名を集めた。悠仁さまについて報道されるたびに、ネットでは多くの批判コメントが寄せられる。この異常な事態は、いつまで続くのか。
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「悠仁様が東大の推薦入試を悪用し、将来の天皇として『特別扱い』で入学されることは、象徴天皇制を根底から揺るがすこととなるため反対します」
大手のオンライン署名サイトで8月に始まった署名活動は、投稿から1か月ほどで1万2千筆を集め、ネット上で話題になった。
しかし、署名の趣旨を説明する文章には、真偽不明の情報や個人を中傷する内容が含まれていた。
サイトの担当者によると、「未成年者の保護」や「プライバシーの侵害」、「虚偽または誤解を招くような情報」の防止を求めるガイドラインに抵触するとして、投稿者に対応を要請。しかし、改善の動きはなかったといい、最終的に署名のページは削除されることになった。
■気丈に頑張っていらっしゃる
このオンライン署名サイトは、誰でも無料で署名活動を始められる手軽さもあり、日本国内のものだけでも年間1千件以上の署名が行われている。
大学の授業料の値上げ反対や自然の保護、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出の再開といった社会的な活動を目的としたものが多いが、署名を求める内容について事前の審査などはなく、さらにサイトの運営側も「すべての署名に目を行き届かせるのは非常に困難」としている。
そして、署名の根拠とする情報の真偽はともかく、1万2千筆を超える署名を集めたことが注目された。秋篠宮家と交流のある人物は、こう嘆く。
「紀子さまもご本人も、気丈に頑張っていらっしゃるが、胸を痛めていることでしょう。そばにいる人間のほうが辛くなります」
宮内庁は今回、何らかの対応をしたのか。宮内庁は取材に対し、「個別の署名活動についてコメントすることは差し控えさせていただきます」との回答にとどまった。
象徴天皇制を研究する名古屋大の河西秀哉准教授は、こう指摘する。
「ここまで世間がヒートアップした原因は、秋篠宮家とそれを制御できない宮内庁にあります。しかし、高校生を相手に個人攻撃のように非難をするなど、憶測をあたかも真実であるかのように世間に発信した『大手署名サイトの投稿』は当然、許されないことです。さらには、こうした投稿に喰いついて記事を乱発したメディアも問題であったと思う」
悠仁さまをめぐっては、さまざまな報道があるたびに、ネット上でバッシングが起こっているのが現状だ。
特にこれまでの進学をめぐり、お茶の水女子大学付属中学校から筑波大付属高校への提携校進学制度が「悠仁さまのために設立された制度だ」といった指摘や、「特別待遇で東大に推薦入学する」といった噂が世間に拡散され、これらを「真実」と受け止めている人も少なくないと見られる。
■公開する情報の少なさ
河西さんは今後、悠仁さまの進学先が公表されるタイミングだけでなく、高校卒業後に予定される成年式や宮殿行事デビュー、そして大学の入学式など、節目に報道があるたびに批判が起こるだろうと予想する。
この状況を断ち切るには、どうしたらいいのか。
河西さんは、宮内庁と秋篠宮家の国民に対する向き合い方を見直すことが重要だと話す。
「憶測が膨れ上がった背景は何かと考えると、秋篠宮家がお子さま方について公開する情報の少なさではないでしょうか」
たとえば、上皇ご夫妻が天皇陛下を含む3人のお子さまを育てていた当時は、学校生活や家族の風景をメディアが撮影する機会は今より多く、記者会見の場で子どもたちの素顔が伝わるようなエピソードをユーモアを交えて語る場面も珍しくなかった。
「次女の佳子さまだけが旧御仮寓所で生活を始めたときもそうでしたが、秋篠宮ご夫妻としては、ある程度のプライバシーが保たれるというお考えのもと、ご自身のなかでは筋道の通ったご方針が固まっているかもしれません。しかし、皇族は一般人以上に公の存在です。国民からの批判の声が大きくなってから小出しに説明する手法では真意が伝わらず、皇室と国民の間に溝を生じさせることになりかねません」
かつて皇室に仕えた人物も、
「理解してもらおう、という地道な行動の積み重ねが、皇室と国民との信頼を築いていくのではないでしょうか」
と指摘する。国民から持ち上がった「疑念」に説明をせず、くすぶり続けたものが今の批判的な視線につながっているのではないかと見る。
18歳の成年を迎えたとはいえ、悠仁さまはまだ社会経験もない高校生だ。膨れ上がった不信感が悠仁さまを襲うことがないよう、「大人」たちの対応が期待されている。
(AERA dot.編集部・永井貴子)
永井貴子
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