( 217461 ) 2024/10/01 17:00:59 0 00 鈴木俊一財務相=首相官邸(春名中撮影)
鈴木俊一財務相は1日、退任前最後の閣議後記者会見を行い、在任中に実施した総額24兆円規模の円買いドル売りの為替介入について「決断は重いものだった」と振り返った。財政健全化や国際会議の議論取りまとめなどにも奔走した3年間だったとし「どれひとつ手を抜くことなく、全力で取り組んだ」と語った。
鈴木氏は令和3年10月の岸田文雄内閣発足に伴い、財務相に就任。円相場は当時の111円台から、今年7月には一時、161円台まで下落した。急激な円安が物価を押し上げ国民生活にも影響したことから、複数回にわたり為替介入を指示した。鈴木氏は介入について「まれでなければならないことだ」としつつ、投機筋によって一方的に円安に振れていた状況が沈静化したとして「意味があった」と成果を強調した。
このほか印象に残る出来事として、6年度当初予算を前年度比で約2兆円減らし、12年ぶりに予算規模の減少を実現させたことを挙げた。「当初予算とはいえ圧縮できた。もっと〝ドヤ顔〟してもよかったのではないかと思っている」と話し、笑いを誘った。
とはいえ、新型コロナウイルス禍や自然災害への対応などで、補正予算の規模は膨張しており「徐々に平時の規模に戻さなければならない」と指摘。デフレからの完全脱却にも至っていないとし「新しい経済の潮目を着実に捉まえ、チャンスを生かせば脱却できる」と語り、次期政権へ後を託した。
後任の財務相就任が確定的な加藤勝信元官房長官は財務省OB。鈴木氏は「土地勘や思い入れもあるだろう。これまでの閣議決定や骨太の方針を受け止め、考えてくれると思う」と期待感を示した。
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