( 217476 )  2024/10/01 17:16:51  
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Bloomberg 

 

(ブルームバーグ): 自民党の石破茂総裁は1日午後、衆院本会議で第102代首相に指名された。参院での議決を経た後、組閣に着手する。既に27日投開票で衆院選を行う方針を表明しており、当面は外交や経済財政運営など、岸田文雄政権の路線を継承する考えだ。 

 

石破氏は9月29日のNHK番組で「岸田政権を基本的に引き継ぐ」と明言。外交、安全保障、経済政策を挙げ、「そこに連続性がなければならない」とも述べた。林芳正官房長官を続投させると国内メディアは報じている。旧岸田派の林氏を内閣の要にとどめ、政策の継続性を示す人事となる。 

 

財務相に加藤勝信元官房長官、外相に岩屋毅元防衛相、経済再生担当相には側近の赤沢亮正財務副大臣を充てると共同通信など複数の国内メディアが報じた。石破氏は総裁選を争った他の8候補を「最もふさわしい役職」につける考えも示していたが、要職に起用されるのは林、加藤両氏と小泉進次郎選挙対策委員長の3人にとどまる見通しだ。 

 

決選投票を争った高市早苗元総務相に加え、茂木敏充前幹事長、小林鷹之衆院議員ら5人は党四役や閣僚ポストから外れた。旧安倍派からの閣僚もゼロとなりそうで、火種を残した。このため、衆院選の結果次第では高市氏らの動向が政権の不安定要因になる可能性がある。 

 

閣僚人事ではこのほか、経済産業相に武藤容治衆院議員が就任し、防衛相に中谷元氏が再登板する一方、女性閣僚は現在の5人から阿部俊子衆院議員と三原じゅん子参院議員の2人になる見通しという。自民党人事でも党四役から女性が外れた。 

 

早期解散に野党が反発 

 

石破氏は30日の記者会見で、衆院を解散する方針を示している。「新政権はできる限り早期に国民の審判を受けることが重要だ」と理由を説明するが、首相就任前の表明は異例だ。政権発足直後は内閣支持率が高い傾向にあり、一気に勝負に挑む形となる。 

 

自民党は同日午前、臨時国会の会期を9日までとする方針を野党側に伝えた。これに対し、立憲民主党の笠浩史国対委員長は9日の衆院解散が前提の提案で、解散前に十分な審議が必要と反対する姿勢を示している。 

 

 

毎日新聞が9月28、29両日に行った世論調査で、石破氏に「期待する」と回答した人は52%で、「期待しない」の30%を上回った。 

 

(c)2024 Bloomberg L.P. 

 

Yuki Hagiwara, Takashi Hirokawa 

 

 

 
 

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