( 217821 )  2024/10/02 17:09:37  
00

Bloomberg 

 

(ブルームバーグ): 赤沢亮正経済再生担当相は、石破茂首相が日本銀行による「金利引き上げに前向きだと言われるのは、全体の絵として必ずしも正しくない」と述べた。その上で、デフレの完全脱却までは金融政策の正常化を慎重に進めることが必要との見解を改めて示した。2日午前の記者会見で語った。 

 

赤沢再生相は、首相が利上げに慎重なのは「デフレを完全脱却したと思っていないから。私どもがそう思っている間は日銀には慎重にやっていただくということを共有していただきたい」と述べた。早期に首相と植田和男日銀総裁が意思疎通を行い、デフレ脱却最優先の方針を共有したいと強調。一方で、世界的に見て政策金利水準は低いとし、「条件が許せば正常化」が必要とも語った。 

 

植田総裁は、海外経済の不透明感の強まりや不安定な市場動向への警戒感を強めているが、日銀の見通しに沿って経済・物価が推移すれば、政策金利を引き上げて金融緩和の度合いを調整する方針だ。赤沢再生相の発言は、同相が政府代表として金融政策決定会合に出席できる立場にあるという点で重要な意味を持つ。前任の新藤義孝氏も同会合に数回出席したが、金融政策に関する目立った発言はなかった。 

 

2013年に政府・日銀が表明した共同声明(アコード)については「だいぶ古い」としながらも、「非常に重要な役割を果たしている」との認識を示した。 

 

石破首相は1日の就任会見で日銀の金融政策について、「日銀との意思疎通の下に、日銀に委ねられるべきものだ」と表明。デフレを脱却していくために、「金融緩和の基本的な基調というものは維持されるべく、期待をしながら見守っている」と述べた。 

 

主要なインフレ指標が2%の物価目標を2年余り上回っているにもかかわらず、政府は再びデフレに戻るリスクを警戒して、デフレ脱却宣言は依然として行っていない。 

 

林芳正官房長官は2日の会見で、日銀の金融政策について、政府としてデフレ脱却が最優先とした上で、「引き続き内外の経済・金融市場の動向等に緊張感を持って注視するとともに、日本銀行とも密接に連携しつつ、経済財政運営に万全を期して参りたい」と、これまでの政府見解を繰り返した。 

 

 

赤沢再生相は1日午後、官邸で記者団に対し、デフレからの完全脱却に最優先で取り組む考えを強調。日銀の利上げに関しては「慎重に判断していただきたい」とした上で、「ありとあらゆる面で経済を冷やすようなことは絶対にここしばらくはやってはいけない」と発言していた。 

 

(c)2024 Bloomberg L.P. 

 

Yuki Hagiwara, Akemi Terukina 

 

 

 
 

IMAGE