( 218426 )  2024/10/04 02:43:14  
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同僚が「5年前に買っていた【金】が爆上げでさ」と話しています。そんなに得しているのなら、その分だけ「税金」も取られますよね? 

 

年々、金の価格は上昇し続けており、2023年12月4日に過去最高価格である1グラム1万928円と、歴史的な高水準を記録しました。本記事では、金の価格が上昇した場合の利益に対する課税について解説します。また、金投資の税制や利益に対する税金の種類、納税のタイミングや方法について説明します。 

 

世界的に進行しているインフレの影響から、金の価格が年々上昇しています。そのため、金投資で利益を得ようと考える方も多いでしょう。ただし、金を売却するときに注意したいのは、税制が株式などとは異なるということです。「想定以上に税金を取られてしまった」と思うことがないよう、金投資に関する税制の知識を身に付けておかなければなりません。 

 

国税庁のページを参照すると、金は対象税目が「所得税」であり、原則として「譲渡所得」として区分されます。金の取引頻度や取引の内容によって、雑所得や事業所得に分類されることもあるものの、通常は譲渡所得です。 

 

年間の譲渡所得金額が50万円以上になると対象となり、給与所得など他の所得と合わせて総合課税の対象となります。 

 

譲渡所得金額の計算は、金地金を所有している期間に応じて変わります。計算方法は以下の通りです。 

 

■所有期間が5年以内のもの(総合課税の短期譲渡所得) 

譲渡価額-(取得価額+譲渡費用)=譲渡益 

(譲渡益+金地金以外の総合課税譲渡益)-特別控除50万円=課税される譲渡所得の金額 

 

■所有期間が5年を超えるもの(総合課税の長期譲渡所得) 

譲渡価額-(取得価額+譲渡費用)=譲渡益 

(譲渡益+金地金以外の総合課税譲渡益)-特別控除50万円=譲渡所得の金額 

譲渡所得の金額×1/2=課税される譲渡所得の金額 

 

5年を境目に計算方法が変わりますが、両方の譲渡益がある場合、特別控除額は両方合わせて50万円が限度となるため、所有期間が5年以内の譲渡益から先に控除することになります。 

 

 

金は実物資産として人気がありますが、取引などのタイミングで所得税以外の税金がかかるケースがあることを覚えておきましょう。金の売却に関連する税金には、以下の種類があります。 

 

●消費税 

●相続税 

●贈与税 

 

消費税は、金を購入したとき日本国内では10%がかかります。もし、購入時に手数料が必要な場合には、税込みで手数料がかかることがあり、実質的には10%以上かかる場合もあります。 

 

金は、相続税や贈与税の対象となることも覚えておきましょう。もし、金を相続や贈与する場合には、それぞれ資産状況に応じた計算が行われます。事前に国税庁のページなどで、税額を確認しておくとよいでしょう。 

 

所有していた金を売却して利益が出た場合、年間で50万円以上の所得があったら、通常は翌年の3月15日までに確定申告が必要です。また、現在では売却価格が200万円を超える場合には、売却者はマイナンバーカードの提示が必要となっています。 

 

買取業者側は、税務署に支払調書として支払金額(買取金額)と売却者情報などを提出しなくてはなりません。ただし、「年収2000万円以下の年末調整対象者」と「給与所得以外の所得の合計額が20万円以下」に該当する場合は、確定申告は不要です。 

 

ただし、確定申告が不要でも住民税の申告をしなければなりません。1月1日現在住民登録をしている市区町村に「住民税申告書」を提出することで住民税の申告が可能です。年収や所得によって、申告や届け出の対応が異なるため注意しましょう。 

 

金を売却したときに得た利益によっては、納税や確定申告が必要です。今後も金の価格は上昇し続けることが予想されます。金の売却は5年以上保有してからのほうが税金は安くなるため、5年以上の長期保有で課税額も変わります。税の計算は複雑で難しい一面もあるため、不安な点がある場合には所轄の税務署や税理士に相談するとよいでしょう。 

 

出典 

国税庁 No.3161 金地金の譲渡による所得 

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 

ファイナンシャルプランナー 

 

ファイナンシャルフィールド編集部 

 

 

 
 

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