( 220124 )  2024/10/08 19:02:30  
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2024年10月6日、米中西部ウィスコンシン州で選挙集会に臨む共和党のトランプ前大統領について、過激な言動が拍車をかけていると報じられた。

共和党や陣営は政策論争に集中してほしいと願っているが、トランプ氏は対抗馬である民主党のハリス副大統領を中傷し、虚偽の情報を広めている。

トランプ氏はFEMAの予算が不法移民に与えられていると主張しており、根拠がないと指摘されている。

災害対応への批判を不法移民問題と結びつけることで、ハリス氏へのダメージを増幅させたい思惑があるとされている。

不満を煽り、選挙戦を有利に進める狙いもあるが、過激な言動には懸念もあると報じられている。

(要約)

( 220126 )  2024/10/08 19:02:30  
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選挙集会に臨む共和党のトランプ前大統領=米中西部ウィスコンシン州で2024年10月6日、AP 

 

 11月5日の米大統領選まで1カ月を切る中、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)の過激な言動に拍車がかかっている。「政策論争に集中してほしい」という共和党や陣営幹部の願い通りには動かず、対抗馬である民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)を中傷。バイデン政権の災害対応を不法移民問題と結びつけて、虚偽の情報を広めている。世論調査で接戦が続く中、思うように運ばない選挙戦へのいら立ちも透けて見える。 

 

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 「ハリスとバイデン(大統領)は、連邦緊急事態管理局(FEMA)のほとんど全ての予算を不法移民に与えた」。トランプ氏は7日に自身のソーシャルメディアへの投稿でこう主張した。9月下旬に米南部で200人以上の死者が出たハリケーン「へリーン」への政府の対応を批判する文脈だが、主張内容には根拠がない。 

 

 トランプ氏は10月上旬から「FEMAの災害対応の予算が、不法移民のための住宅整備に転用された」と虚偽の内容を主張している。FEMAは税関・国境警備局(CBP)に協力して移民向けのシェルターを運営しているが、事業にはCBPの予算があてられており、FEMAの災害対応の予算とは別枠だ。 

 

 FEMAは、この主張は「虚偽だ」と反論したが、トランプ氏は「10億ドル(約1480億円)がFEMAから盗まれ、不法移民に使われた」と言動を過激化させている。 

 

 トランプ氏には、災害対応への批判を不法移民の問題と結びつけることで、バイデン政権のナンバー2であるハリス氏へのダメージを増幅させたい思惑がある。 

 

 被害が大きかった南部ノースカロライナ、ジョージア両州は、大統領選の勝敗を左右する接戦州でもあり、有権者の不満をたきつける効果も狙っているとみられる。南部には別のハリケーン「ミルトン」が接近中で、トランプ氏がさらに批判を強める可能性がある。 

 

 しかし、虚偽や誇張を避けて「自然災害に対応すべきFEMAが、不法移民の支援に関わっていることを、国民は不満に思っている」(共和党のジョンソン連邦下院議長)などと正面から批判することも可能で、トランプ氏の言動の過激さは際立っている。 

 

 トランプ氏は9月下旬以降、ハリス氏への個人攻撃も強めている。自身の言動を棚に上げて、ハリス氏を「ウソつき」と批判し、「生来の精神障害がある」とまで中傷した。陣営や共和党内には「過激な言動は、まだ投票先を決めていない無党派層や穏健派に忌避される」との懸念があるが、トランプ氏本人はどこ吹く風だ。【ワシントン秋山信一】 

 

 

 
 

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