( 222251 )  2024/10/14 15:51:44  
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衆院東京18区にある武蔵野市役所=東京都武蔵野市 

 

15日公示の衆院選(27日投開票)を巡り、東京18区(武蔵野市、小金井市、西東京市)に立候補を予定する4氏が11日、小金井青年会議所が主催した公開討論会に臨んだ。外国人参政権の是非について、自民党の新人、福田かおる氏(39)は「反対だ。主権国家のあり方を考えれば、認めるべきではない」と述べ、立憲民主党の新人、松下玲子氏(54)も「時期尚早。どちらかを答えよといわれれば反対だ」と語った。 

 

■「本気の政治改革」「総裁にも申す」 

 

松下氏は武蔵野市長を平成29年から2期6年務め、令和3年11月に日本人と外国人を区別せずに投票権を認める住民投票条例案を市議会に提出。「外国人参政権につながる恐れがある」などと議論が紛糾し、翌月に市議会で否決された。 

 

松下氏は外国人参政権について、「市長の時に議論も提案もしたことない。デマが広がって困っている」と強調。「外国籍の人が選挙権を持つのは国会で議論すること」と述べた上で、「今の制度を変えるべきではない。時期尚早だ」と導入に慎重な考えを示した。 

 

一方、福田氏は農林水産省出身で、タイとの輸出規制交渉などに関わった。「外国に住み、良くしてもらったが、どちらの国を取るかという場面が出たら、日本を優先して判断する」と述べた上で、「外国の人で、日本を母国より優先するなら(日本)国籍を取得すべきで、参政権とは別の話だ」と指摘した。 

 

また、「政治とカネ」の問題に関し、松下氏は自民党の派閥パーティー収入不記載事件などを指摘し、「本気の政治改革に力を入れて取り組みたい」と強調。政策活動費や企業団体献金の禁止などを実現するとした。 

 

福田氏は「政策活動費について透明性を高めていく必要があるが、企業団体献金は禁止すべきとは思わない」と言及した。ルールを順守するために第三者の監視体制の強化を訴えた。 

 

これに対し、松下氏は「新人が党総裁や幹事長に政治とカネの問題をちゃんと言えるのか」と疑問視した。福田氏は「(自民党)総裁にも遠慮なく何でも言っていく」と語った。 

 

■「命をつなぐ社会守る」「暮らしや福祉にお金を」 

 

 

少子化の要因を巡り、松下氏は非正規労働者が正社員になりにくく、選択的夫婦別姓も実現していない現状を挙げた。これに対し、福田氏は「少子化対策のメインの施策として手段と目的がずれている。別の文脈での議論が必要だ」と反論した。 

 

福田氏は、選択的夫婦別姓について「通称使用ができるように徹底し、運用部分まで細かく議論する必要がある。戸籍制度をいじる必要があるかは別の問題だ」と慎重な考えを示した。 

 

同区に出馬する参政党の新人、徳永由紀子氏(47)は、西東京市で訪問看護師として在宅医療の場で働き、2人の子供を育てる母親だ。討論会では、「土地や水資源がバーゲンセールのように(外国資本に)買われ、食と健康がむしばまれ、地域や国に対して自信が持てないような教育のあり方もある」と危機感をにじませ、「看護師として、母親として、一緒に地域を良くして、命をつないでいける社会を守りたい」と力を込めた。 

 

同じく立候補を予定する共産党の新人、樋口亮氏(37)は高校生の頃、広島で被爆者の思いを聞いたことで平和運動に身を投じ、18歳の頃に入党したという。「介護の現場、『ケア労働』は長時間労働で賃金が低く、自分の時間が持てない」と指摘した上で、労働待遇の改善が急務だと強調。「自民党政治で、大企業、お金を持っている人への優遇を進めてきた。大企業の法人税、富裕層に減らした負担をもとに戻し、軍事費に使う部分を、暮らしや福祉の部分に回していく」と訴えた。(奥原慎平) 

 

 

 
 

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