( 222681 ) 2024/10/15 17:57:53 0 00 Bloomberg
(ブルームバーグ): 外国為替市場で円安が進行し、1ドル=150円突破が迫っていることで円買い介入への警戒感が高まり始めている。
円相場は14日に一時1ドル=149円98銭と約2カ月半ぶりの安値を更新し、150円の心理的節目に接近した。8月15日の安値(149円39銭)を超え先安観が強まっている状況だ。日本の通貨当局も為替市場の動きににらみを利かせている。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は円買い介入の実施について、「152円を超えるか否かが警戒感の高まるポイントだ」と分析する。市場は15日時点で151円25銭に位置する200日移動平均線を意識しており、こうした節目を超えると円安が加速し、同時に当局の介入警戒感が一層高まる可能性がある。
円買い介入の実施は、円売りポジションを抱えた投資家に大きな痛手を与えることになる。ブルームバーグの集計によると、日本の通貨当局が2022年から今年前半にかけて実施した過去5回の円買い介入は、平均で円を5円以上押し上げた。
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、「米国の利下げ観測が修正されてくると円売り圧力が強まるリスクがある」とし、そうした環境では特に介入に気を付ける必要があると指摘する。
もっとも、通貨当局が実際に介入に踏み切るまでは現時点では距離があるとの見方もある。ニッセイアセットマネジメント戦略運用部の三浦英一郎専門部長もその一人で、160円を超える円安にならなければ、介入は実施されないと予想する。
米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、8日時点で投機筋の円ポジションは3万1144枚のネット円ロングと、2週連続で円に強気の見方が後退している。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Daisuke Sakai
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