( 225141 )  2024/10/22 17:26:21  
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FNNプライムオンライン 

 

10月27日投開票の衆議院選挙を前に、国民は政治に何を求めているのか、私たちの暮らしに関わる3つのテーマについて、3回のシリーズで考える。 

 

【画像】衆院選の投票で重視することを聞いた世論調査の結果 

 

FNNが実施した世論調査よると、暮らしを通じて感じる政治に望むこととして最も関心が高かったのは「景気・賃上げ」。街では、生活費の高騰に対して賃金上昇が追いつかない現状を指摘する声が聞かれた。 

 

FNNが実施した衆議院選挙に関する世論調査で、「暮らしを通じて感じる政治に望むこと」では、「子ども・子育て・少子化」(20.9%)、「年金・医療」(23.3%)などが上がったが、もっとも関心が高かったのが「景気・賃上げ」(35.6%)だった。 

 

街の人はどのように感じているのか。 

 

SE (20代): 

自分の給料はあまり上がっていないのに、物価ばかり上がっていくので、そういったところは釣り合っていないのかなと景気の悪さを感じます。あと、米ですかね。この間まで2000円台で買えていたんですけど、最近在庫戻ってきたと言いつつ、3000円超えていたりするので、そこが一番大きいかなと思ってます。 

 

――どのくらい賃上げすれば暮らしに余裕ができるか? 

SE (20代): 

プラス2~3万ぐらいあると、少しでも変わるのかなと思います。 

 

自動車関係A (20代): 

野菜とか。一人暮らししてるので、いろいろ作ったりするが、どうしても「高いな」と我慢するときとかあって。それで栄養が偏ったりとか、そういうとこにも影響が出るかなと思います。 

外食とかはあまり行かないようにしていて、最低行っても週に1回か、2週間に1回とかにできるだけするようにしています。 

 

自動車関係B (20代): 

化粧品とか、日々使うものがすべて高く感じます、歯ブラシとか。100円から200円くらいは値上がりしたのかなというイメージ。 

賃上げもしてほしいんですけど、これ以上税金が上がらないようにしてほしいということと、他の国で見かけたんですけど、税金が高くなる分、病院とかが無料で使えたり、そういったことができたらうれしいです。 

 

ビル管理(50代): 

スーパーで買い物しても、まとめ買いすると、前は5000円くらいだったのが、7000円、8000円になっちゃうような感じはしますね。私の場合、教育費が一番負担があるので、給料が百万単位であがるということは難しいのかもしれないですけど、そこの半分でも負担が減ればいいなというふうには思っています。 

 

 

「Live News α」では、大阪公立大学客員准教授の馬渕磨理子さんに話を聞いた。 

 

堤礼実キャスター: 

さまざまな街の声を、馬渕さんはどのように聞きましたか。 

 

大阪公立大学客員准教授 馬渕磨理子さん: 

物価高が進んでいるのに手取り収入は増えていない。皆さん、切実ですよね。 

各党の経済政策を見ると、「物価高対策」や「最低賃金の引き上げ」などを示していますが、長期的な日本の将来につながりにくい“目先の対策”も多いように感じます。今回は「賃金が上がりながら、日本経済も成長していく戦略」を考えたいと思います。 

 

堤キャスター: 

成長戦略ということですが、どんなアプローチがあるのでしょうか。 

 

大阪公立大学客員准教授 馬渕磨理子さん: 

例えば、賃上げについて考えてみましょう。 

日本の従業員への賃金支払い総額は約150兆円です。この金額は、日本は30年間横ばいの状態が続いていますが、海外の多くの国では賃金が2倍程度に引き上がっています。日本も海外並みに賃金を2倍に引き上げる、つまり、賃金の支払い総額を300兆円に引き上げるには、企業の利益を2倍にしていくのが一つの方法です。ここでは企業の努力はもちろん、政府の強力なアシストが必要になります。 

 

堤キャスター: 

具体的にはどういうことが考えられますか。 

 

大阪公立大学客員准教授 馬渕磨理子さん: 

政府主導のトップ外交で海外輸出を強化して売上を引き上げるなど、グローバルで戦えるようにサポートすることです。さらには、規制改革で非効率な労働市場を流動化させるなど、目詰まりのある経済に風穴をあけることです。 

そしてもう一つ欠かせないのが、中小企業の価格転嫁を進めることです。必要なのは目先のばらまきではなく、企業が成長する環境を整えることです。 

 

堤キャスター: 

財源については、いかがですか。 

 

大阪公立大学客員准教授 馬渕磨理子さん: 

いま、国の税収は72兆円で過去最高です。財政健全化の目安とされているプライマリーバランスも黒字化が視野に入っています。 

企業が世界で戦える環境を整えれば、法人税収は増えて、賃上げが進めば所得税収も増えます。すると、好景気による物価上昇によって消費税もまた連動して増えるわけです。 

国民が求めているのは実現可能な政策です。つまり、財源を確保しながら、経済政策を前に進めることができる納得感です。政治には、成長のアクセルを強く踏み込む覚悟と行動が求められています。 

 

堤キャスター: 

投票日は10月27日で、すでに期日前投票は始まっています。日本の未来のため、なにより自分の未来のために、一票を大切に投じてください。 

(「Live News α」10月21日放送分より) 

 

Live News α 

 

 

 
 

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