( 225671 ) 2024/10/24 01:49:30 0 00 有料でも広告表示は今後拡大していくのか?(イメージ)
ネット上には、広告を視聴することで無料利用できるサービスは多いが、サブスク動画で「有料でも広告表示」というプランが広がりを見せている。10月15日、Amazonは2025年から動画配信サービス「プライムビデオ」で配信される映画や番組で、制限付きで広告を表示することを発表した。広告を表示しない有料オプションの提供も予定している。
【画像】「プライムビデオ」制限付き広告表示に関するお知らせ。ABEMAプレミアムの新料金表も
広告付きのプランをめぐっては、すでに各社が導入に踏み切っている。Netflixは2022年から、ABEMAは「ABEMAプレミアム」でも今年10月11日、「広告つきABEMAプレミアム」新料金プランの提供を開始した。こうしたなか、動画サブスクの「有料・広告付きプラン」に困惑する声も上がっている。
「ネットのサービスは基本無料だけど広告入り、サブスクはお金を払っているから広告がないという認識でした。正直、有料なのに広告が出るのは意味がわからないです」
戸惑いを隠せないのは、都内の私立大学に通う女子学生・Aさん。有料の動画サブスクでの広告表示に「違和感しかない」と納得がいかない表情をのぞかせる。
「Xや漫画アプリの無料利用の範囲で、広告が入るのは仕方がないかなと。でも、すでに月額料金のかかるサブスクに入っているのに……」(Aさん)
メーカー企業勤務の30代男性・Bさんも「馴染みがなくて戸惑う」と語る。
「やはり、広告ありの無料か、広告なしの有料の2択が前提だと思っていましたね。YouTubeやニコニコ動画などの基本無料の動画サイトだと、広告が煩わしいなら課金するというイメージなので、『広告ありの有料』に馴染みがなくて、少し驚きました。いかに、無料の動画サイトに慣れていたか思い知りました」
Amazonは「広告なしの新しいオプション」の提供を予定しているというが、同様のサービスで先行しているNetflixは広告つきスタンダード(月額890円)が最安、次いでスタンダード(1590円)、最上位プランがプレミアム(2290円)だ。ABEMAも「ABEMAプレミアム」(960円、11月26日以降1080円)のコンテンツをすべて視聴可能ながら、広告付きで月額料金が割安なプラン「広告つきABEMAプレミアム」(580円)を提供している。
価格面では広告ありプランはお得に思えるが、Bさんが気になるのは、価格よりも「広告表示の量や質」だという。
「長尺でスキップできない広告が多いとイヤですね。あと、下品な広告はやめてほしい」(Bさん)
Amazonは広告表示について、「従来のTVや他の動画配信サービスよりも、広告の表示回数を有意に減らすことを目指しています」と説明している。
商社勤務の50代男性・Cさんは、「ネットサービスが無料ということに慣れ過ぎている」と指摘する。
「そもそもなんですけど、たとえば紙媒体は有料でも広告が入っているのが普通です。雑誌や週刊誌、マンガ誌には広告ページがあるものだし、ファッション雑誌だってよくみたら広告というパターンはたくさんある。新聞だって同様ですね。ほかにも、映画館の最初の10数分は強制的に広告・宣伝を見させられますし、交通機関も運賃を支払って乗りますが、広告だらけです。
そう考えると、動画サブスクが有料で広告表示するというのは、別に驚くものでもないと思う。基本料金+広告収入でコンテンツやサービスを提供するという方が普通のビジネスモデルなのでは。1周回っただけなのかなと思います」
一方で、違和感を覚えるユーザーがいることについては、次のように分析する。
「動画サブスクは“テレビの延長”と考えている人も多いのかもしれませんね。テレビの場合、NHKは“有料で広告なし”、民放は“無料で広告あり”なので、“有料でも広告表示”という文化に馴染みがないのでは。そのうち慣れてくるのではないでしょうか」
無料動画に慣れすぎたユーザーの中には、「有料でも広告表示」にまだ違和感を覚える人も少なくない。複数の動画配信サービスが導入することで、そのうち当たり前と感じるようになるのだろうか。(了)
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