( 227471 )  2024/10/28 17:30:26  
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Photo: Adobe Stock 

 

 「自分の仕事に足りないことを全部言語化してくれる本」「会社員人生が180度、変わった!」 

そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。 

今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健) 

 

● 「決断」は難しい 

 

 仕事ができる人は、「決断力」があります。 

 

 ただ、決断は難しいですよね。 

 

 なぜなら、「選択肢を残す安心感」があるからです。説明していきましょう。 

 

 「意思決定をする」ということは、「決着をつける」ということです。 

「賛否両論」という言葉があるように、多くの物事はグレーです。 

 

 白か黒か、ハッキリできない。それはわかっています。 

 わかった上で、それでも、「決着をつける」のです。 

 

 たとえば、若い頃のカップルは、ダラダラ付き合うことを是とします。 

 

 ただ、どこかのタイミングで、「結婚する意思があるのか」、それとも、「しない意思があるのか」という決着をつけないといけないことでしょう。 

 

 それを決めないと、お互いの未来を考えることができません。 

 それと同じ構造です。 

 

● 「選ぶ立場」の優越感とは 

 

 決めない状態でいることは、「気持ちいい」のです。 

 

 たとえば、就職活動をして、有名企業10社以上から内定をもらったことを想像してください。 

 きっと、気持ちがいいことでしょう。 

 

 「選びたい放題だ。どの会社に入ろうかな」と選べる立場にいるのは、優越感があります。 

 空腹で食べ放題ビュッフェに入ったとき、「全種類を食べられる気持ちになる」という、あの全能感です。 

 

 その瞬間は、気持ちがいい。 

 

 しかし、現実がおとずれます。 

 

 内定は1つに絞らないといけない。 

 胃袋は1つしかない。 

 会社の二股はできないし、別腹も存在しない。 

 

 決めなくちゃいけない瞬間がやってくるのです。 

 

● 片づけは好きか? 

 

 できるだけ、決めることを先延ばししてしまう。 

 

 その状態が気持ちいいと感じてしまう。 

 その感情は、「錯覚」なのです。 

 

 ここで、あなたが仕事ができる人か、そうでないかを試す質問をしましょう。 

 それは、「片づけは好きですか?」という質問です。 

 

 たとえば、なんとなく生きていると、家の中はモノで溢れかえると言います。 

 

 本来なら、何かを買ったとき、何かを捨てないといけない。 

 それは、理論上、その通りです。 

 

 ただ、「片づけ」は難しいものです。 

 

 なぜなら、「いつか使うかもしれない」と思ってしまうからです。 

 無意識に「可能性を持ち続ける」ということを選んでしまっているのです。 

 それが気持ちいい。 

 

 ただ、心が確実に消耗していることに気づいているでしょうか。 

 モノを持ち続けることにも見えないコストがかかっているのです。 

 

 家を占領して、散らかり、徐々に心が蝕まれていく。 

 

 そこから脱却するには、「いつか使うかもしれないけど、ここ1年以上は使っていない。だから捨てる」という意思を持つことです。 

 

 だから、片づけが好きで、不要なものをキッパリ捨てることができる人は、決断力があって「仕事ができる」のです。 

 

 先ほどの例で言うと、早く1社に絞って他を内定辞退しないと、罪悪感が大きくなって断ることがしんどくなってしまいます。 

 それにより、後悔だって大きいものになってしまうでしょう。 

 

 だから、早く検討してキッパリ捨てる。早く次に行く。 

 先延ばしすることの気持ちよさから脱する。 

 それを覚えておきましょう。 

 

 武器をたくさん集めても、戦場に持っていけるのは、せいぜい2つです。 

 

 そして結局、使うのは、メインの1つだけ。 

 武器をたくさん持つことが単なる安心感であることを自覚しましょう。 

 この思考法は、あらゆることに当てはまります。 

 

 そして、それを身につけた人こそが「仕事ができる人」なのです。  

 

 (本稿は、『パーフェクトな意思決定』の著者・安藤広大氏が特別に書き下ろしたものです) 

 

安藤広大(あんどう・こうだい) 

株式会社識学 代表取締役社長 

1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。 

 

安藤広大 

 

 

 
 

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