( 229976 )  2024/11/04 15:12:05  
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福岡県八女市にある「あなたの心を鷲掴み」 

 

18歳未満の入店禁止・代表待ち禁止など独自のルールを敷いていることでも話題の、福岡県八女市の人気ラーメン店「あなたの心を鷲掴み」。 

 

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前半記事『行列のできるラーメン店が【18歳未満入店禁止】を掲げる「納得のワケ」…厳しいルールへのアンチコメントも「好かれなくて構わない」』では、店主の三浦隆寛氏(40)にルールができた背景を聞いた。 

 

反対派との言い合いが目立ってしまうネット上の情報だけでは、緊張感が張り詰めて殺伐とした雰囲気の中でラーメンを食べなくてはいけないかのようにも思ってしまうが、現場はどうなのか。 

 

筆者は実際に、営業中の同店を訪問。その雰囲気は?ラーメンの味は?トラブルは?現地をレポートする。 

 

開店前から行列ができていた 

 

筆者が同店を訪れたのは、月曜日の午前10時前。開店1時間以上前にもかかわらず、すでに4組8人が並んでいた。 

 

「月曜日は数ヶ月前まで定休日だったので、行列が一番少ない日なんですよ」と店主の三浦氏は話す。しかし、開店時間の午前11時になる直前には、10組が列を作っていた。 

 

店内の仕込みや準備が完了した開店前の店内。スタッフである三浦氏の妹が、外へ出て列を確認。順番に人数を聞いていく。 

 

その人数を厨房にいる店主に伝達するのは調理にスムーズに取り掛かるためでもありそうだが、代表待ちがないかの確認も含まれているだろう。 

 

この日は特にトラブルもなく、時間通りに店がオープンした。 

 

店内の様子 

 

午前11時。およそ1時間並んだお客にとっては、待ちに待った入店。あっという間に9つのカウンター席は満席になる。 

 

意外だったのは店の雰囲気。「頑固なラーメン店主」をイメージすると、どうしても客を威嚇でもするように睨みつける姿が頭に浮かぶが、三浦氏は極力両足を揃えて「大変お待たせしました!いらっしゃいませ」と明るい声だ。 

 

「ルールを守らず帰ってもらう人は、お客さんじゃなくて『ただの人』ですけど、お金を払って長時間並んででも食べたいと思ってくれる人は大事な『お客さん』ですからね」とは、三浦氏が取材時に語った言葉だ。 

 

お客もリラックスした様子で、店内の掲示物などを眺めながらラーメンを待っている。 

 

 

看板メニューの「鷲掴みとんこつ」 

 

福岡のラーメンといえば、博多ラーメンに代表される細麺で10秒から数十秒で茹で上がり、出来上がりが早いことでも知られる。 

 

しかし、同店は主役であるスープにしっかりと絡ませるため、一般的な博多ラーメンよりも麺が太い。そのため、注文から提供までは5分ほどの時間を要する。 

 

筆者が注文したのは、看板メニューの「鷲掴みとんこつ」(税込1,300円)だ。 

 

「とにかくシンプルに、豚骨の美味しさを極限まで出したいので、1杯あたり1kgに相当する大量の豚骨を超強火で炊いています。そのため、九州一の濃度があって、以前に濃度計で計測しようとした人がいましたが、キャパオーバーで計れなかったくらいです」 

 

三浦氏がそう話すスープは、豚骨スープのイメージである白濁を超えて茶褐色。レンゲですくってみると、重量感のあるドロっとした手応えがある。 

 

「しかも、他のラーメン店は塩や化学調味料などを入れていますが、うちのスープの原料は醤油・水・豚骨だけしか使っていません。ラーメンに必要と思われている油さえもいれていません」 

 

確かに、スープを啜ってみると油のまったりした感じはない。そうなると、醤油の角が立ってしまいそうだが、限界まで炊かれた豚骨のコクによって角も取れている。 

 

豚骨の溶け出しがよくわかるポタージュ系の口当たりと存在感は高いが、臭みのない味わい。他に類を見ないスープで熱狂的なファンが数多くいるのもうなずける。 

 

開店前から店を訪れた筆者。列の回転が2周するまで取材をしたが、取材中には大きなトラブルもなく、店内の雰囲気も良かった。そして、意外にもカウンターのお客との会話が楽しそうに弾んでいた。 

 

「ネットのイメージは良くないかもしれませんが、実際にはこうしてお客さんと接する時間も多いです。ルールを破った人がゴネて時間を取られる日もありますけど、そんなことに時間を使うのは本当に無駄です。それならば、今日みたいにお互いを大事にできるお客さんと楽しい話をたくさんしたいですよ」 

 

最近では、店のルールやその運用の厳格さに反対をするお客も減ってきたのだという。 

 

「うちの店のルールも、かなり浸透してきたみたいで、守ってくれない人は本当に減りましたよ。こないだ代表待ちの人がいましたけど、それも1ヵ月ぶりくらいでした」 

 

他店にはないルールに賛否があるのは間違いないだろう。だが、これも厳しい業界を生き抜くための知恵。そして、大切なお客を守る方法なのだ。同店を取材して、そのことがよくわかった筆者である。 

 

Mr.tsubaking 

 

 

 
 

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