( 231441 )  2024/11/08 15:36:01  
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事故直後の様子(近隣住民提供) 

 

「自民党政治を終わりに」という看板を掲げながらも、自らの宣伝カーを”終わり”にしてしまった、日本共産党の男性ドライバー(85歳)。 

 

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前編『《共産党宣伝カー衝突事故》運転手は「85歳のベテラン党員」だった…「自民党を倒す前にあんたが倒れてどうすんだ」近隣住民が語る衝撃の現場』に引き続き、この男性をよく知る人物を取材した。 

 

横転した宣伝カーを覗いている男性(近隣住民提供) 

 

「本人は、これまで党員として活動してきた中でも一度も交通事故を起こしたことはありませんし、健康面も問題ありませんでした。目が悪いとかも聞いたことなかったので、今回の事故の知らせが届いたときは、ただただ驚きました……」 

 

そう肩を落とすのは、事故を起こした85歳の男性が所属している、日本共産党板橋地区委員会の委員長、佐々木健市氏(64歳)だ。 

 

10月31日の午後6時ごろ、東武東上線「下赤塚駅」と「成増駅」の間の踏切で、準急列車と日本共産党の宣伝カーが衝突する事故が発生した。その衝撃で車は横転し、「自民党政治を終わりに」と掲げられた看板は無惨にも地面に転がり落ちた。 

 

宣伝カーを運転していたのは、日本共産党員の85歳の男性。踏切内を渡りきれず、車の後方部分に遮断機が引っかかってしまい、そのまま電車と衝突。事故の直前に車から逃げたことでケガ人は出なかったものの、東武東上線は一部区間で2時間半にわたり運転を見合わせる事態になり、多くの乗客に被害を与えた。 

 

事故が起きた踏切。道幅が狭く一方通行になっている 

 

そんな男性は、板橋区で半世紀以上にわたって活動するベテラン党員として知られており、周囲からの信頼も厚かったという。冒頭の佐々木氏はこう続ける。 

 

「地域の方たちから頼りにされていて、色んな相談を寄せられたり、困ってる方たちを助けたりと、現在も『相談役』のような立ち位置で活動しています。生活が苦しい人たちの声を聞いてきて、格差と貧困について身に染みて実感してますので、そういう状況を変えるためには自民党による新自由主義的なやり方を変えないと生活はよくならないと、声をあげ続けてきました」 

 

現在は会社を退職し、退職金や年金で生活しているが、共産党員としての活動は継続。奥さんや成人した子供もいるというが、そんな男性が周囲に語っていたのが「平和への思い」だった。 

 

「本人は安倍内閣以降、憲法を壊してアメリカと一緒に戦争するような政治を作ってきたことに対する憤りを持ってますので、そういう問題意識から『自民党政治を変えていかないといけない』とよく口にしていました。そこで地域ごとの事務所で管理している宣伝カーに乗って、党の考え方を周囲に訴えたり、地域の足が不自由な人を送り迎えしたりと、世の中のために活動を続けていました」 

 

 

踏切手前に設置されていた看板 

 

だが、そんな活動が引き金となり、自身が長年にわたり訴えてきた”願い”をすべて壊すかのような事故を起こしてしまった。 

 

「本人によると、その日は自家用車を駐車場から取り出すのが難しい状況で、事務所が所有する宣伝カーの鍵は使える状況だったので、所用のために宣伝カーに乗っていたそうです。その結果として、こうして色々な方にご迷惑をおかけしてしまい、こちらとしても大変申し訳なく思っております。 

 

「自民党を倒す」という熱い思いを持っていた85歳の男性は、皮肉にも自身の政党の看板を倒してしまった。 

 

※追記 

 

11月7日に記事公開後、日本共産党板橋地区委員会から編集部に連絡が入った。85歳の男性は「運転免許を返納し、今後はもう運転しない」と伝えてきたという。 

 

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