( 235196 )  2024/12/18 16:17:15  
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スマホの不適切使用で処分を受けた岩田康誠騎手(写真:山根英一/アフロ) 

 

「こんなベテランの騎手がルール違反するとは」 

 

 暮れの大一番、有馬記念を翌週に控えた12月15日、JRAは岩田康誠騎手(50)に対して、スマートフォンの不適切な使用があったとして、この日から30日間の騎乗停止処分を下した。 

 

 岩田騎手は14日の中京競馬から15日の京都競馬へ移動する際、コメント欄のあるYouTubeの音楽を視聴した履歴が発覚し、処分が下された。これにより、15日のG1・朝日杯フューチュリティステークスのダイシンラーなど7鞍に騎乗予定だったが全て乗り替わりとなった。 

 

 昨年から立て続けに取り沙汰されてきた、騎手のスマホ使用問題。昨年5月には、今村聖奈騎手など10代~20代の若手騎手6人が不適切な使用で30日間の騎乗停止となった。今年5月には水沼元輝騎手(22)にも不適切使用と偽装工作が判明し、9カ月間の騎乗停止。10月7日の永野猛蔵元騎手(22)とその調査の過程で通信機器の使用が発覚した小林勝太騎手(22)には、12カ月の騎乗停止処分が科された。 

 

 さらに10月9日には、文春オンラインが、藤田菜七子元騎手(27)が調整ルーム内で外部との不正通信疑惑があったことを報じた。藤田元騎手は、同月11日に騎手免許を取り消し、電撃引退するという事態に発展した。 

 

 JRAは11月28日に「スマホはお客様の懸念や不信につながるところで競馬の根幹を揺るがす問題」とし、騎手のスマホ使用を厳格化する旨を発表したばかりだが、今回はベテランの岩田騎手の不適切使用とあって、ネット上でも「スマホ使用」の処分を巡ってさまざまな意見が飛び交った。 

 

「岩田騎手は自身のスマートフォンを使ってYouTubeでミュージックビデオを視聴した点がルール違反になりました。JRAは開催日に別の競馬場で騎乗する騎手には、交通系ICや乗り換え案内など移動に必要な最低限のアプリなどに限り使用を許可しています。また、JRAが認めたアプリのみインストールしたタブレットでなら音楽や動画の視聴も可能です。岩田騎手を含め、ほとんどの騎手が持っていますが、彼はタブレットでなく、うかつにも自身のスマホを使ってしまった。外部との通信などは確認されなかったそうですが、ルール違反に変わりはない。でも、はたして即日騎乗停止処分にする必要があったのかは疑問が残るところです」(スポーツ紙記者) 

 

 

■処分当日の京都競馬場で起きていた「異変」 

 

 岩田騎手の処分当日、15日の京都競馬場では、いつもと違う光景が話題になった。ルメール騎手、坂井瑠星騎手、岩田望来騎手の3名が、「Yasunari」の名前の入ったジョッキーパンツを着用して騎乗していたのだ。 

 

「3人がどういう意図で着用したかは不明ですが、処分に対しての何らかの意思表示だったのかもしれません。岩田騎手のケースは、確かにルール違反ですが、悪質性は低いといえます。スマホ使用を厳しく取り締まるのは公正競馬の確保のためとはいえ、運用ルールと処罰の判定基準がファンには見えにくく、競馬ファンも騎手たちも違和感を覚えたのだと思います」(スポーツライター) 

 

 スマホの不適切使用に対する再発防止策としての厳罰化は避けられないとしても、現代の生活の中でのスマホの存在を鑑みれば、時代に即したルール変更を一考する時期にきているのではないだろうか。 

 

(宮本エミ) 

 

宮本エミ 

 

 

 
 

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