( 235531 )  2024/12/19 01:50:42  
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協議に臨む自民、公明、国民の税調会長ら。この日は10分で物別れに 

 

所得税が生じる「年収103万円の壁」の引き上げをめぐり、〝暗雲〟が立ち込めてきた。自民、公明、国民民主3党は「178万円を目指して来年から引き上げる」ことで合意していたが、自公与党が17日も、わずか20万円だけ引き上げた「123万円」案から上積みする提案をせず、合意に至らなかったのだ。自公与党は結局、財務省の意向を優先し、国民が求める「減税・負担軽減路線」にかじを切れないのか。 

 

「話にならない。協議は打ち切りだ」 

 

国民民主党の古川元久税調会長は17日午前、国会内の会議室で始まった自公国の協議開始から10分程度で部屋を出て、周囲にこう語った。 

 

協議には「緊縮派のラスボス」と呼ばれる自民党の宮沢洋一税調会長と、公明党の赤羽一嘉税調会長が出席していた。宮沢氏は新たな案を提示せず、国民民主党に具体的な制度設計を示すよう要求した。古川氏は「新提案がないなら協議を打ち切りたい」と席を立った。 

 

そもそも、「103万円の壁」は1995年の最低賃金611円を考慮して決まった。30年たち、最低賃金は70%超上昇しており、国民民主党はこれを考慮して「178万円」を打ち出した。「123万円」は論外なのだ。 

 

衆院選で惨敗し、少数与党に転落した自公は今国会で野党各党に〝秋波〟を送り、政権運営をつないでいる。国民民主党にも「壁の引き上げ」の〝交換条件〟として、補正予算案への賛成などを取り付けてきた。 

 

ある野党幹部は「自民党は過去にも国民民主党の主張する『ガソリン減税』での協議をチラつかせて連携に誘いこみ、結局あやふやにした〝前科〟がある」と訝しむ。 

 

今回の自民党の対応をどう見るのか。 

 

政治評論家の有馬晴海氏は「宮沢氏に柔軟性がなさすぎる。減税に抵抗する財務省の影響を最も受ける政治家で『壁の引き上げ』による税収減、制度改革の面倒な手続きを避けたいとの思惑があからさまだ。補正予算は能登復興が焦点で反対しにくかったが、来年度の本予算では国民民主党も容赦しない。石破首相の辞任を交換条件にしないと国会運営が停滞するような局面もあり得る」と語った。 

 

 

 
 

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