( 237714 )  2024/12/22 16:13:39  
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ガソリン価格の上昇に加え、12月19日からは政府が支給していた「ガソリン補助金」が段階的に削減され、小売価格が値上がりすることが予想されています。

これにより、来年1月以降にリッター10円の値上げが予想されています。

暫定税率の廃止や補助金の打ち切りにより、ガソリン価格が上昇する可能性が高まっており、家計にも負担がかかることが懸念されています。

(要約)

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12月19日から「ガソリン補助金」が順次打ち切りに。 

 

“ガソリンの暫定税率廃止”が合意され、リッター25.1円の値下げが実現する……と思いきや、その前に値上げが! 12月19日から「ガソリン補助金」が順次打ち切りとなり、来年1月以降にリッター10円の値上げが予想される。“暫定税率廃止”の見通しを含めて、一体どうなる!? 

 

文/Webikeプラス 沼尾宏明 

 

12月18日時点でのレギュラーガソリン全国平均価格は175.8円/Lで、6週連続の値上がり。12月19日に筆者が訪れた、さいたま市のガソリンスタンドではハイオクが売り切れだった(写真 筆者撮影)。 

 

値下げどころか、値上げ……。近頃、ガソリン価格に関して二転三転が続いている。 

 

自民、公明、国民民主3党が12月11日、会談を行い、ガソリン税に上乗せされている「暫定税率」を廃止することで合意。これによりリッターあたり25.1円ガソリンが安くなる、と当webでも報じたが、具体的な時期は未定のままだった。 

 

そんな中、ガソリン価格を抑えるため、政府が支給していた「ガソリン補助金」が12月19日から段階的に打ち切りへ。リッター約5円の補助金が削減され、小売価格は約5円値上がりし、全国平均180円程度になる見通し。さらに1月16日以降にも約5円減り、全国平均185円程度になると予想される。 

 

“暫定税率廃止”で値下げされるどころか、値上げの事態になってしまったのだ。 

 

これまではガソリン補助金によって小売価格は抑制できていたが、打ち切りになれば高騰している原油価格がそのまま価格に反映され、200円超/Lも十分ありえる。※グラフは経済産業省の資料より 

 

ガソリン補助金は、原油価格の高騰を受けて2022年1月から開始され、2023年10月以降はレギュラーガソリンの小売価格がリッター当たり175円程度になるよう石油元売り各社に補助金を支給してきた。 

 

補助なしガソリン価格が168~185円の場合は、その差額分を60%補助。185円を超えた部分は100%補助する仕組みだ。 

 

しかし政府が補助金の順次打ち切りを決定。12月19日から60%補助を「30%補助」とし、リッター約5円減る。1月16日からは30%補助もなくなり、さらに約5円減。以降は185円/Lを超えない限り、補助金はゼロとなってしまう。 

 

打ち切り前日の12月18日にはガソリンスタンドに行列も見られたようだが、小売価格にすぐ反映されるわけではなく、2~3週間かかる。したがって年明け頃から約5円、2025年2月初頭からさらに5円程度値上げと予想される。 

 

ガソリン価格が約10円上がると、家計負担が年間約5000~6000円増えるとの試算も。クルマを多用する地域ではさらに負担が増える。 

 

 

自民、公明、国民民主の3党による合意書。「103万円の壁」に関しては「目指して」の文言のとおり“目標”と捉えられる。「暫定税率」に関しては「廃止する」と断定しているものの、実施時期の記述はない。 

 

ガソリンの暫定税率が廃止されればリッター25.1円安くなり、ガソリン補助金が打ち切りになっても帳消しになる。185円/Lになった場合でも160円程度で収まるのだ。 

 

しかし前述したとおり、暫定税率の廃止時期は不透明。先の当web記事では実施が「2年後」になる可能性を案じたが、その後、自民党の税制調査会では1年先送りし2025年末に詳細をまとめる方針という。これには政治的な駆け引きがあると見られるが、、最短でも2025年の通常国会で議論し 、4月から実施することも可能だ。 

 

なお、暫定税率廃止と同時に合意した、いわゆる「年収103万円の壁」見直しに関しても暗雲が。当初は国民民主党の主張する「178万円を目指して、来年から引き上げる」とことで合意したが、自民公明の与党は2025年度の税制改革で「123万円に引き上げ」と明記する方針。このまま行くと、“ガソリン暫定税率廃止”も合意しただけで、結局実現には至らず……ともなりかねない。 

 

今回の暫定税率廃止を進めている国民民主党の玉木雄一郎氏は12月18日に自身のXで次のようにコメントしている。 

 

「『ガソリン減税』を来年度から速やかに実施することが必要で、先送りすべき課題ではありません。『103万円の壁』の178万円への引き上げだけでなく、ガソリンの暫定税率廃止も来年度から実現しなければなりません」 

 

ガソリン価格の値上げは、物流コスト増につながるため、二輪四輪ユーザーはもちろん、社会全体の物価上昇につながる。一刻も早い暫定税率廃止による値下げを望みたい! 

 

沼尾宏明 

 

 

 
 

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