( 237776 )  2024/12/22 17:25:08  
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 国鉄時代から続くおトクなきっぷの代表格として「青春18きっぷ」が挙げられるでしょう。 

 

JRの普通・快速列車が利用できる特別企画乗車券が「青春18きっぷ」だ。2024年冬からどうルールが変わるのだろうか 

 

 青春18きっぷには長い歴史があります。最初は、1982年に「青春18のびのびきっぷ」という名前で発売されましたが、翌年からおなじみの「青春18きっぷ」という名前に変更されました。 

 

 「青春18」という名前が残り続けたことからも、このきっぷの独特のコンセプトが窺えます。 

 

 JR西日本の担当者は、青春18きっぷのコンセプトに関して「長期休暇期間中の青少年層を対象に、のんびりとした普通列車の旅を提供し、鉄道利用の促進を図るために設定している」と話しています。 

 

 「青春18」という名前ではあるものの、きっぷを使用することに関して特段の年齢制限はなく、誰でも使うことができます。 

 

 そして、発売から40年以上が経った2024年、青春18きっぷのルールに大きな変更がいくつかかかりました。 

 

 代表的なものは、「1人で3日連続もしくは5日連続使う」という条件が必須になったことです。 

 

 従来は、青春18きっぷの利用期間の中で、普通列車を5日もしくは5回乗り放題にすることができました。そのため、「1人で日帰り旅行を飛び飛びで5回する」「複数人で同じ日に1枚の18きっぷを使って旅行する」ということもできたのです。 

 

 しかし新たなルールではこのような使い方はできず、1人が連続した3日間もしくは5日間分の18きっぷを買う必要があります。 

 

 このルール変更が行われた背景にはどのような理由があったのでしょうか。 

 

 前出の担当者は、「近年はグループでの利用は年々減少し、個人での利用が増えています。加えて5日間連続のほか、2日間と3日間など分割した利用が多くなっていることから、今回リニューアルをした」と話します。 

 

 さらに、「お客様のさらなる利便性向上を図るため、自動改札機対応が可能な商品性に変更した」と付け加えていました。 

 

 また、従来の青春18きっぷには磁気が入っていませんでした。そのため改札を出入りする際には、自動改札を使うことができず、有人改札を通る必要がありました。 

 

 ところが、今回の変更により、青春18きっぷにも磁気が入れられるようになったため、自動改札が使えるようになったのです。 

 

 では、この大幅なルール変更に伴って、1日で進むことのできる距離は変わったのでしょうか。 

 

 今回は、代表的な「東京駅を出発して、西に進み続ける」という例をとって見てみましょう。 

 

 

 西に進み続ける旅のトップランナーは東京駅を4時49分に出発する山手線です。 

 

まずは東京駅を4時49分に出発する山手線に乗り、西へと向かう 

 

 朝の早い時間は東海道線の列車が品川始発になっているため、品川駅までは山手線を使わなければいけません。 

 

 品川駅に5時3分に到着し、5時10分発の小田原行きに乗り換えます。 

 

 終点の小田原駅では、1分の接続で熱海行きの列車が待っています。 

 

 この列車を使う上で注意が必要なことがあります。それはグリーン車がついていないことです。 

 

 この列車は平塚駅始発の熱海行きであるため、とても短い5両編成の電車が使われます。そのため、グリーン車を連結していません。 

 

 グリーン車を使おうとしている人は、品川駅でグリーン券を熱海駅まで買わないように注意が必要です。 

 

 ここまでは乗車時間が短い列車も多かったですが、次の列車からは一気に乗車時間が長くなります。 

 

 今度の列車は熱海駅を6時49分に発車し、浜松駅に9時17分に到着します。 

 

 1つの列車で約2時間30分、152.5キロを走ってしまうのです。 

 

 浜松駅では、豊橋駅に9時58分に到着する列車に4分で乗り換えます。この列車で浜名湖を越えて愛知県に入ります。 

 

 豊橋駅からは久々の速達列車の旅が始まります。乗り換える列車は豊橋駅を10時2分に出発し、大垣駅11時32分に到着する新快速です。この列車で名古屋を越えて、岐阜県に入ります。 

 

 大垣駅からは9分の接続で、12時17分に米原駅に到着する列車に乗り換えます。ここまでは長時間走る列車が多かったものの、この列車の走行時間は30分ほどです。この列車で関ヶ原を通ります。 

 

 米原からはまた速達列車の旅が始まります。ここで乗り換える列車は、米原駅を12時50分に出発する新快速です。 

 

 この列車は、京都、大阪、神戸といった近畿地方の大都市を次々と走り抜けていきます。なお、東京駅から長く続いた東海道本線は神戸駅で終わり、以降の路線は山陽本線です。 

 

 そして、2府2県を走り抜けた新快速は、15時17分に姫路駅に到着します。 

 

 

東京駅を早朝に出発し、普通列車で1日で一番遠くに行ける場所は「新山口駅」だ 

 

 次に乗る播州赤穂行きの普通列車の発車までの乗り継ぎ時間は比較的余裕があり、17分です。なお、この列車の終点は赤穂線であるため、元の山陽本線と分岐する相生駅に到着する15時53分まで乗車します。 

 

 次の列車は相生駅を15時56分に発車し、岡山に17時3分に到着します。岡山駅では同じホームで乗り換えられますが、1分しかないため少し慌ただしいでしょう。ただ、ここで乗り換えに失敗しても、あとの列車に乗れば元の旅程に戻ることは可能です。 

 

 乗り換えた列車は、岡山駅を17時4分に発車し、三原駅に18時40分に到着します。この列車で日の入りを迎えるでしょう。 

 

 三原駅では乗り換え時間が30分以上あり、岩国駅に21時19分に到着する列車に乗り換えをします。 

 

 なお、この列車で広島駅を通ります。中国地方に入ると1つの列車が1つの県を東端から西端までを走りきることが多くなり、乗車時間も長くなりやすいのです。 

 

 岩国駅に到着すると、この旅の最後の列車へ乗り換えとなります。 

 

 21時47分に岩国駅を出発し、ついに東京駅から18きっぷを使って1日でたどり着ける最西の駅が「新山口駅」です。 

 

 新山口駅には日付が変わった午前0時2分に到着します。 

 

 このように、18きっぷで乗れる列車をテンポよく乗り継いでいくと、1日で東京都から山口県まで進むことができます。 

 

 また、18きっぷのルール変更によるこの旅程への影響はほぼないでしょう。 

 

【参考資料・メモ】 

 

(平日) 

東京4:49ー品川5:03(ヤテ) 

品川5:10ー小田原6:21(トカホセ) 

小田原6:22ー熱海6:45 

熱海6:49ー浜松9:17 

浜松9:23ー豊橋9:58 

豊橋10:02ー大垣11:32(トカホセ・新快速) 

大垣11:41ー米原12:17 

米原12:50ー姫路15:17(トカホセ・サヨホセ・新快速) 

姫路15:34ー相生15:53 

相生15:56ー岡山17:03 

岡山17:04ー三原18:40 

三原19:13ー岩国21:19 

岩国21:47ー新山口0:02 

 

ポイント 

・早朝のトカホセは品川始発、ヤテを使う必要あり 

・小田原6:22は平塚始発、付属編成単独のためグリーンなし 

・熱海で東海に 

・豊橋からは本日初の速達列車 

・米原で普通を見送る 

・岡山は対面1分乗り換え、遅れても後から追いつける 

 

Peacock Blue K.K. 

 

 

 
 

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