( 237926 )  2024/12/23 03:51:02  
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「定額働かせ放題」とも揶揄されている学校教育の現場。 

 

公立学校の教員の給与は残業代を支払わない代わりに、給料の月額4%を上乗せすると半世紀前の法律で定められています。 

 

先生の待遇をどう改善するか、まずはある小学校の先生の1日に密着しました。 

 

■「1年目2年目で勤務時間内にこなせる量ではない」 

 

朝6時すぎ。辺りがまだ薄暗いなか、車を走らせるのは千葉県の公立小学校で6年生の担任をしている小藤田先生(34)。 

 

小学6年生の担任 小藤田先生 

「普通の会社員との働き方の差がすごくて、それはもう衝撃だった。初任の時から5年目ぐらいまでは辛かったというか大変だった。すごく」 

 

教員生活11年目ですが、毎朝5時に起きる生活が続いています。 

 

出勤すると、まずは主任をつとめる小学6年生の学年会に向けた資料作りや授業の準備をします。 

 

小藤田先生 

「子どもたちは7時50分に来るんですけども、自分は1時間前ぐらいに学校に着いてその日の授業の確認をしている」 

 

小藤田先生は、必ず子どもたちより早く教室に居るようにしています。 

 

小藤田先生 

「一番は子どもたちを迎え入れるのが大事だと思っているので、笑顔で挨拶して迎え入れるように意識しています」 

 

8時になると子どもたちが続々と登校してきます。 

 

生徒 

「元気な先生です!熱血系みたいな。ファイトファイト!よっしゃよっしゃみたいな(笑)」 

 

この日の理科の授業は、テコの原理について。 

 

小藤田先生は分かりやすく教えるために、お手製の実験器具を用意していました。 

 

小藤田先生 

「理科の準備ってすごく大変。いまの仕事の量が、1年目2年目で勤務時間内にこなせる量ではない。外国語とかはこの学校にはないが、これ以外にも、まだありますね」 

 

■ほぼ休憩なしで「10時間」勤務 

 

授業が終わり子どもたちの帰りを見送ったあとも、保護者への電話など業務は多岐にわたります。 

 

小藤田先生 

「もしもし小藤田です」「6年1組担任の小藤田です」 

 

残っているテストの丸付けも放課後に行います。 

 

 

小藤田先生 

「算数苦手な子が高得点取るとうれしい」 

 

体育館に来た小藤田先生。学校の戸締りも、先生同士で手分けして放課後に行います。 

 

結局、勤務が終了したのは午後5時。ほとんど休憩することなく10時間働きました。 

 

小藤田先生 

「どんなにいい授業を作っていても、子どもとの関係性ができてないと子どもには何も伝わらない」 

 

「僕は子どもたちとコミュニケーション取りたいので、基本的に(テストの)丸付けとか、給食の時間はしないようにしている。休み時間も削れない。僕の中では子どもたちとの信頼関係は遊びが一番、関係性が作れると思っていて、とにかく子どもたちと全力で休み時間、体を動かして遊ぶ」 

 

勤務時間を管理する校長先生も悩みを口にします。 

 

伊藤校長 

「子どもが帰った後って1時間ぐらいしかないんですよ、(所定の)勤務時間で考えると。その中で、毎日5時間6時間の授業の準備をするのは、なかなか難しい」 

 

小藤田先生 

「先生たちがより働きやすくなって、より子どもたちと関係性も作れて、授業の準備もできる、そんな教育の世界になっていってくれたら嬉しい」 

 

■教員の病気休職 要因の上位は「業務内容」に関連  

 

上村彩子キャスター: 

タブレットの導入が進んで、授業の準備の負担が少し軽くなったとは聞いたことがあるのですが、とても8時間で収まる業務量ではなさそうです。 

 

喜入友浩キャスター: 

業務の負担は大きいようで、文科省が発表したデータですが、先生の精神疾患による病気休職の要因をみてみると「児童・生徒に対する指導に関すること」や「事務的な業務に関すること」など、「業務内容」が上位を占めているんです。 

 

上村キャスター: 

授業の準備を含め、先生の忙しさは多岐にわたりますからね。 

 

喜入キャスター: 

まさに「働き方」が問われている先生たちの給与をめぐって来週、大きな動きがありそうなんです。 

 

そもそも、公立学校の先生の給与は残業代を支払わない代わりに給料の月額4%を上乗せすると半世紀前の法律で定められています。 

 

 

月額4%というと、残業代としては8時間分ぐらいということになります。 

 

上村キャスター: 

これ以上働いたとしても残業代が出ない。だから、「定額働かせ放題」とも指摘される状況となっているんですね。この4%というのは少ないように感じます。 

 

喜入キャスター: 

現場からも改善を求める声が上がる中、国は、この上乗せ率を半世紀ぶりに引き上げようとしています。ただ、引き上げ方をめぐって文科省と財務省で案がわかれています。 

 

■わかれる給与の上げ幅と時期 文科省と財務省が“対立” 

 

喜入キャスター: 

まずは文科省ですが、来年度中に、一気に13%まで引き上げることを求めています。 

 

さらに全国で約7700人の教職員定数を増員することで先生の負担軽減を目指したいとしています。 

 

一方、財務省は、残業時間を削減することを条件に4%から段階的に引き上げ、最終的には5年程度で10%とするとしています。 

 

上村キャスター: 

上げ幅も、時期も異なっているわけですね。 

 

小学校の教職員として10年勤務している知人がいるが、ただ人数を増やせばいいわけではないと話していました。 

 

というのも、初任者を教育するのも教職員の仕事なわけです。つまり業務が増えてしまう。 

 

そして仕事を分担するといっても、生徒へ細かなサポートをするには、連携するのもなかなか難しいこともあるそう。 

 

文科省と財務省で案がわかれていますが、どちらが少しでも実態に即した形なのか難しいですね 

 

喜入キャスター: 

そして「定額働かせ放題」の温床でもある「残業時間に応じた給料がもらえない」 

という給与システム自体の見直しが必要かもしれません。 

 

来週、それぞれの大臣同士による話し合いなどが行われ、結論が出る予定です。 

 

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