( 241036 ) 2024/12/29 03:52:51 0 00 ゆたぼん
文科省によると2023年度、不登校の小中学生は過去最多となる34万6482万人だった。10年前の2013年度は11万9617人で、10年間で2.9倍にもなった。特にコロナ禍もあった2020年度以降に急増した傾向が強く見られている。11年連続増加という実態を受けて、国会でも不登校対策が重要課題とされる中、小学3年生から不登校を続けてきたYouTuberゆたぼんは、中学3年生となる去年9月から学校に通い始めた。
今では通信制の高校に進み、10月には初登校で高校デビューも果たした。「不登校は不幸じゃない」と言い続けてきたゆたぼんに、どんな心境の変化が起きたのか。そこにはEXIT兼近大樹の言葉が、大きなきっかけにもなったという。「ABEMA Prime」では、ゆたぼん本人に不登校になったいきさつ、学校に行くことにした経緯、また現在の目標などを聞いた。
ゆたぼん不登校の理由
ゆたぼんが不登校になったのは2017年、小学3年生の時だ。「小学校1年生、2年生の時は毎日楽しく学校に行っていたが、3年生の時に、なんで学校はあるんだろう、なんで先生はいるんだろう、なんでみんなと同じことをしないといけないんだろうと『なぜ』『どうして』がいっぱい出てきた。周りの子たちと同じ行動をすることに疑問を持った。宿題もなんでやらないといけないのかなと思って、先生に聞いたが『そんな疑問いらんからもうやっとけ』みたいな感じで言われた。やっぱり理由がわからないとやりたくないから、やらなかった」。教師から改めて宿題をやるように言われたものの応じなかったゆたぼんは、翌日居残りをさせられた上、叩かれた。
泣きながら家に帰った後、ゆたぼんと親、教師による面談があったが「先生は叩いたのに叩いてないとウソをついて、叩いた・叩いてないの水掛け論になった。最終的には先生が『手が滑って当たっただけ』とか言い出して、そこからもう先生とか学校が信用できなくなった」。後日、教師から今度は宿題はやらなくていいので、給食だけ食べに来てと連絡を受けたため、これには応じて学校に行った。ところが給食は、他の生徒たちと同じ時間ではなく、休み時間に1人で食べさせられた。「休み時間なら別に遊んでもいいはず。だから先生がいない時にグラウンドに行って遊びに行ったが、同級生の子たちに『お前、宿題やった?』みたいな感じで言われた。『やってない』って言ったら『やらなあかんやろ』みたいな感じで腕を掴まれて、先生のところに連れていかれた。(同級生は教師から)『あの子と遊ばんでいいから、教室に戻してきて』みたいなことを言われていたらしい。見張りみたいなやつもいた。それで不登校になった」。ここから不登校ライフを発信し続ける小学生の“不登校YouTuberゆたぼん”がスタートした。
ゆたぼんの足跡
途中、大阪から沖縄へ引っ越すこともあったが、不登校は継続。中学になっても学校には行かなかった。「小学校の時に不登校になったが、不登校じゃなくて『自由登校』だった。行っていない間は本当に自分のやりたいことをやっていた。自分で勉強したい時は自分で勉強した。遊びたい時は遊んで、ゲームしたい時はゲームした。もう本当に自由な感じで過ごしていた」。ゆたぼんが、常に父から伝えられていたのは、学校に行かなくていいのではなく、行きたくなければ行かないという選択肢もある、ということ。これが「自由登校」の意味合いだ。「不登校は、自分はダメだと思うことは全然ない。僕も不登校だったが、全然不幸じゃなかった。だから不登校でも不幸じゃない。こういう生き方もある。学校に行きたい子は行ったらいいし、行きたくない子は別に行かないでもいいよ、という提案を発信している」。
それでもなかなか、実際に学校に足が向かなかったゆたぼんが、中学3年生の2学期に学校に行くことにした。大きなきっかけとなったのが、ABEMA Primeで兼近が、ゆたぼんに向けて投げかけた言葉だ。
「学校に行けとは言わないけど知った方がいい。この社会は学校に行った人たちでできている」
「そんな人たちの人生を理解して感性に合わせられる能力があるからこそ、それとは違った自分を演出できる」
これを聞いたゆたぼんは「中学校には行きませんという動画をアップしていたが、この時から1回は中学校に行ってみようかなと思った。学校に行って、どういうところか見ておいた方がいいよ、みたいな感じで言っていたので、 そうしようと思った。やっぱり学校に行った方がいいよと言われて行くのではなくて、学校に行きたいと思った時に行く方が楽しい。そのタイミングが中学3年生の2学期だった。行ってみたら楽しかった。友だちもすぐにできて、ずっと遊んだりもした。勉強はよくわかんなかったけど、でも本当にすごく楽しかった。でも、それなら中学1年生の時から行ったらよかったと言われるが、それはそうじゃない。あくまで自分が行きたいと思って行ったから、それが楽しかった」。
これに兼近は「これだけ喋れる子だし、たぶん大人との交流も今までもいっぱいあったはず。学校の皆さんとのコミュニケーションなんて、本人からしたらちょろいもので、なんか『強くてニューゲーム』をやっている感覚。大人と喋ったことがあまりない子どもたちの中に、1人だけコミュニケーションが上手な人が入ってくると、周りも注目する。自己顕示欲、承認欲求も満たされるだろうし、子どもとしては最高の環境だろう」と述べた。
ゆたぼんと兼近大樹
現在、通信制の高校に進んだゆたぼんだが、同時に高卒認定試験を進めている。「自分が勉強をしたいと思ったらめちゃくちゃやる。自分がやりたいと思ったら集中力がすごい」。実は通信制ではない高校も受験し、試験は筆記も面接も手応え十分だったが、やはり不登校による内申点の低さが響き、不合格だった。その悔しさをバネに、YouTubeでも高卒認定試験のクリアを宣言した。「もう何がなんでも有言実行したい。認定試験を受けて合格すれば大学に行く道もある。今、英語以外の7科目は合格した。今、通信制の高校に通っているが、この高校で英語の単位を取れば、免除されて、高卒認定試験合格になる。それが来年、2025年の3月。これで大学の受験の切符が手に入る」。実際には、まだ16歳のため、受験可能な18歳を待つ必要があるが、目標へ大きな一歩を踏み出すことになる。
同じく高卒認定試験を受け、ゆたぼんと同じ英語だけを残しているという兼近は「(ゆたぼんは)エンタメの境界線にいる人。自分の人生をそのままエンタメにしているわけだから、刺さりやすい。自分の伝えたいメッセージと別に、いろいろな人のアドバイスを聞きながら、自分でまとめて、それを発信できて、さらに自分で体現できれば、憧れる方になる。みんなの的になってほしい」とエールを送っていた。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部
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