( 241126 )  2024/12/29 05:38:36  
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ラーメンのすすり方、どうしてる? 

 

 日本人の「国民食」ともいえるラーメン。多くの人に愛される存在だからこそ、人それぞれの食べ方があり、ときに互いの価値観がぶつかり合うこともしばしばだ。 

 

 たとえば、大手質問投稿サイトでも、「レンゲを使わないとマナー違反?」という投稿は珍しくない。投稿は「レンゲを使わずに直接麺をすすったところ、同行者から『行儀が悪い』と注意された。私はマナー違反なのか」といった主旨で、投稿者が困惑している様子がうかがえる。ほかにもラーメンを食べる際のレンゲの使用をめぐる投稿は数多く存在するところを見ると、食べ方のスタイルを気にする人は少なくないようだ。 

 

 ラーメンの麺を食べる際、これまで議論になってきたのは、すする音が不快だという“ヌーハラ”問題だが、そもそものすすり方にもさまざまな流儀がありそうなこの論争。それぞれの主義主張を聞いてみた。 

 

 メーカー勤務の20代女性・Aさんは、ラーメンの食べ方として直接すすらず、「レンゲに麺とスープを乗せてから食べる」という。 

 

「ラーメンを食べるとき、レンゲに“ミニラーメン”を作ってから食べます。スプーンの上でパスタをフォークで巻く食べ方と似ています。レンゲに麺を乗せることで、麺を一口で食べられる量に調整できるし、麺とスープが適度に冷めるので、スムーズに口に運ぶことができるように思います」 

 

 Aさんにとって“ミニラーメン”のメリットは、それだけではないという。 

 

「レンゲを使わずそのまますすったら、汁が飛び散ると、自分の服やテーブルを汚しかねません」(Aさん) 

 

 レンゲを使わず、そのまますする派の人もいる。不動産会社勤務の40代男性・Bさんは、「ミニラーメン派は邪道」だと言う。 

 

「優雅に品が良さそうに見せようという狙いがあるのかもしれませんが、男女問わず豪快にすすって食べている方がおいしそうだし、個人的には好感度が高いです」 

 

 Bさんは「別にレンゲを使ってもかまいませんが……」と前置きしたうえで、「レンゲを使う意味がわからない」と首を傾げる。 

 

「ちょっとずつ食べるのではダメなんですかね? そもそもレンゲがない店もありますし、しっかり麺をすすることで、麺やスープの味や香りを楽しめると思っています」(Bさん) 

 

 

 レンゲを使うものの、「麺にそえるだけ」という人もいる。広告代理店勤務の30代男性・Cさんが、その食べ方を紹介する。 

 

「家族でラーメンを食べると、いつも小言が出ていました。私がラーメンをすすると、母親には『下品だからやめなさい』と言われ、レンゲのうえに麺をのせれば、父親から『男のくせにちまちま食うな』と言われました。 

 

 現在は箸で麺を適量取ってから、レンゲをそえて麺をはさむようにして高めに持ち上げてから、優しくすすっています。箸とレンゲの“二刀流”なので、麺を安定して高く上げられるうえに、適度に汁が取れて温度も下がるので食べやすいです」 

 

 食べるスタイルは違っても、「ラーメンが好き」ということは同じ。価値観を押し付け合わず、それぞれの流儀を尊重したいものだ。 

 

 

 
 

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