( 241861 )  2024/12/30 17:46:21  
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 高速道路の料金所では、一部の料金レーンが閉鎖されていることがあります。 

  

 混雑しているときも閉鎖されているようですが、いったいなぜ、すべての通行レーンを開放しないのでしょうか。渋滞の原因にはならないのでしょうか。 

 

なぜ料金所はいつも一部の通行レーンが閉鎖されているのか? 

 

 大型連休や年末年始、お盆になると、帰省やレジャーに行く人々によって高速道路が大渋滞します。 

 

 もちろん、料金所の前でもクルマが長蛇の列をなしています。なかには、間違ったレーンに並んでしまって右往左往するクルマなどもおり、混沌とした状態になることも。 

 

 しかしこのようなとき、混雑しているにもかかわらず閉鎖している料金レーンをみることがあります。 

 

 全てのレーンを開放すればスムーズに流れるように思えますが、なぜ閉鎖したままなのでしょうか。 

 

 じつは、そもそも高速道路の料金所は多めに設置されているのです。 

 

 高速道路が誕生した時代に遡ると、当時の料金の支払い方法は現金でした。 

 

 この場合、料金ブースに1台ずつ停まり釣り銭などをやりとりするため、クルマが通過するのに時間を要します。 

 

 つまり、現在の料金レーンは現金払いで渋滞を起こさないぶんだけ設置されていることになります。 

 

 しかし、2002年にETCでの支払いを導入してからは、レーンでの金銭処理はスピードアップしました。便利かつ料金割引サービスが受けられることからETCは普及し、現在ではほとんどのユーザーに利用されています。 

  

 高速道路への入場がシームレスになったなら、不要な料金レーンが出てくるのは自然なことでしょう。 

 

 実際にNEXCO中日本の担当者は「ETCの普及により、ETCレーンをご利用されるお客様が増えたことから、一般レーンとして整備されているレーンにつきましては、利用状況に応じて閉鎖しております」と話します。 

 

 ただ、必要な数が当初より減ったといっても、実際に料金レーンを撤去するのは難しいといいます。そのため、一部閉鎖というかたちをとっているようです。 

 

 一方で、いちど閉鎖した料金レーンもそのままではなく、弾力的に運用されているようです。 

 

 たとえば、当日の交通量に応じて必要数を計算し、閉鎖しているレーンを開放することがあるといいます。また、高速道路の交通量を減らすため、あえて開放しない場合もあるようです。 

 

 

 混んだ料金所で閉鎖中のレーンをみると「なぜ開けないのかな」と思うこともありますが、レーンの数と渋滞は直接には関係がないようです。 

 

 実際に、NEXCO東日本では、料金所で最も多く渋滞がおこっていたものの、ETCが整備された現在は全体の1%にしかなりません。 

 

 むしろ、料金所が渋滞しているのは、クルマの運転に原因があるといえるでしょう。 

 

 ETCレーンを通過するときは、時速20km以下で徐行しなければなりません。そのため、クルマがスピードを落とすことで、後続車との車間距離が縮まります。 

 

 その際に後続車がブレーキを踏むと、さらに続くクルマも次々とブレーキを踏みクルマの流れが乱れてしまいます。こうした現象が連なると渋滞が発生します。 

 

 さらに、レーンの待機列ができてくると、少しでも空いている列を狙って進路変更をくり返すようなクルマもみられます。 

 

左右に広がる料金所レーンはどこを選ぶのがイイ!?[画像はイメージです] 

 

 また、慣れないクルマがどこに並んでいいかわからず立ち止まることもあり、料金所の前は混乱しがちです。 

 

 料金所をスムーズに通過するには、車間距離を保てるように減速のしかたを意識するとよいでしょう。ある程度手前から徐々にスピードを緩めると、後続車との距離が急に狭まることはなくなります。 

 

 列に並ぶ際は、先に通過する料金レーンを決めておくことも大切です。カーナビなどでもレーンの種類や位置がわかるので、事前に確認しておくとよいでしょう。 

 

 なお、ETCレーンが混雑していたら、有人の一般レーンを利用することもできます。 

 

 この場合は、入口で受け取った通行券を出口で料金所係員に渡します。また、ETCカードは車載器から引き抜いて利用することになります。 

 

※ ※ ※ 

 

 現在、高速道路各社はETC専用料金所の運用を始めており、ほとんどの料金所が今後改修されていく予定です。 

 

 ETC専用にすることでさらに混雑緩和が期待され、今後料金所はますますスムーズに通過できるようになるようです。 

 

Peacock Blue K.K. 

 

 

 
 

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