( 243196 )  2025/01/02 15:17:50  
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折田楓氏(本人Instagramより) 

 

 2024年は兵庫県が揺れた一年だった。斎藤元彦知事(47)のパワハラ・おねだり疑惑を糾弾した告発文書が3月に配布され、斎藤氏の対応に県議会は紛糾。議会は6月に百条委員会設置を決め、疑惑の検証を始めた。9月には百条委員会の結論が出る前に、斎藤氏への不信任案を可決。斎藤氏が出直し選挙に出馬すると、SNSを発端に支持が広がり見事当選を果たした。 

 

 その後持ち上がったのは、件のSNS選挙を主導したと主張するPR会社社長・折田楓氏(33)を巡る騒動だ。折田氏のネット投稿記事をきっかけに、公職選挙法違反の疑いが浮上し、パワハラ疑惑・告発文書の真偽、SNSを使った選挙のあり方なども含め、メディアやSNSではさまざまな立場の人々が、論点も争点もまちまちに意見を述べ合い、先の見通せない混乱状態となっている。 

 

 当の斎藤知事はというと、代理人弁護士に対応を任せたと語るばかりでSNS選挙の実態や折田氏との関係を語らない。その代理人弁護士は、折田氏の記事が“盛られた”内容だと折田氏の対応を暗に非難。このままの幕引きでは折田氏の言われ損ではないのかと誰もが感じていることだろう。 

 

 慶應義塾大学を卒業後、外資系銀行で働いたのち、広告代理店を創業するという華麗な経歴を持つ彼女が、なぜこのような事態を予測できなかったのか。 

 

 それをひもとく鍵になるのは、折田氏の周囲の人間が語る“素顔”にあるのかもしれない。(2024年11月22日配信記事、「週刊新潮」12月5日号、12月12日号をもとに再構成しました。) 

 

 *** 

 

「いつか痛い目に遭って、そのキラキラした世界は崩れると思っていたけど……。こんなにも大きな花火を打ち上げて、大炎上するとは思わなかった」 

 

 と語るのは、折田氏の親族だ。 

 

「全国的にも注目されて、すごい迷惑をかけているじゃないですか。兵庫県知事選もやり直しかもってね。彼女は県の仕事に関わって、自分の顔や名前をSNSでさらしてきた。自信も大きい分、ものすごくコンプレックスがあると思いますよ。今回の騒動を見て、器からはみ出るようなことをしたら、えらいことになるなって……」 

 

 家庭環境も一風変わっていたという。 

 

「楓の一家はキラキラしているように見えて、虚勢を張って生きてきたというか、実際のところはドロドロなんです。まぁ、そんな偏った育て方をされたら、彼女のような大人になってしまいますよ」 

 

 そう嘆くのである。 

 

「彼女の父親は開業医になったけど、異母兄弟との仲が悪くて取っ組み合いのけんかをするほどで、相続の際ももめましたからね。自分たちの家族がどれだけうまくいっているか、周りに大きく見せたいということなんでしょう。父親は自分の娘を溺愛して、幼い頃からドラムを習わせた、フランスへ留学させた、娘が企業を立ち上げたとか自慢話ばかりする人でね。田舎にいる親戚たちとも疎遠になっていったんです」 

 

 

 そんな父親のもと育った折田氏は、大学時代にも目に余る振る舞いを見せていたという。 

 

「入学したのは2010年で、ちょうど意識高い学生たちがFacebookを駆使し始めた頃でした。中でも彼女の投稿内容は一際目立っていました」 

 

 こう語るのは、彼女の出身大学である慶應義塾大学SFCの同級生である。1学年に1000人ほどいたため折田氏と直接の知り合いではなかったが、SNSを介して知っていたという。 

 

 折田氏は11月25日にFacebook投稿を全て削除したが、今も本人から承認された友人やその友人ならば学生時代までさかのぼって閲覧可能だ。同級生に当時彼女が投稿していた内容を見せてもらったが、確かに学生とは思えないキラキラした日常だった。 

 

 高級そうなレストランで女子会を楽しんだり、シンガポールやマレーシアへ海外旅行に出かけたり……。 

 

「私は貧乏学生だったので、金持ち学生はいいなぁと思いながら見ていました。SFCには彼女みたいなボンボン学生が多いんです」(同) 

 

 実際、高校時代と大学時代に2度、フランスに留学経験もある“生粋のお嬢様”である。SNSにアップした動画では「お嬢って呼ばれることが多い」と自ら語っていた。 

  

 同級生によれば、折田氏は一時期、芸能人の学友と一緒に写った写真をよく投稿していたという。 

 

「SFCには菊池風磨、『乃木坂46』の山崎怜奈、ハロープロジェクトの鈴木愛理など多くの芸能人の卒業生がいますが、私たちの時も高校時代から芸能活動していたA子という女性タレントが在籍していました。折田さんは同級生のA子と親しかったようで、一緒に遊んでいる様子をよく投稿していました」 

 

 だが、それらの投稿はしばらくして突然、一斉に消されたという。 

 

「A子のリラックスした表情が写ったプライベートな写真ばかりでしたので、A子や所属事務所からクレームが入ったんだろう、とみんな話していました。相手の立場を考えずにSNSで勝手な投稿を繰り返す姿勢はあの時から全く変わっていませんね」 

 

 騒ぎが起きてから折田氏はSNSを消去するなど過去の言動の“隠蔽(いんぺい)”に躍起になっている。同級生はこう話す。 

 

「自分がしでかした行為自体を消せるわけではない。逃げ回るのはやめて一刻も早く説明責任を果たしてほしいものです」 

 

 

 一方、別の意見も聞こえてくる。 

 

 折田氏の高校時代の恩師は、 

 

「あちらの高校(フランスのトゥレーヌ甲南学園)は全寮制で、関西地方を中心に日本中から留学生が集まってきましたが、彼女は非常にマジメで頑張り屋さん。成績もかなり良い方だったと記憶しています。和太鼓部の副部長として、毎年開催するチャリティーコンサートの大変な練習にも人一倍励む。何事にも一生懸命な生徒でしたよ」 

 

 折田氏と地域再生のプロジェクトに携わったという人物は、こう指摘する。 

 

「今は結婚して旦那さんも同じ会社で働いているようですが、私が出会った頃の折田さんは独身で20代だった。スタートアップで起こしたばかりの会社のお嬢さん、というような感じで今ほど手広くはやっていなかったと思います。フランス留学、慶應、外資の銀行という経歴を考えたらてんぐになってもおかしくないのに、偉そうな感じは全くなくて腰が低い方でしたよ。仕事のレスポンスも速く非常に優秀。最近のSNSの投稿とは随分と印象が違うといいますか、派手な感じの子ではなかったのですが……」 

 

 一体どれが折田氏の“本当の顔”なのか――。疑惑の真相を自らの口で説明すれば、あれだけの“戦略”を成し遂げられた人物だけに、名誉挽回、禍を転じて福となす可能性も残されている。いずれにせよ2025年は、兵庫県民が安心して未来を任せられるまっとうな首長・議会による正常な自治に戻ることを願うばかりだ。 

 

デイリー新潮編集部 

 

新潮社 

 

 

 
 

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