( 243314 )  2025/01/02 17:39:30  
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海上自衛隊の最大級護衛艦「かが」の新型護衛艦では、艦艇居住区を大幅に改良してカプセルベッド化することが明らかになりました。

これにより、乗組員のプライバシーと快適性が向上し、艦艇乗員の生活・勤務環境の改善が図られます。

さらに、全艦艇にWi-Fi通信機を設置し、インターネット回線が使用できるようにする計画もあります。

(要約)

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海上自衛隊最大級の護衛艦「かが」(画像:海上自衛隊)。 

 

 防衛省が2024年12月27日に公開した「2025(令和7)年度予算案の概要」では、さまざまな装備が調達されることが明らかとなりましたが、装備品以外の分野でも色々なものが盛り込まれていました。そのひとつが「自衛官の処遇の向上」です。 

 

 なかでも、「艦艇乗組員の生活・勤務環境改善・魅力化の整備推進」を図る目的で、新型護衛艦では艦艇居住区を従来艦とは大きく構造変更し、カプセルベッド化するとのことです。これによりプライバシーの確保と快適性の向上を図ると明記、そのイメージも掲載していました。 

 

 対象となるのは、2025年度から建造が始まる新型FFM、すなわち2024年現在、導入が進められているもがみ型護衛艦よりあとに誕生する新造艦です。 

 

 これまでの海上自衛隊の乗組員用寝台は、2段ベッドが基本で、通路との仕切りはカーテンのみ、照明は読書灯しかありませんでした。しかし、2段ベッドでもかなり改善された方で、海上自衛隊発足時にアメリカから貸与された大戦型駆逐艦を転用した、あさかぜ型護衛艦やありあけ型護衛艦などは4段ベッド、初期の国産護衛艦である、はるかぜ型なども4段ベッドでした。 

 

 その後、3段ベッド化し、このタイプに関しては艦齢の古いはたかぜ型練習艦やあさぎり型護衛艦などに残っていますが、数は少なく、2024年現在は多くの艦が2段ベッドになっています。今回のカプセル化では、2段式ではあるものの、よりプライベート空間の確保に配慮されており、また壁ができたことによって、側面には折り畳み式の簡易テーブルなども付くようです。 

 

防衛省が公開した寝台のカプセルベッド化のイメージ(画像:防衛省)。 

 

 加えて、通信面に関しても艦艇内にWi-Fi通信機を設置して、インターネット回線などが使用できるようにします。また洋上でもそういった民間回線にアクセスできるよう商用の低軌道衛星通信機材を自衛艦に搭載する計画です。 

 

 すでに練習艦「かしま」「しまかぜ」の2隻にはStarlinkの海上向けサービス「Starlink Business マリタイムプラン」が導入されていますが、同様のサービスを全艦艇に普及させる模様で、防衛省では2024年度は練習艦2隻を含む16隻に、2025年度は47隻に必要な経費を計上し、2028年度までに主要艦艇への搭載を完了させる見込みとしています。 

 

 これにより、洋上でも艦艇乗員がインターネットや携帯電話の通話が可能になりそうです。 

 

乗りものニュース編集部 

 

 

 
 

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