( 243544 )  2025/01/03 04:26:26  
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数年前に部長が言っていたように、東京23区のマンション価格は実際に安かったとは言えません。

2014年の中古マンション価格は約4203万円であり、2023年には約7055万円となっているため、10年で価格は約1.68倍に上昇しています。

マンション価格の上昇要因には、建設コストの高騰、マンション供給の減少、低金利環境、海外資本の投資などが挙げられます。

安くマンションを購入するためには、引渡し時期が早い物件や需要が落ち着く時期を狙うなどの一般的な手段があります。

(要約)

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部長が「数年前は都内のマンションが5000万円で買えた」と言っています。今だと4人家族向けで「8000万円」はするのですが、本当にそんなに安かったのでしょうか? 

 

多くの人にとって、マイホーム購入は人生最大のイベントではないでしょうか。絶対に失敗したくない大きな買い物に向けて、購入経験者からアドバイスをもらうこともあるでしょう。 

 

職場の上司に相談した際、「自分が買った頃はもっと安かった」と言われると、一昔前はそんなに安くマンションを買えたのかと気になるかもしれません。本記事では東京23区のファミリー向けマンションの相場の推移を紹介します。 

 

総合不動産コンサルティングサービスを提供する東京カンテイが公表している『2023年・年間平均中古マンション価格(年間版)』によると東京23区の「中古マンション70平方メートル換算価格年間平均」は、2014年で4203万円でしたが、2023年は7055万円となっており、この10年で価格は約1.68倍にまで上昇しているようです。「数年前は安かった」という意見は正しいでしょう。 

 

東京23区のマンション価格が上昇している理由は、次のようなものが考えられます。 

 

■建設コストの高騰 

建設コストの高騰は、円安による輸入建設資材の価格上昇が原因の一つと考えられます。円の価値が弱くなると、輸入時により多くの円を支払わないといけなくなってしまうからです。 

 

■マンション供給戸数の減少 

マンション供給戸数の減少は、新型コロナウイルスの流行や前述した建築コストの高騰などが要因と想定されます。 

 

■低金利環境の継続 

継続している日銀の金融緩和政策の影響により、低金利にて住宅ローンをはじめとした資金調達を行うことができます。そのため、あくまで現時点での金利状況を考えれば住宅の購入や不動産投資を行いやすい環境であるといえます。 

 

■海外資本による投資対象化の進行 

前述の円安から、海外から見た円の価値は割安になっているため、為替の状況から、日本の不動産は魅力的な投資対象と考えられているかもしれません。 

 

マンション価格は前述のように大きく上昇しているため「相場全体が安くなるのを何もせず待つ」ことに合理性があるかは定かではありません。ここからは少しでも安くマンションを購入するための一般的な手段を記載します。 

 

■引き渡し時期が早い物件を狙う 

売主が「1日でも早く売却し、現金を手元に入れたい」という状況の場合、極端に引渡し時期が早くなりやすく、買主が見つかりにくいため、価格が安くなる傾向があります。このようなタイミングで購入すべきかの意思決定が即座に行えるよう、日頃から多くの物件情報を収集し、判断材料を揃えておきましょう。 

 

■マンション需要が落ち着く時期を狙う 

2月~3月は進学、就職、転勤などの新生活に備えるために、特にマンション需要が増えるといわれます。季節的に需要が高まる際に購入せず、タイミングをずらすことで、競争相手が減り価格交渉をしやすくなることから、少しでも割安な価格での購入につながりやすいといえます。 

 

近年マンション価格が大きく上昇していることについて紹介しました。高騰の理由としては、前述の通り建設コストの高騰や、マンション供給戸数の減少、低金利環境の継続、富裕層による投資対象化の進行など、様々なことが想定されます。今後も賃貸に住み続けることも含め、幅広い選択肢からマンション購入について検討してみてください。 

 

出典 

東京カンテイ 2023年・年間平均中古マンション価格(年間版) 

 

執筆者:小林裕 

FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート 

 

ファイナンシャルフィールド編集部 

 

 

 
 

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