( 244796 ) 2025/01/05 17:06:06 0 00 日本の平均年収が「460万円」って本当? 周りでそんなに稼いでいる人はほとんどいない印象なのですが……
日本の平均年収は「460万円」だと、耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。しかし、実際にこの平均値を肌で感じられる人は案外少ないかもしれません。
本記事では、この「平均年収」がどのように算出されているのか、詳しく見ていきましょう。
国税庁長官官房企画課の「令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」によれば、年間を通じて働いた給与所得者の平均年収は460万円で、男女別では男性が569万円、女性が316万円となっています。
また、給与所得者の平均年齢は47.0歳(男性47.1歳、女性47.0歳)、平均勤続年数は12.5年(男性14.1年、女性10.3年)となっています。
■正社員と非正社員の給与差 正社員(正職員)とそれ以外の雇用形態別における1年間を通じて勤務した給与所得者の平均給与は表1の通りです。
表1
図表1
出典:国税庁長官官房企画課「令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」より筆者作成
この結果から分かることは、正社員(正職員)と非正社員(契約社員やパートタイムなど)では男女とも給与に大きな差があるということです。正社員は長期的な雇用契約に基づいて給与が支払われるため安定した収入が得やすい一方、非正社員は契約期間や労働時間などの条件が不安定で給与水準が低くなる傾向が見られます。
■事業所規模別の給与差:規模が大きいほど給与水準が高い 1年間を通じて勤務した給与所得者の、事業者の規模別に見た1人当たりの平均給与は表2の通りです。
表2
図表2
出典:国税庁長官官房企画課「令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」より筆者作成
事業所の規模によっても給与水準に大きな差があることが分かりました。小規模な事業所(従業員10人未満)に比べて、大規模な事業所(従業員5000人以上)の給与は高くなる傾向にあるようです。
年収ごとの給与所得者数とその割合は表3の通りです。
表3
図表3
出典:国税庁長官官房企画課「令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」より筆者作成
年収400万円超500万円以下の層は全体の15.4%、年収1000万円超の人が全体で5.5%もいることが分かります。つまり、このひと握りの高所得者が全体の平均値を引き上げているということです。
日本の平均年収が「460万円」とされているのは、統計的な平均値に過ぎません。この数字は、給与所得者全体の収入を基に算出されていますが、実際には高所得者の存在が平均年収を引き上げる要因となっています。
例えば、年収1000万円以上の高所得者が全体の5.5%程度いることから、その分、平均年収が高く見えるのです。そして、実際に周りでその金額を稼いでいる人が少ないと感じるのは、給与所得者の中で年収が400万円~500万円の層が15%程度しかないためです。
出典 国税庁長官官房企画課 令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-(15、18、23ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部
|
![]() |