( 245061 )  2025/01/06 04:52:16  
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ベストカーWeb 

 

 日本のスポーツカーが海外で人気だという知らせは、日本人としてはうれしいものである。しかし、度を超えると…正直驚きの方が勝る。今回のニュースは、新車価格の5倍近い値段で落札された、日本が誇る名スポーツカー「ランエボ」のお話である。みなさんはどう思われます? 

 

 文:古賀貴司(自動車王国)写真:ベストカー編集部 

 

 中古車に定価は存在しない。そして、供給量が増えることはなく、中古車相場は需要と供給が支配している。とはいえ、まさか三菱ランサーエボリューションが約2400万円もする時代がやって来るとは想像できなかったはずだ。 

 

 アメリカのオンライン自動車オークションサイト「Bring A Trailer」で先日、2007年式三菱ランサーエボリューションIX MR」が16万1000ドル(約2400万円)で落札された。 

 

 走行距離が僅か461マイル(約742)だった、というのが大きな要因だろうが、それにしても…である。そしてこの車両、完全にノーマル状態を維持している、ということも高額落札に繋がったようだ。 

 

 出品者が新車時、ディーラーに支払った総額は3万7424ドル。現在は約5倍の価格で売却されたことになる。もちろん、Bring A Trailerで売却された中で最高額のランサーエボリューションとなった。 

 

 かつての最高金額は2022年に落札された2台のランサーエボリューションIX(2,200マイル走行のスペシャルエディションと809マイル走行のMR)で、いずれも9万ドルだった。 

 

 では、日本での相場がどのくらいか気になったので見てみると、走行距離が少なく改造が施されていないもので1,000万円弱だ。 

 

 今回のアメリカでの落札価格は、いずれ日本におけるランサーエボリューション相場へも影響を及ぼすことだろう。それにしても高い…、高過ぎる…と言いたくなるものだが、これが中古車相場の面白いところでもある。 

 

 

 三菱がアメリカに持ち込んだランサーエボリューションXIの台数は約8200台強と推測され、そのうちランサーエボリューションIX MRは4000台強だったと言われている。そういう意味では、そこまで希少価値が高いわけでもない。 

 

 Bring A Trailerのコメント欄を読み漁ってみると出品者は普段、2003年式のランサーエボリューションに乗っていて、当該車両は大切に保管してきたようだ。 

 

 それにしても17年間も動態保存するとは、よほどのランサーエボリューション愛好者なのだろう。出品者によるBring A Trailerでの履歴には、1986年式三菱スタリオンへの入札があった。残念ながら落札には至らなかったようだが、三菱車ファンであることが推察できる。 

 

 なお、当該車両には出品者が購入していたスペアパーツ(オイルフィルターやOリング)、ランサーエボリューションが取り上げられた雑誌多数、新車カタログ、Tシャツなどが付属する。出品前にエンジンオイルとバッテリーも交換されたそうだ。 

 

 今回の落札者は、果たしてこのランサーエボリューションを運転するのだろうか?それとも、動態保存してさらなる価値の向上を待つのだろうか?そんなことも気になってしまう。 

 

 

 
 

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