( 245701 )  2025/01/07 15:07:58  
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N党の立花孝志党首 

 

 昨年11月17日に投開票された兵庫県知事選をめぐって、候補者だった政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が兵庫県警に刑事告訴されたのは投開票日からわずか4日後のこと。告訴したのは奥谷謙一県議で、兵庫県の斎藤元彦知事が失職前にパワハラなどの疑いで告発された件を調べる百条委員会の委員長だ。その後、12月に入って県警は実際に立花氏から任意で事情を聴いているが、警察幹部はこの件をどのように見つめているのだろうか。 

 

「奥谷氏は、県知事選挙に関して立花氏にSNSを通じて名誉を毀損されたとして、警察に名誉毀損の疑いで告訴状を提出し受理されました。立花氏の投稿は拡散され、さらに奥谷氏がひぼう中傷を受け、社会的名誉が大きく損なわれたとも主張しています。立花氏が選挙期間中に自宅兼事務所前で演説した内容が脅迫にあたるなどとして県警に被害届も提出しています」 

 

 と、担当記者。 

 

 それらを受けて、県警は12月22日に任意で立花氏に事情聴取を行った形だ。 

 

「県警の聴取スタートまでの動きをとてもスピーディーだなと個人的には受け止めました。告発者が現職県議という点が大きいようです。一方の立花氏は聴取内容について、知事選に出馬を表明した10月末からの経緯を説明したようです。年が明けて次回の聴取を行うということにもなったとのことでした」(同) 

 

 警察幹部は、今回の件をどのように見ているのだろうか。 

 

「立花氏は兵庫県知事選で当選を目指さず斎藤氏を支援する姿勢を鮮明にし、実際にそのように動いていました。公職選挙法は候補者1人あたりのポスターや選挙カーの数などを制限しています。選挙の公平性を担保するためですが、今回それが破られたのではないかとの指摘もあります。2馬力選挙と言われるゆえんですね。もちろんそのおかげで斎藤氏が当選できたかどうかの判断は難しいでしょうが、これからも自ら当選を目的とせず、他の候補の当選・落選を企図して出馬する候補者が出てくる可能性があることについて、警察幹部は“由々しき問題だ”と話していました」(同) 

 

 

「警察幹部の間での立花氏に対する認識は“社会秩序を乱す者、法の網をくぐり抜ける者”とかなり厳しいものでした」(同) 

 

 公選法についてはSNSへの対応が盛り込まれていないなど不備が指摘されて久しい。立花氏の行動についてそういった点を浮き彫りにしてきたという意味で評価する声があるのは事実だ。 

 

「立花氏自身ダークヒーローを自認して振る舞っているフシがありますが、警察幹部としては“どこかで線引きをしなければエスカレートしていく”との危惧があるようでした」(同) 

 

 立花氏をめぐってはNHKへの威力業務妨害や中央区議への脅迫の罪で、2023年3月に懲役2年6月、執行猶予4年の判決が確定している。新たに別件で立件されて実刑判決を受ければ執行猶予が取り消されることになる。 

 

「捜査当局が今回の件で立件に向けて相当積極的なのかというと微妙です。が、立花氏によるSNSでの書き込みや奥谷氏の自宅兼事務所前で演説した内容は事実ですから、それをどう吟味するかということなのでしょう。“野放しにし続ける気はない”という声もありました」(同) 

 

 今回の件に限れば、2度目の事情聴取が行われるタイミングに何らかの動きがも想定され、要注目といえそうだ。 

 

 いまだかつてない選挙となった兵庫県知事選については、【関連記事「斎藤元知事のまさかの当選は」兵庫県知事選の現状と見通しについて】で改めて振り返ってみよう。 

 

デイリー新潮編集部 

 

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