( 248301 ) 2025/01/12 17:11:09 0 00 ウクライナのゼレンスキー大統領がSNSで発表した北朝鮮軍兵士捕虜2人のうちの1人(写真・ゼレンスキー大統領のTelegram)
2024年1月11日、ウクライナのゼレンスキー大統領が「北朝鮮兵士2人を捕虜にした」とSNSを通じて発表した。これを受けてウクライナ保安局は、クルスクで捕虜にした北朝鮮軍兵士の身元と現在の状態を明らかにしている。
ロシア西部のクルスクでウクライナ軍が捕虜にした北朝鮮軍兵士2人は、それぞれ2005年、1999年生まれの狙撃兵とライフル射手とされている。
彼らはそれぞれ頭と脚を負傷したままウクライナの首都キーウに搬送され治療を受ける一方、現地に派遣された韓国の情報機関・国家情報院職員が通訳を支援してウクライナ保安局の調査を受けているという。
■兵士2人は20歳と26歳
同保安局によると、捕虜の1人は2005年生まれのライフル兵で2021年に入隊した。 彼はシベリア南部トゥヴァ共和国出身の26歳アントン・アリウキンというロシア人兵士の身分証明書を所持していたが、2024年秋にロシアで1週間、ロシア軍との協力作戦遂行訓練を受けた際に身分証明書を受け取ったという。
とくにこの兵士は、自分がウクライナ戦争へ参戦するためではなく、「訓練のために派遣された」と信じていたと供述した。
1999年生まれの26歳のもう1人は2016年に入隊し、狙撃兵として勤務したと述べた。この兵士はあごを負傷して話せないため、筆談形式で尋問が行われている。現地の医師によると、1人は頭蓋顔面損傷で歯科治療を受ける予定で、もう1人は下腿骨骨折の状態だという。
保安局が公開した動画を見ると、1人はあごに、1人は手に包帯を巻いたまま、病院と思われる施設のベッドに横たわり、ストローで水を飲んでいた。
治療と尋問のために彼らをキーウに搬送したが、英語やロシア語、ウクライナ語が話せないため、国家情報院と協力する韓国人通訳を通じて調査が行われていると説明した。
また保安局は「(北朝鮮軍の捕虜は)国際法の要件を満たす適切な条件で拘留されている」と明らかにした。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナの特殊作戦軍84戦術グループと空挺部隊が北朝鮮軍2人を捕虜にしたと明らかにしていた。1人は1月9日に捕らえられ、もう1人の拘束時期は言及されなかった。
ウクライナ保安局は、北朝鮮軍兵士捕虜について「北朝鮮がロシアの戦争に参加したという明らかな証拠」だ強調する。ウクライナのシビハ外相はSNSで「最初の北朝鮮の戦争捕虜がキーウにいる。傭兵ではなく、正規の北朝鮮軍だ」と明らかにした。
■捕虜2人の処遇は不透明、ロシア送還も
ウクライナ当局がクルスクに派兵された北朝鮮軍兵士を捕虜にし身元を公式発表したのは今回が初めてだ。これまで北朝鮮軍兵士数人を拘束・捕虜にしたものの、重傷で全員死亡したと述べたことがある。
北朝鮮軍兵士2人が今後どのような処遇を受けるかは不透明だ。現段階では、ゼレンスキー大統領やシビハ外相の発言を見ると、ウクライナ当局は彼らを北朝鮮軍の捕虜に分類しているようだ。
北朝鮮軍兵士捕虜をロシアが「ロシア軍所属」と認めれば、捕虜の処遇などに関する「ジュネーブ条約」に基づき捕虜の地位が付与され、ロシアへ送還される対象となる。ロシアと北朝鮮の両方が自国軍所属ではないと主張すれば、彼らは「違法戦闘員」などとみなされ、捕虜の地位が認められない可能性がある。
一部では、当該兵士たちが韓国行きを希望する場合、帰順も可能だとの指摘もあるが、「すべての国籍の捕虜を捕虜として扱い、北朝鮮軍兵力もウクライナ人と交換する準備ができている」というゼレンスキー大統領のこれまでの発言から考えると、簡単なことではない。
北朝鮮軍は2024年11月から秋からロシアのクルスクに派兵された。派遣軍の規模は1万1000人程度と推定される。
ソウル新聞
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