( 248904 )  2025/01/13 18:33:19  
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案内標識では、地名の表示は都道府県ごとに定められた基準に基づいて決められる。

基準地、重要地、主要地、一般地の4段階のランク分けがあり、地名表示の基準が決められている。

例えば東京都では「東京」が基準地であり、他の地名表示はその基準に基づいて選ばれている。

神奈川県や埼玉県には基準地が設定されておらず、そのため案内標識には「神奈川〇km」や「埼玉〇km」の表示は見られない。

その代わりに、より広く認知されている「東京」や「千葉」などが表示されている(要約)。

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案内標識の例(画像:写真AC)。 

 

 一般道の案内標識で「東京 〇km」と書かれているケースは、そこから200km以上離れた場所でも見られます。しかし、その場所よりも近いはずの「神奈川 〇km」あるいは「埼玉 〇km」といった表示は、なぜか見かけません。その一方で「千葉」は存在します。なぜでしょうか。 

 

 実は、案内標識の地名はあらかじめ決められており、そこに「神奈川」「埼玉」の文字はないのです。国土交通省道路局によると、案内標識で表示される地名は、都道府県ごとに広域に通用する順で「基準地」「重要地」「主要地」「一般地」という4段階でランク分けされて、あらかじめ決められています。この4つの分類は、それぞれ次のように定義されます。 

 

・基準地:重要地のなかでも特に主要な都市。おおむね1県1都市 

・重要地:県庁所在地、政令指定市、地方生活圏の中心都市など 

・主要地:二次生活圏の中心都市 

・一般地:重要地、主要地以外の市町村、沿道の著名な地点など 

 

 たとえば東京都であれば、基準地は「東京」(具体的には中央区の日本橋)1つです。23区内の重要地は「池袋」「渋谷」など9か所、主要地はよりローカルな表示になり、「大森」「板橋」」など60か所以上あります。 

 

 そして、それぞれの案内標識でどのような地名を表示するかという基準も、「主要幹線道路」「幹線道路」「補助幹線道路」という一般道路の機能による3分類と、前出した地名のランクとで決められています。 

 

案内標識の地名表示例(画像:国土交通省)。 

 

 広域に移動する人が多く利用する主要幹線道路では、表示地名も広域的なものが重視され、最もローカルな一般地は表示されません。たとえば主要幹線道路である国道6号の「方向及び距離」標識で、上から「東京 67km」「柏 37km」「取手 28km」と並んでいるものは、基準地、重要地、主要地の順で、それぞれ現位置から最も近い場所が書かれています。 

 

 一方、より短距離を移動する人が多くなる幹線道路や補助幹線道路では、場所に応じて主要地や一般地を重視する標識もあるとのことです。 

 

 では冒頭の「神奈川 〇km」「埼玉 〇km」を見かけないのはなぜでしょうか。ひとつには、神奈川県と埼玉県に、基準地が設定されていないことが挙げられます。 

 

 基準地は「青森」や「仙台」など、おおむね都道府県でひとつ(北海道などは複数)設定されていますが、「神奈川 〇km」「埼玉 〇km」と表示するよりも、より多くの人が目指すであろう「東京」を示した方がわかりやすいという理由から、2県に加え千葉県も、基準地の設定がありません。 

 

 また、神奈川県と埼玉県には「神奈川」「埼玉」という自治体名もないためか、この2つは重要地にも主要地にもなっていません。一方で「横浜」やひらがなの「さいたま」は重要地に設定されているほか、「千葉」は地名(市名)として重要地となっているので、「千葉 〇km」との表示は多く見られます。 

 

乗りものニュース編集部 

 

 

 
 

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