( 249379 )  2025/01/14 18:28:33  
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ウクライナ軍に捕虜となった北朝鮮軍兵士が、ウクライナで暮らしたいと希望している映像が公開された。

韓国の情報機関によると、ウクライナ戦争に参加した北朝鮮軍の死者は約300人、負傷者は約2700人とされている。

また、国情院が非公開の懇談会で、北朝鮮軍兵士の死傷者数は約3000人に達したと報告された。

北朝鮮の理解不足やロシアの活用方法が原因だとされる。

国情院は、北朝鮮兵士が自爆自決を強く望んでおり、自殺を試みる事例もあるとしている。

北朝鮮軍捕虜の帰還先や処遇について、韓国情報院が関与していることが報じられている。

(要約)

( 249381 )  2025/01/14 18:28:33  
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ウクライナ軍の捕虜となった北朝鮮軍兵士。2005年生まれで2012年に入隊したという(写真・ウクライナ保安局/ソウル新聞) 

 

 ウクライナ軍の捕虜となったとされる北朝鮮軍兵士が、「ここで暮らしたい」と言った映像を2025年1月12日、ウクライナのゼレンスキー大統領がSNSを通じて公開した。 

 

 また韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は、ウクライナ戦争に派兵された北朝鮮軍のうち、死亡者数は約300、負傷者数は約2700人と明らかにした。 

 

■ゼレンスキー大統領が映像公開 

 

 ゼレンスキー大統領はこの日、ソーシャルメディアの「X」(旧ツイッター)に、ウクライナと国境を接するロシア領クルスクで捕虜となった北朝鮮軍兵士2人を、首都キーウの拘留施設で尋問している様子の2分55秒分の映像を公開した。 

 

 ウクライナ保安局(SBU)が国情院の助けを借りて韓国語で行われた尋問には、手に包帯を巻いてベッドに横たわったままの兵士1人に対し、「北朝鮮に戻りたいか」という質問に、少しためらった後、「ウクライナの人々はみんなよい人たちか」と聞き、「ここで暮らしたい」と述べた。 

 

 捕虜のうち1人に対し、「今、ここがどこかわかるか」「ウクライナを相手に戦うことを知っていたのか」との質問に、口を開かないまま顔を横に振った。「指揮官は誰と戦うと言ったのか」という質問には、「訓練を実践のように行う、と聞いた」と答えた。 

 

 この兵士は捕虜になる前の状況について、「2025年1月3日、前線に出て同僚たちが死ぬのを見た。防空壕に隠れていたが、5日に負傷して捕まった」と説明した。 

 

 もう1人の捕虜は「北韓(北朝鮮)に戻りたいか」という質問に、首を縦に振った。「北韓国にいる両親は息子がどこにいるのか知っているのか」と聞くと、首を横に振った。 

 

 また「北韓にまた戻りたいか」という質問には回答せず、視線を下に落として沈黙してしまった。通訳が「朝鮮(北朝鮮)に戻りたいか」と再び聞くと、首を縦に振った。 

 

 ゼレンスキー大統領は映像公開後の投稿で、ロシアに抑留された自国軍捕虜と北朝鮮軍捕虜との引き換えを提案した。同時に北朝鮮軍には「祖国送還以外の選択肢がある」というメッセージを出した。 

 

 これは、ウクライナ戦争に対する国際社会の世論を喚起し、戦況を自国に有利に導こうとする戦略のようだ。 

 

■「北朝鮮軍兵士約3000人が死傷」 

 

 これと関連し、国情院は1月13日、韓国国会情報委員会が開催した非公開の懇談会で、北朝鮮軍の死傷者数が約3000人に達するという内容を報告したと、与野党の幹事長である与党「国民の力」のイ・ソンギュン、最大野党「共に民主党」のパク・ソンウォン議員が明らかにした。 

 

 

 国情院は「ロシアに派遣された北朝鮮軍の交戦参加地域がクルスク全域に拡大している。北朝鮮軍の被害規模が死者約300、負傷者約2700人となり、全体で3000人を超えたと推定している」と述べた。 

 

 国情院は2024年12月19日には、死亡者数が少なくとも100と推定されると明らかにしている。国情院の情報から判断すれば、1カ月も経たない間に200人以上の北朝鮮軍兵士が死亡したことになる。 

 

 国情院は最近入手した北朝鮮軍の戦闘映像を分析した結果、大規模な死傷者発生の主な原因として、無意味な遠距離ドローン照準射撃や後方火力支援を受けないままの突撃戦術など、現代戦に対する理解不足とロシア側による北朝鮮軍の活用方法を挙げた。 

 

 国情院は、戦死者の所持メモから、北朝鮮当局が自爆自決を強調する内容とともに、兵士たちが労働党入党および赦免を期待している内容が発見されたという。 

 

 最近になって、北朝鮮軍兵士1人がウクライナ軍に捕まりそうになると、「金正恩(総書記)将軍」と叫びながら手榴弾を取り出し、自爆を試みて射殺された事例も確認されたと明らかにした。 

 

■捕虜の帰還先はどうなるか 

 

 また、国情院は最近、ウクライナ当局に捕らえられた北朝鮮軍捕虜2人は偵察総局所属で、北朝鮮当局が派遣給与の約束なしに「英雄として優遇する」という通知を受けたとの供述があったという。 

 

 前出のイ・ソンギュン議員は「その捕虜が韓国に行くという立場表明をしたことはない。国情院は、北朝鮮軍も憲法的価値観から見ると韓国国民に含まれるため、捕虜になった北朝鮮軍兵士の意思が最も重要だという観点に基づき、帰還を要請すれば、ウクライナと積極的に協議するという立場だ」と述べた。 

 

 国情院は、北朝鮮内部ではロシア派兵と関連したニュースが広がっており、派兵軍兵士の家族は「奴隷兵」「大砲飯」(銃弾の受け皿)という自嘲と心配を吐露していると伝えた。 

 

 しかし、直接的な利害関係を持たない人々は、ロシアの支援と民生改善を期待しているとし、北朝鮮当局が派遣軍家族の食糧・生活必需品など物質的な補償を提供した状況も明らかにした。 

 

 一方、北朝鮮軍兵士捕虜を尋問した側が国情院の工作員かどうかなどについて、パク議員は「確認できない」と話した。 

 

ソウル新聞 

 

 

 
 

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