( 249406 ) 2025/01/14 18:55:16 0 00 佐々木朗希(C)共同通信社
このオフのことだ。ロッテのスタッフが相次いで退団することになったという。
トレーナー、理学療法士、管理栄養士の3人で、いずれも仕事のできる人たちばかり。首脳陣や選手たちの評判も良かったという。なのに、なぜ……。ロッテOBが言う。
「佐々木朗希がメジャーに連れて行くと聞きました。3人とも優秀だっただけに、後任を探すのは大変だったそうです。佐々木は5年間で29勝、チームをリーグ優勝に導いたわけでもない。ポスティングでメジャー挑戦するだけでもわがままとの声が絶えないのに、チームにとって必要不可欠だったスタッフまで連れて行くなんて、後足で砂をかけるようなもの。球団の中からは『アイツは自分のことしか考えてない』という声も出ています」
結果として、球団の優秀なスタッフを引き抜いたも同然。顰蹙を買うわけだが、海を渡って以降も波紋が生じるのではないか。
佐々木はマイナー契約だ。代理人のジョエル・ウルフ氏によれば、20球団が獲得に乗り出しているものの、開幕ロースターを確約した球団はひとつもないという。スプリングトレーニングで結果を出して初めてメジャーの40人枠に入れるマイナーリーガーが、3人もスタッフを引き連れて海を渡るのだ。
いや、ドジャースやパドレス、カブスなど複数の日本人選手が在籍する球団ならともかく、そうでない球団であれば専属の広報や通訳が必要になるから、場合によってはマイナーリーガーが“一族郎党”でメジャー球団に入団することになるかもしれない。
かつて松井秀喜は広報、田中将大(現巨人)は広報と通訳、大谷翔平(ドジャース)は通訳を伴ってメジャーに移籍したが、3人とか、それ以上となるとかなり異例だ。
「佐々木はひ弱。体がまだ、完全にできていないことを考えたら、球団フロントがコンディションを管理するスタッフを受け入れようと考えても不思議ではありませんが……」と、米紙コラムニストのビリー・デービス氏がこう続ける。
「ただ、メジャーの各球団には優秀なトレーナーも理学療法士もいますからね。通訳や広報であればともかく、トレーナーや理学療法士や管理栄養士となると、佐々木が個人的に契約することになる可能性が高い。球団職員として採用すれば、そもそも専門のスタッフがいるうえに、佐々木以外の選手の面倒まで見ることになりますから。いずれにせよ佐々木が彼らを連れて行くとなると、もともと現場にいるスタッフは面白くないでしょうし、選手たちはマイナー契約のくせに一体、何様なの? と受け止める可能性が高い。結果が伴わなければなおさらです」
佐々木朗希(C)共同通信社
日本時間13日はカブスのスペイン語中継のアナリストが、「佐々木がドジャースと合意に達する可能性は65%。史上最強のローテーションが生まれるかもしれない」と自身のXに投稿。
そのドジャースは佐々木獲得に約5億7000万円を用意したとか。佐々木は国際アマチュア選手向けの25歳ルールによって、獲得に要する資金は各球団に割り当てられた国際ボーナスプールの範囲内で捻出しなければならない。ドジャースは佐々木獲得の資金を少しでも増やす目的で、本来、約1億7000万円で獲得予定だったドミニカ共和国の遊撃手を市場に戻すことに。彼はパイレーツと契約することになりそうだという。全米野球協会所属の記者が自身のXで報じた。
ドジャース同様、佐々木獲得を狙う球団が中南米の有力選手との契約を延期するケースがあるからか、この記者によれば「ドミニカの指導者たちは、佐々木のようなプロ野球選手を国際アマチュア選手向けの予算から除外するようMLBに提案している」という。
さて、佐々木の交渉期限は日本時間24日午前7時。残るは10日あまりとなって、交渉は大詰めを迎えている。国際ボーナスプールの問題は本人に責任があるわけではないとはいえ、佐々木のメジャー挑戦は世界中に波紋を広げている──。
◇ ◇ ◇
ところで、ロッテにとってスペ体質の佐々木朗希は「足枷」になっていたと言っても過言ではない。いったいなぜか。球団を困らせた深刻な事情とは何か。佐々木がいなくなり石川柊太が入団したことがもたらす「圧倒的メリット」とはいったいどのようなものか。
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